「ふたりのニコライ」―作家・柴崎竜人の恋愛ストーリー Vol.6

酒が強いから酔い方も美しいなんてウソ! 「ふたりのニコライ」第六話

【前回までのあらすじ】
高校時代、読書研究会というドマイナーな部活で世界を呪いながら学生生活を送っていた僕。社会人となり、というか恋愛示現流の免許皆伝となって、ふらりと入った立ち飲み屋で再会したのは、高校のアイドル・大崎夏帆だった。

「僕はもう高校時代の僕じゃない、いっぱしの恋愛武士なのだ。よし大崎夏帆を口説き落としたる」と腹を決めたものの、双子の美女のどちらが大崎夏帆かわからない。

そんななか、泥酔した彼女たちから「もしかして、童貞なんだ」と詰め寄られた僕。苦戦しつつもなんとかその危機を逆転させることに成功し、さぁここからというときに、こんどは「じゃあ、もうこんな時間だし」と双子は言いだし……

前回:酔ったオンナを相手に童貞喪失となるか 「ふたりのニコライ」第五話


「そろそろ私たちも帰ろっか」

「え、いや、あのちょっと待って、だってまだ……」

と確認した携帯電話は午前三時を示していた。遅い、たしかに遅すぎる。
気づけばニースは口角をわずか上下させることであくびを噛み殺しているし、モナコにいたっては一切の遠慮もなく、ピッコロ大魔王が......


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