この街を愛し続ける者がいる。そんな彼らが贔屓にする店には、銀座ならではのロマンが隠れていた。
達人たちが案内する、秘密の行きつけへいざ。
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銀座の中心で呉服店を営む2代目社長
1984年生まれ。ロンドンの大学でファッションを学んだのち、2009年に呉服店「銀座もとじ」に入社。2022年代表に就任。商品開発に携わるほか着物の文化を広く発信する。
Q1.銀座人の特長は?
「行きつけを多く持つ銀座の人は、店に居心地の良さを求めます。お店の方の仕事や料理の丁寧さに、客がついてくる。双方が敬意を払い、品を意識しているのも特徴だと思います」
Q2.他の行きつけの店は?
「日本料理の名店が手がける大人の隠れ家『時喰み』です。単品で気軽に楽しめますが、料理は独創性と上質さがきちんと備わっていて、お通しの胡麻豆腐から心をつかまれます」
Q3.銀座の魅力とは?
「肩肘張らずに過ごせる隠れ家から、クラシックな銘店までが、幅広くそろっているところ。一つひとつのレベルが本当に高くて、“また来たい”と自然に思わせてくれる街です」
1.1949年創業の老舗焼き鳥店は、銀座の大人が集う密かな社交場
『焼鳥 武ちゃん』

「銀座三越」の裏手、銀座三原通りに面している。向かって右手が「銀座もとじ」という近距離。『焼鳥 武ちゃん』は先代が八重洲で屋台からスタートし、昭和28年、銀座に店を構えた。創業から数えて今年で76年目
「粋な渋さこそ銀座の真骨頂」と語る泉二さん。長く続く店には、銀座で生き残るだけの高い品質があるという。
その彼が「仕事帰りに父とフラッと寄ったり友人を案内したり」と明かす行きつけが、呉服店「銀座もとじ」の隣にある、老舗店の『焼鳥 武ちゃん』だ。
「ここは銀座の真ん中にありながら、肩肘張らずに美味しい焼き鳥を楽しめます。コース最初のつくねを口にした瞬間から“ただの焼き鳥店じゃない!”と気づかされますよ」
お気に入りは大葉をあしらった「合鴨」で、「一度食べたら忘れられない」とか。
他にも趣向を凝らした串がそろい、街で長く愛されてきた理由が分かる。
「焼き鳥はもちろん、店全体の空気感が本当にいい。僕にとって“ここに来れば間違いない”と思わせてくれる昔から大好きな場所です」
粋な銀座人が親子2代で通うのは、古き良き一軒だった。
200年以上続く老舗煎餅店の8代目社長
1978年生まれ。デザイナーから家業へ転身し、2018年より現職。現在も音楽活動を続けるなど異色の経歴。老舗の伝統を大切にしつつ、時代の変化を読んだ新しい事業を展開する。
Q1.銀座の商売で大切なことは?
「近年の驚くような地価高騰で、商売の形態も大きく変わってきています。銀座という街で商いをしていくためには、この街の価値をいかに維持しつつ向上していけるか。それが重要なことだと考えています」
Q2.銀座の隠れ家といえば?
「ひとつはバー『D-Heartman』。カクテルも秀逸ですが、カツサンドが絶品。もうひとつは『カフェ キャンティ』。打ち合わせの合間に、固めのプリンとコーヒーで元気をチャージしています」
Q3.銀座はどんな存在?
「生まれ育った街なので『地元』というのが一番しっくりくる言葉ですね。買い物、食、サービスなど、すべてのコンテンツが、カジュアルからラグジュアリーまで幅広く高いレベルでそろっている楽しい街です」
2.ジビエからかき氷、ポップコーンまで。大人のための楽園がひっそりと佇む
『麦酒屋 るぷりん』
40歳までの銀座の若手経営者が集う「銀実会(ぎんみかい)」という団体がある。いわば街の弟分で構成される青年会のような存在だ。
松﨑さんと『麦酒屋 るぷりん』店主・西塚晃久さんの出会いもここ。以来、松﨑さんにとって同店は、フラリと訪れるプライベートな店になった。
「ジビエ料理からかき氷まで、すべて美味しい。必ず頼むのは羊脂をまとわせたポップコーン。これは一度口にしたら抜け出せません」
酒も食材も国内の良質なものだけを選び抜き、名門フレンチ出身のシェフが手掛ける料理には遊び心があふれている。
「あとね、こだわりのクラフトビールも約6種類そろっていて、ビール好きにはたまらないんです」
時には閉店後まで腰を落ち着け、店主や「銀実会」の仲間と語らいにふけることも。
ここは心許せるホームグラウンドであり、銀座の未来を語り合う場にもなるのだ。
34歳で高級クラブのオーナーを務める敏腕ママ
1990年生まれ。福岡・中洲『ロイヤルボックス』で接客業を学び上京。銀座の3店舗でチーママを経験して2022年、独立開店。今年3月には移転拡大し新生を果たした。
Q1.なぜ銀座で働き始めた?
「博多時代、出張でいらしていたお客さまから『中洲が日本のプロ野球としたら、銀座はメジャーリーグだよ』と言われて面白く感じたのが最初です。『挑戦しなさい』の言葉にも背中を押されて、上京を決意しました」
Q2.銀座の表と裏といえば?
「銀座の何に焦点を当てるかで表も裏も変わる気がしますが、通りで分けられるかなと。観光の方が多い“昼の表”が中央通りで、夜を知っている人しか集まらない“夜の裏”が並木通りのような感覚がありますね」
Q3.銀座ならではの文化は?
「伝統を大切に守り続ける気風と、新しいものを受け入れる懐の深さ。その両方を兼ね備えた点が銀座の文化であり面白さです。そんな街だからこそ、私も尊重すべき規律は乱さず、新風を吹き込んでいきたいです」
3.8丁目の地下には、政界や芸能界の大物が通う知る人ぞ知る割烹がある
『瀬戸内料理 すみのえ』
「華やかな表舞台の陰に覚悟と努力の日々がございました」と銀座での9年を振り返る藤堂さん。実力があったから今があるが、裏で周囲の反応はさまざまだったのだろう。
「常にお着物でお迎えするルール」を自分に課し「お客さまを第一に考えるのがホステスの基本」と胸に刻む。
社交場としてのクラブの存在意義も考え抜いた。だから「銀座は戦ってきた舞台。街に一歩入ったら私は“藤堂奈々未”でコンビニにも入りません」。
そんなママが信頼する店がここ『瀬戸内料理 すみのえ』だ。
「時には元首相などのVIPがいらして外にはSPが立ちますが、店内では和やかにお食事できる安心感がある。大将の大谷さんにも魅了され、心のこもった和食にほっとします」
藤堂さんもお気に入りの〆が「卵かけご飯」。
アルカリ電解水で炊き上げた広島・世羅地区の特別栽培米コシヒカリを、栃木・那須の高級ブランドたまご「頂」で食す。
最初は黄身をのせてクリスマス島の塩で、次に白身を醤油と溶いてかけるのが大将オススメ。
特に自家製レモン胡椒を絶賛。
200キロのレモンで50キロしかできず、仕込みには時間も手間もかかるが、毎年作る大将の姿勢にも敬服し通い続ける。
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