そこで私は大宅文庫の検索結果を「古い順」に並べ直し、逆の時系列で雑誌を読んでいったところ、橋本マナミに関する重要な情報を入手したのです。
それは、2001年10月18日号の『DIME』に掲載されていた、彼女が17歳のときに受けたインタビューでした。
彼女のデビューのきっかけは某有名コンテストの演技部門で優勝したことなのですが、彼女は「女優さんになりたくて自分で応募したんです」と真っ直ぐに答え、さらに「学校の勉強以外、普段の日は何やってるの?」という質問に対して「家で演技の自主練習をしています。発声練習とか、台詞とか詩の朗読とか……」。
そう――現在、国民の愛人でグラビア界を席巻する彼女はそもそも演技派女優志望だったのです。これは、
ダースベイダーが元々ジェダイの騎士だったのと同じぐらい重要な事実
だと言えるでしょう。
さらに水野情報網に検索をかけたところ、私の知人の敏腕映画プロデューサーR氏が「橋本マナミの演技力は高く、ガッツのある女優だから今後確実に花開いていく」と太鼓判を押していました。
その話を聞いて、(世の中が「橋本マナミ=愛人」だと勘違いしているところに、「橋本マナミ=演技派女優」として捉え、演技論に花を咲かせれば確実に親密な関係になれる!)と確信した私は「演技論に花を咲かせられる」という視点でお店を探し続けた結果、(ここしかない!)と発見したのが
『8月の鯨』
です。
ここは「映画」をコンセプトに作られたバーで、映画通のバーテンダーが作るカクテルの名前はすべて映画のタイトルになっているのです。このとき私はこのディナーが盛り上がり最高のハッピーエンドを迎えることを確信していました。
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