2015.10.12
「ふたりのニコライ」―作家・柴崎竜人の恋愛ストーリー Vol.7いよいよ明日に迫った、作家・柴崎竜人の恋愛ストーリー「ふたりのニコライ」最終話。
モテない主人公がふらりと入った立ち飲み屋で出会った双子美人との物語を、一挙に全話おさらい!
第1話:双子姉妹に征服された夜
僕らは青春時代に必ずひとり、神格化された女生徒を学年にもつ。
男子生徒は授業中に飽きもせず彼女の背中を見つめ、いざ振り返れば悪戯書きばかりの教科書にあわてて顔を伏せる。
女子生徒は彼女のファッションをつねに追いかけ、同じぶんだけスカートの丈を短くし、同じマフラーの巻き方を毎晩練習する。ただ彼女が身につける水色のマフラーだけは、彼女だけに許された神聖な色として決して誰もマネしない。
大崎夏帆は僕の高校においてそのような女生徒だった。
そして再会した大崎は目の前に二人いた。大崎夏帆は、双子だった。
第1話の続きはこちらhttps://tokyo-calendar.jp/article/4302
第2話:双子姉妹との恋の駆け引き
僕はもう冴えない高校生ではない。
巨匠のもとで訓練を積んだいっぱしの武士だった。だから二軒目のバーで、まるで重大な秘密でも打ち明けるみたいに、
「私たち、お酒が好きなの」
と二人の大崎がサラウンドで言っても
「うん。そうみたいだね」
と軽く会話をあわせることができる。「そうなんだ」ではなくて「そうみたいだね」というところが一流の武士の会話術だ。
第2話の続きはこちらhttps://tokyo-calendar.jp/article/4356
第3話:美人の双子に挟まれて
「バーで注意が必要なのは女が飲んでる酒の種類だ。シェイカーが必要なカクテル類なら構わないが、その女が生のスピリッツを飲んでいた場合は、知的水準が高い。知性を武器にできないようなら、逆にプライドをズタズタにされて血まみれになるぞ」
女の子を口説くのは命がけだ。生半可な覚悟では口説けない。
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第4話:泥酔スイッチが入ったオンナの恐怖
「ほら黙ってないで言えよーニコライ! きゃははは」
「もういいじゃない、ニコライも困ってるし」
「教えろよ〜、『ふつうの会社員』とかお前の説明、なんの元カノ情報にもなってないじゃんよこのニコライ野郎!」
もういちど言おう、泥酔である。
第4話の続きはこちらhttps://tokyo-calendar.jp/article/4494
第5話:酔ったオンナを相手に童貞喪失となるか
「てことは、ニコライって童貞なんだ」
落ち着け、ニコライ、落ちつくんだ。
この程度の窮地なら誰でもある。ピンチこそ最大のチャンスだと一流の恋愛武士なら知っているだろう。ここで逃げ出すのは簡単なのだ。だがあえてここで一歩踏み出すことで、勝機をたぐり寄せるのだ。
第5話の続きはこちらhttps://tokyo-calendar.jp/article/4526
第6話:酒が強いから酔い方も美しいなんてウソ!
いやマジでなんてことしてくれたんだ、この泥酔女は。
「酒が強いことと、酔い方が美しいことには、まったく相関性はない」
もう僕は勝利目前だった。口説き落としていたようなものだった。だいたいモナコがアルコールを自制してこんな酔い方をしなければ、試合はもっとスムースに進んだし、こんな中途半端な形で夜が終わることもなかったはずだ。
第6話の続きはこちらhttps://tokyo-calendar.jp/article/4564
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