開業23年目で二ツ星獲得。『西麻布 鮨 真』の進化する美学と確かな技術とは

いまから23年前、まだ西麻布に鮨店があまりなかった2003年、『西麻布 鮨 真』は創業した。

初刊行の『ミシュランガイド東京』で一ツ星に。以来、18年もの間、地位を堅持してきた。2026年度最新版でついに二ツ星昇格。

地道だが決して進化を止めない名店の矜持に迫った。



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好きだから極める。生来の鮨職人が追い続ける理想像

広尾『西麻布 鮨 真』の鈴木真太郎氏

『西麻布 鮨 真』親方・鈴木真太郎
1971年東京・世田谷生まれ。高校時代、地元の鮨店にアルバイトで入り、キャリアをスタート。約15年の修業を経て2003年西麻布で独立。2011年に現在地へ移転


「子どもの頃から鮨が好きで鮨を食べるために店をやっています」と笑う店主・鈴木真太郎さんの言葉に偽りはない。

キャリアはもう40年近いが、いまも休日のルーティンは鮨の食べ歩き。行きたいリストに挙げた店を巡る。食べ続けてきたからこそ気づくことがある。

自分の握りも毎日試食を繰り返す中で「こうした方がいい」に辿り着く。

「小肌は熟れさせた方が旨い」
「ヅケは空気に触れさせた方が香味が活きる」

こうした工夫の積み重ねが名店をさらに進化させてきた。

「鮨屋も流行があって変わってきています。最新を追う気はありませんが、学ぶべきは学び、改善すべきは改善しないと、成長はない」

ベテランになったいまも大上段に構えることなく、フラットに時代の変化を見つめている。伝統に収まることをよしとせず、必要なら冒険も厭わない。このしなやかな姿勢こそが二ツ星の評価に繋がったのだろう。

それでも「自分の理想をさらに理想的なものにするため」に鈴木さんは今日も鮨を握る。

大胆な独創性と緻密な技術。開業23年目で輝いた二ツ星は伊達じゃない


日々の発見を少しずつ積み重ねて振り返れば大きく前進している。『西麻布 鮨 真』の23年はそんな歳月だったろう。

広尾『西麻布 鮨 真』のシャリ

米は新潟産と佐賀産。酢加減などを含め、開店以来、何度も変更を繰り返してきた


シャリはいまようやく「ここ7年は変えていません」と鈴木さんも納得する塩梅に辿り着いた。

産地違いの米2種を合わせ、赤酢も熟成年数の異なる2種をブレンド。「切ってからなじませて30分後がベスト」と回転数に応じて昼夜で何度も仕込む。

広尾『西麻布 鮨 真』の「中トロ」

そのシャリを大きめに握ることで北海道・噴火湾産の「中トロ」をはじめ、ネタとの一体感が生まれる


ネタもその日の個体に合わせて仕事を微調整。今日のトロは「あまりスジが強くない」と包丁目は軽く。

広尾『西麻布 鮨 真』のアオリイカ

活けで仕入れるイカは身が厚いぶん、口当たりがゴワゴワしないよう包丁目を細かく入れる


アオリイカはいつもどおり、格子状に細かく。

広尾『西麻布 鮨 真』の「アオリイカ」

その結果、江戸前・佐島産「アオリイカ」も本来の甘みが引き出される。すだちと藻塩もよく合う


美味しさの裏に繊細な仕事が潜むことを鮨好きは理解しているから、ずっと通い詰めるのだ。

出てくるつまみはすべて一軍。酒との相乗効果を心得た以心伝心感がいい


おまかせは、まず3品ほどのつまみを提供してから握りへと移る。

広尾『西麻布 鮨 真』の「真鱈の白子」

「真鱈の白子」。ずっとおろしポン酢で提供してきたが、昨冬「こっちのほうが旨いのでは?と閃いて」酒蒸しにした牡蠣の煮汁でさっと炊く方法を考案。好評で今冬も継続


このつまみもまた秀逸で、冬なら「真鱈の白子」や「ぶり大根」は常連が心待ちにする定番。

広尾『西麻布 鮨 真』の「ぶり大根」

藁で燻して香り付けしたぶりを使う「ぶり大根」。提供直前に醤油にくぐらせて網で炙り、大根おろしを添える。鈴木さん曰く「皮ぎしの身はヅケにして握りますが、つまみはその内側の身で作るから旨い」


何げない仕事が唯一無二の美味しさを引き出していて、ついお酒が進んでしまう。

「鮨をメインで楽しんでほしい」と鈴木さんは言いつつも、握りに移る前に「追加したいお料理はございますか?」と尋ねるのもいつものこと。握りでも追加の有無は必ず聞く。

広尾『西麻布 鮨 真』の「うに軍艦」

追加の要望も多い「うに軍艦」。同じ北海道のバフンウニでも生産者によって色や風味が違う2種を合わせて握る。料理はすべて夜のおまかせ(¥33,000)より


つまりおまかせでありながら、お好みのように楽しめるということ。だから王道の江戸前鮨を食べた充足感で満たされるのだ。

― 実はこんな楽しみ方も! ―
「お持ち帰り」が鮨の宝石箱だった

広尾『西麻布 鮨 真』のテイクアウト折詰


事前予約必須で「店に取りに来られる方限定」だが、握りの豪華なテイクアウト折詰も販売中。

希望者は電話で11:50か17:50、どちらの時間に来店可能か伝えて予約を。¥17,820。

西麻布 鮨 真(広尾) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

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