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大人の記念日デートは記憶に残るディナーへ。日本の食材をエレガントに昇華した話題の新店5軒

待ちに待った、食欲の秋。

食いしん坊な大人たちの食指を動かす話題店が、続々と誕生している。さぁ、“美味しい季節”の幕開けだ。



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1.滅多にお目にかかれない「特選高坂鶏」に食道楽は思わず高ぶる
『特選髙坂鶏 克つ鳥』@渋谷


2025/7/5 OPEN

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』の内観

トーンを落とした照明やマットな砂壁が新鮮かつ魅力的な店内。高級感漂う雰囲気ながら、あえて檜ではなく楡を用いたカウンターが温かみを醸し出している


ストイックでドラマチックな新しきカウンター


高級焼き鳥店御用達の“高坂鶏”。そのプレミアム版の“特選高坂鶏”は、全国でも5店舗ほどしか取り扱いのない幻の鶏。この希少な逸品を味わえる新店が今年の7月にオープンした。

渋谷の喧騒から一歩離れた路地裏に静かな佇まいを見せる『特選髙坂鶏 克つ鳥』がそれだ。

最上の食材をさらに高みへ導く料理人の技が光る

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』のささみに生のホタテを合わせたおつまみ

ささみに生のホタテを合わせたおつまみ


「特選高坂鶏は飼育日数が130日と長く、餌も独自の配合をしているそうで脂の旨みとキレ、繊細な肉質、レバーの旨さはダントツですね」とは店長の上野裕太さん。

その特選高坂鶏を見事に焼き上げるのはベテラン焼き師の谷口宣昭さんだ。が、この特選高坂鶏、身質が繊細なだけに焼きが難しいのも事実。

そこで、師事を受けたのが高坂鶏を熟知する建守 護氏。伝説の焼き鳥店『たて森』の元主人だ。その甲斐あって焼きの美しさは見てのとおり。

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』の「抱き身」の塩焼き

「抱き身」の塩焼き。特選高坂鶏は、店の専用冷蔵庫で10日ほど寝かせてから使っている。三つ葉と生胡椒のオイル漬けをトッピング


香ばしい皮と緻密な肉質の旨みが口中で交錯する抱き身、品よくとろけるレバーなど、各部位の特質が巧みに引き出された珠玉のひと串をぜひ。

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』の「白レバー」


「白レバー」。

フォアグラを思わせる濃厚な旨みが美味。こちらはタレで。

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』の「レバーパテ」


「レバーパテ」。

サンドしているのはほうじ茶のメレンゲ。ほうじ茶の芳ばしい香りと食感がレバーペーストのコクによく合う。不知火のコンフィチュールがアクセント。

〆のごはんは3段活用で楽しむ!

渋谷『特選髙坂鶏 克つ鳥』の「焼きニラ飯」


鶏油を塗って炭火で炙ったニラと鶏そぼろをのせた「焼きニラ飯」が〆。まずはそのまま、次は黄味を崩して、最後はお茶漬けでと、3つの食べ方を楽しめる。

写真の料理はすべて¥16,500(サ別)のコースから。

特選髙坂鶏 克つ鳥(渋谷) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.ショートコースのあとは、おこのみで好きなだけ。鮨店の本来でいて新しい
『富士鮨』@麻布十番


