「ふたりのニコライ」―作家・柴崎竜人の恋愛ストーリー Vol.5

酔ったオンナを相手に童貞喪失となるか 「ふたりのニコライ」第五話

前回までのあらすじ

高校時代、読書研究会というドマイナーな部活で世界を呪いながら学生生活を送っていた僕。社会人となり、ふらりと入った立ち飲み屋で再会したのは、高校のアイドル・大崎夏帆だった。「僕はもう高校時代の僕じゃない、いっぱしの恋愛武士なのだ。よし大崎夏帆を口説き落としたる」と腹を決めたものの、双子の美女のどちらが大崎夏帆かわからない。そんななか、泥酔した彼女たちから「もしかして、童貞なんだ」と詰め寄られ……

前回:泥酔スイッチが入ったオンナの恐怖 「ふたりのニコライ」第四話

「てことは、ニコライって童貞なんだ」

落ち着け、ニコライ、落ちつくんだ。
この程度の窮地なら誰でもある。ピンチこそ最大のチャンスだと一流の恋愛武士なら知っているだろう。ここで逃げ出すのは簡単なのだ。だがあえてここで一歩踏み出すことで、勝機をたぐり寄せるのだ。
僕はグラスワインに口をつけながら、出会ったばかりのころに巨匠から頂いたありがたいひと言を思い出した。

「易い道が好みなら、違う流派を選ぶがいい。労せず女を口説こうとする流派はいくらでもある。しかし私が教えられるのは、それとは違う道だ。一の太刀を疑わず、二の太刀要らず。だが要あらば二の太刀以降も無心の剣。それが……」

恋愛示現流、僕はその免許皆伝なのだ!(雷鳴の効果音)

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