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「会食」の極意。 Vol.1

会食に慣れた相手には、王道ではなく六本木の“タイ料理”を達人が選ぶワケ

仕事において重要なのはもちろん中身であるのだが、こと会食となると「舞台」の果たす役割は絶大だ。

東京カレンダーの絶対領域であるレストランの知見を駆使し、会食専門家・yuuu氏の全面協力のもと、その最適解を構築。

今回のテーマは、1人8,000円以内で会食慣れした相手が喜ぶ店選びだ。



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この物語の主人公は……

IT系スタートアップ企業・代表取締役社長 矢崎 亮氏


広告代理店でのwebマーケティングを経て、36歳で新規顧客獲得の営業支援を手がけるスタートアップを起業する。グルメを中心としたInstagramのフォロワーは2万人。外食過多だが週3はジムへ。サウナも好き。


店の情報収集は惜しまない。それが成功への第一歩になる


大手新聞社の事業企画部との会食当日、少し早めにタイ料理『BIANCHI』へ。会食にエスニックは難しいといわれるが、相手が好きなら逆に強いカードになる。

先方の部長が「アマンプリ」での休暇で“タイ料理に大ハマりした”ということを聞き出せたのが、店の決め手になった。

会食に慣れた相手だからこそ、王道よりも新しき話題店が正解

六本木『BIANCHI』の内観

『BIANCHI』での会食にはガラス戸がついた個室が最適。人数に応じて利用できる場所が3箇所あり、カーテンでフロアの視線を遮ることもできる


『BIANCHI』は国内外を食べ歩くタイ人美食家のビアさんがオーナー。日本の一流店が扱うような国内の厳選食材によるタイ料理を提供するからなじみのない人でも食べやすいのだ。

相手チームはみな会食慣れしているが、ここは昨年秋開業で目新しい。

予算8,000円というカジュアルな会でも、オーナーが目利きゆえ味はハイレベル。それに契約締結後、キックオフが完了したタイミングの会でもあるから、堅苦しさのない楽しい雰囲気が重要だ。

タイ料理には珍しいオープンキッチンのライブ感が、活気ある夜を演出するはず。店長らに挨拶を済ませて席に着くと店の扉が開いた。個室のガラス窓越しに店を見渡した先方3人の笑顔が見えた。

「鶏が干してある!もう美味しそう(笑)」

早速笑いが起こり、出だしは上々。鶏はあとで登場するから終盤も盛り上がる。

六本木『BIANCHI』で提供している「チャラワン ペールエール」

乾杯にはプーケットのクラフトビール「チャラワン ペールエール」を。¥1,600


店内の活気も伝わるガラス仕切りの個室で、宴はタイビールの乾杯から始まった。

一筋縄ではいかない印象的な店選びが、この予算では不可欠

六本木『BIANCHI』での会食の様子


「ここはタイの人が来ても絶対喜ぶ」

部長は“気に入った!”という感想をさまざまな表現で口にしていた。

六本木『BIANCHI』の「トムヤムシーフード」

旬の魚介や豚団子が入る「トムヤムシーフード」¥3,200


トムヤムシーフードに入っていたのは、タイ料理では意外な食材である鱧に車エビ、ハマグリなど。具沢山が嬉しい。希少な黒さつま鶏のガラでとった出汁に日本の魚介の旨みが合わさり、体に染み入る美味しさだ。

先月タイ帰りの部長と会話していたとき、日本も含め、店によってはタイ料理に化学調味料が使われている話になった。彼はそれを好まないようだったから、このスープは絶対刺さると思った。