2025/5/1 OPEN

麻布十番『富士鮨』の外観

店は、新一の橋交差点と赤羽橋を結ぶ外苑東通り沿い、人気の中国料理店『富麗華』の並び。真っ白い暖簾と、ごく控えめな看板がその存在を伝える


町鮨ではなく、高級店ともやや違う。この自由さを待っていた


2025年現在、人気の鮨店は「おまかせコースのみ」「一斉スタート」というスタイルが主流になっている。

だが、歴史を遡れば、江戸時代にはサクッとつまめるファストフード的な存在としてあまねく親しまれていたといわれる鮨。

そこで、もっと気軽に楽しめる“現代版の町鮨”というコンセプトを掲げる新店が登場した。

まずは名刺代わりのつまみ4品、握り2貫を

麻布十番『富士鮨』の「涼風そうめん南瓜と金目鯛」

旬を伝えるつまみを楽しんでから握りを。写真は「涼風そうめん南瓜と金目鯛」


『富士鮨』では、最初につまみ4品と握り2貫の“お決まり”を味わったら、あとは好きなものを好きなだけ。

いわばコースとアラカルトの“いいとこ取り”スタイルだ。

麻布十番『富士鮨』の「マグロ」

「マグロ」は有名仲卸「やま幸」より


厳選したタネは常時20種前後がそろい、「やま幸」のまぐろや、産地から届く旬の素材が品書きに並ぶ。

そして、酢飯のために選んだ米は大粒で存在感ある味わいの岐阜産「龍の瞳」。これを店で精米して使う。

麻布十番『富士鮨』の「切り干し大根とディル」

「切り干し大根とディル」はヴィーガン鮨の自信作。つまみ4品+握り2貫の「季節の六品」(¥9,900)の一例


また「魚介類を食べられない人にも、鮨のエッセンスを体験してもらいたい」と、野菜を駆使したヴィーガン鮨にも力を入れる。

麻布十番『富士鮨』の内観

10月からは中休みなしで通し営業に。元ボクサーという異色の経歴を持つ職人・武市大輔さんをはじめとする3名が3交代制で付け場に立ち、ゲストをもてなす


「誰にでも鮨を気軽に味わってほしい」というホスピタリティの表れだろう。

富士鮨(麻布十番) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.新進気鋭のバーに身を委ね、カクテルをコースで嗜む品の良さ
『The SG Club 参階 - Sangai』@渋谷


2025/8/6 OPEN

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の内観

カウンターの天板はオーク材。壁には屋久杉、そしてアクセントに煉瓦があしらわれるなど、和洋の要素が巧みに共存


旬の果物と國酒が溶け合う5杯で、甘美な日本の夜に酔う


日本のみならず、世界のカクテルシーンをけん引するトップバーテンダー・後閑信吾さん。

その原点ともいえる渋谷『The SG Club』の3階に、20個目のバーとなる『参階 - Sangai』がオープンした。

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の「山梨×ロンドン」

瑞々しい桃をあらごしにして使う「山梨×ロンドン」。カルダモンなどのスパイスが香るティーソーダが添えられる


コンセプトは「Terroir×Terroir」。

実際に産地を訪れて厳選した47都道府県のフルーツと、その土地で造られたアルコール・國酒。そして、後閑さんがこれまでに訪れたことのある40ヶ国100都市のカルチャーをアイデアソースに、日本と海外、ふたつの土地をテーマに据えた、唯一無二のカクテルメニューを作り出している。

「ある種の制約を設けたからこそ、発想が自由にできるようになった」と後閑さん。

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の「秋田×アテネ」


和梨と「新政」をベースにした「秋田×アテネ」。仕上げには、いぶりがっこの香りをひと振り。

ギリシャのヨーグルトソース「ザジキ」を添えた米粉のクラッカーと一緒に。

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の「沖縄×リマ」


パッションフルーツとSG Groupが開発した黒糖スパイスドラムを合わせた「沖縄×リマ」。ビジュアルの美しさも出色だ。

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の「熊本×チアパス」


トマトとスイカから抽出したエキスと、オリジナルの米焼酎を使った「熊本×チアパス」。

ショットグラスに入ったタコスのフレーバーのグラニテと。

渋谷『The SG Club 参階 - Sangai』の「愛知×コニャック」

「愛知×コニャック」はいちじく、そしてフルム・ダンベールチーズの香りを使った異色の一杯。小倉トーストにヒントを得た八丁味噌を使うスナックと。すべてコース(¥16,500/サ別)の一例


5杯から成るおまかせコースを一斉スタートで提供するスタイルも、また新鮮。プレミアムフルーツを使ったアラカルトやクラシックカクテルの追加も可能だ。

常に好奇心を刺激する、後閑さん率いるSG Groupの最新形がここにある。

The SG Club 参階 - Sangai(渋谷) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

4.日本の風土で育まれた恵み豊かな逸品を西麻布1丁目で味わう
『Restaurant O』@六本木


2025/8/5 OPEN

六本木『Restaurant O』のエントランス

漆黒の扉を開けて店内に足を踏み入れると、ダイニングの手前にこちらのスペースがある。このワンクッションで、特別な時間を過ごすための心の準備が整う


水を表現した官能的なエントランスが、今宵のディナーの期待を高める


六本木トンネルから麻布十番に抜ける道と六本木通りが交差する一角に立つ、コンクリート打ちっぱなしのビル。

この1階に、密やかな雰囲気のダイニングが誕生した。

フランスの名門『トロワグロ』の技法を駆使し、グルテンフリーで表現する新しいひと皿

六本木『Restaurant O』の内観

全長7.5mのカウンターの天板として使われているのは杉の一枚板。数年間カナダの海底に沈んでいたものだという。空間全体に白木が多く使われており、どことなく和のニュアンスが漂う


