
その名はサエコ:愛の才能?いいえ、最後に勝つのは「夜の才能」を手に入れた女。
※本記事は、2016年に公開された記事の再掲です。当時の空気感も含めて、お楽しみください。
サエコを語る女たち:登場人物
絶世の美女ではない。だけどなぜか噂が絶えない女"サエコ”。彼女にまつわる女たちの噂話。"サエコ”について語る女の口から、嫉妬と自己肯定が入り混じるねじれた感情が露呈していく・・・。果たして、”サエコ”は悪女なのか?誰が悪女かわからない、視点変えれば全員悪女な十人十色の女たちの主張とは。
前回まで、「顔は大して変わらない」サエコの同期"さとみ”、サークル時代の女性格付けで、No2を言い渡された"アン”、サエコの会社の5つ上の先輩・靖子”が、嫉妬をだだ漏れに、ねじれた感情を垣間見せた。一見従順な後輩・"奈々”も何だか、したたかである。
今回登場する女は・・・?
彼氏・旦那の「元カノ」・・・気になりませんか?
私自身は、そんなに大したことがない容姿ですから、サエコさんのことをとやかくいうことはできません。顔で勝負しようなんて、おこがましいことくらい心得ています。
だけど、私がなぜ、サエコさんについて語る立場にあるかといえば・・・
私の旦那の元カノが彼女だからです。
彼氏・旦那の「元カノ」・・・気になりませんか?
私は、聖子と申します。
顔には恵まれなかった代わりに、神様は、私にスポーツの才能を与えてくださいました。その才能を無駄にしないように、誰にも負けないくらい努力して、スポーツインストラクターの資格を取りました。
彼とは、私が勤めているスポーツクラブで出会ったのです。
初めて会った時、「なんてかっこいい人だろう」と衝撃を受けました。長身で、彫りが深く、日本人離れした顔立ちのスーパースター・・・。それでいて気さくな優しい彼を前にして、私は、いたたまれなくなったのを覚えています。
美人は世界を救うと言いますが、男性の美貌は残酷です。
社会には、職業や、背丈、スタイル、知性など様々な序列が存在しますが、数ある項目の中でも、美貌がもたらす破壊力は圧倒的です。 遺伝子レベルで生まれた瞬間に決められた序列、「大貧民」の革命を使っても、ひっくりかえらない格差に、彼を見たときに、美しさは、王様のようだなと改めて思いました。
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