六本木『BIANCHI』の「からすみのヤムウンセン」

贅沢なほど国産からすみを削った「からすみのヤムウンセン」。タイの伝統的な春雨サラダのヤムウンセンにからすみの旨みが合わさり、泡酒や白ワインが進む。¥1,500~


先方を待っている間に、スタッフに聞いた話によれば、料理長は和食店での修業を16年も経験してからタイ料理を始めたとか。

そんな話もなにげなく伝えると、部長は納得の表情を浮かべていた。

唯一無二の盛り上がりポイントでクライアントの心をつかむ


今夜の目的は、食べて笑っていい夜を共有し、エンゲージメントを高めることだ。

取引先であると同時にひとつのチームとしてこれからプロジェクトが始まっていく。だから、少しお互いの素顔も知れたら、忌憚ない意見も交わせるようになるはず。

六本木『BIANCHI』の「トムヤム海老ワンタン」、「Tokyo Xのムーピン」、「蛤のホーラパー炒め」

青唐辛子やにんにくが効いた「トムヤム海老ワンタン」(¥1,200)、東京が誇る銘柄豚を串焼きにした「Tokyo Xのムーピン」(¥1,500)、国産のハマグリや黄ニラをチリペーストなどと合わせた「蛤のホーラパー炒め」(¥2,500)ほかメニューはバラエティ豊か。いろいろオーダーしてもお手頃な、大人数の会に最適


入店した時に先方が気づいた黒さつま鶏が、ガイヤーンとして登場した。タイ版鶏の炭火焼きだ。

火入れ後に干し、油をかけて焼き上げているから、皮がパリパリ。中はナンプラーと香草、肉汁の風味が一体となりジューシー。限られた店のみが扱える黒さつま鶏の魅力が大放出し、食べ応えも満点だ。

「えっ、これ、手で食べます……?」

先方の女性が骨付き鶏を前に思わず言う。

「正解!」と部長が率先してかぶりつく。豪快に食べるが飲むのはオレンジワイン。このバランスがお洒落なもてなしとなる。

そして先方メディアの傑作企画の話に。相手の仕事を遡って知るのは当然だが、自分は彼らをリスペクトしている。本音の賛辞を伝えて意見を交わした。翌日、御礼メールの直後に部長から着信。

「ちょっと面白いことを思いついて」

いちファンであり共鳴者と認められれば、共に仕事を動かす仲間として提案をくれる。これだから、会食は素敵なのだ。


【エンゲージメントを高める一手】


◆「必須情報」と「希望情報」で、会食の前提条件を洗い出す

「必須情報」とは、参加者全員のアレルギーや苦手なもの、キーパーソンの嗜好、金額上限、想定エリア、個室が必須か否か、2次会の有無、手土産についてなど。

「希望情報」とは、誕生日や記念日情報、タクシーチケットの準備など。その2軸をチェックして店を選定すれば、会食の満足度は劇的に高まる。

◆密なコミュニケーションで店やスタッフをも味方にする

例えば事前に「予算の合計を上回る可能性が出てきた際、自分にこそっとアラートを出してほしい」とお願いしておくと、予算超過のリスクを下げられる。

また、お酒に弱い人がいる場合、アルコール濃度を薄めてもらうよう依頼しておけば、良い配慮となる。

「8,000円会食」成功の舞台は……『BIANCHI』

多くの食通を魅了するイノベーティヴ『美会』の姉妹店として、昨年10月にオープンしたタイ料理店。新感覚の“タイ中華”や、屋台料理を“美会流”にアレンジした独創的な逸品が人気。

BIANCHI(六本木) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

■衣装
[1枚目]ポロシャツ¥24,200〈スリードッツ/スリードッツ表参道店 TEL:03-6805-1704〉、その他スタイリスト私物
[2枚目以降]ジャケット¥86,900〈チルコロ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567〉、ニットソー¥20,900〈カレドアー〉、パンツ¥20,900〈エストネーション/ともにエストネーション TEL:0120-503-971〉、シューズ¥125,400〈サントーニ/ストラスブルゴ カスタマーセンター TEL:0120-383-563〉、眼鏡¥44,000〈BJクラシック/オプティカルテーラークレイドル青山店 TEL:03-6418-0577〉、時計¥557,700〈ロンジン/スウォッチ グループ ジャパン TEL:03-6254-7200〉

▶このほか:渋谷で働く大人が通う「神泉」の魅力。距離が近づく“コの字カウンター”のビストロ、立ち飲みなど5軒

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「会食」の極意。

仕事において重要なのはもちろん中身であるのだが、こと会食となると「舞台」の果たす役割は絶大だ。

東京カレンダーの絶対領域であるレストランの知見を駆使し、会食専門家・yuuu氏の全面協力のもと、その最適解を構築。

「会食を制する店」。この最強の布陣は、価値がある。

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