エグゼクティブシェフとして陣頭指揮を執る澤田泰宏さんは都庁前にあった『キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ』に13年間勤務。

フランスが誇る三ツ星シェフから直接薫陶を受けた。

六本木『Restaurant O』の「真鯛の四季」

「真鯛の四季」では、ひとつの食材で4つの季節を表現。明石の鯛を、シェリー酒を利かせた手まり鮨やセビーチェ、クミンが香るソースを添えた道明寺揚げ、照り焼きの4品に。付け合わせは明石のタコ&みょうが


ここ『Restaurant O』で打ち出すのは、日本の風土に根ざし、各地で育まれた伝統や食に携わる人々への敬意を込めた“新しい風土料理”。

自身のルーツであるクラシックフレンチならではのレシピや技術を融合させながら、革新的な料理を探求する。すべてがグルテンフリーというのも、新たな挑戦だ。

六本木『Restaurant O』の「鱧の塩焼き」


『トロワグロ』の不朽の名作「サーモンオゼイユ」へのオマージュを込めた「鱧の塩焼き」。

高知のすじ青のりを添えたヴァンブランソースには富山『石黒種麹店』の糀味噌を忍ばせて深い旨みを。鱧にはリュバーブのコンフィチュールを。

「魚を使ったひと皿をスペシャリテとして通年お出しします」と澤田さん。

六本木『Restaurant O』の「西崎ファームの平飼い鴨」


「西崎ファームの平飼い鴨」。

料理はすべて、12皿で紡ぐシグネチャーコース「風土」(¥30,800)の一例。

ペアリングには“春夏秋冬”を表現した日本酒も登場

六本木『Restaurant O』で提供しているワイン

上越・竹田酒造店が醸す日本酒「MANDOBA」は「春|芽出」「夏|出穂」「秋|刈上」「冬|越冬」と、四季をテーマに展開している。これにインスパイアを受けて誕生したひと皿が「真鯛の四季」。手まり鮨に春、セビーチェに夏、道明寺揚げに秋、照り焼き仕立てには冬を合わせて提案。ペアリング¥16,500~


料理のパートナーとなるドリンクを選ぶのはシェフソムリエの大岡洋一さん。

『レフェルヴェソンス』などの名店で活躍してきたベテランの眼鏡に叶った、日本ワインや日本酒とのペアリングに酔いしれたい。

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5.中野のレンガ坂に出現したハイエンドなフレンチが、食通の興味を掻き立てる
『sanka』@中野


2025/7/27 OPEN

中野『sanka』の外観

道行く人の興味を引きつけるオブジェの向こうに美味なる空間が


スタイリッシュなカウンターで緻密な内容のコースを提供するフレンチといえば、港区界隈の専売特許!?かと思いきや、今年7月、中野駅にほど近い「レンガ坂」にそんなレストランが忽然と現れた。

表からも見える巨大なオブジェが圧倒的な存在感を放つ『sanka』が、その店だ。

中野『sanka』の内観

デザインは、気鋭のデザイナーである林 洋介氏が手掛けた。「レンガ坂」というロケーションにちなんだ暖色で統一された空間は、美食を楽しむにふさわしい雰囲気が漂う


整然とした美しいカウンターキッチンで腕を振るうのは、フランスで7年間研鑽を積んだ古澤英夫さん。

帰国後は、都内の名だたるフレンチレストランを中心に、10年にわたり活躍したベテランである。

中野『sanka』の「じゃがいも」

3品種のじゃがいもを、土がついたまま加熱、ソースにする。皮はチュイル状に加工するなど手をかけて、素材の可能性を表現した「じゃがいも」


素材が持つポテンシャルを引き出し香り豊かに表現する全8品で構成されたコースの中でも、スペシャリテの「じゃがいも」は圧巻。

フランス料理に欠かせない存在ながら脇役になりがちな素材に多角的にフォーカスし、大地の香りを伝えるガストロノミックな一品である。

中野『sanka』の「夏蝦夷鹿とビーツ」


「夏蝦夷鹿とビーツ」は北海道・空知から届く鹿とビーツが見事な調和を見せる。

グラニテ+チーズの役割を担うかき氷が傑作

中野『sanka』の「チーズのかき氷」

メインのあとのお口直しとデザート前のチーズの役割を兼ね備えた「チーズのかき氷」はシェーヴルチーズを使ったソースで。料理はコース(¥15,000)の一例


中野が新たに注目を浴びる予感。美味なる時間に没入するに相応しい空間の誕生だ。

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▶このほか:経営者が選ぶ、会食に使える「一軒家レストラン」3選(和食/焼肉/イタリアン)

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