待ちに待った、食欲の秋。
食いしん坊な大人たちの食指を動かす話題店が、続々と誕生している。さぁ、“美味しい季節”の幕開けだ。
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ストイックでドラマチックな新しきカウンター
高級焼き鳥店御用達の“高坂鶏”。そのプレミアム版の“特選高坂鶏”は、全国でも5店舗ほどしか取り扱いのない幻の鶏。この希少な逸品を味わえる新店が今年の7月にオープンした。
渋谷の喧騒から一歩離れた路地裏に静かな佇まいを見せる『特選髙坂鶏 克つ鳥』がそれだ。
最上の食材をさらに高みへ導く料理人の技が光る
「特選高坂鶏は飼育日数が130日と長く、餌も独自の配合をしているそうで脂の旨みとキレ、繊細な肉質、レバーの旨さはダントツですね」とは店長の上野裕太さん。
その特選高坂鶏を見事に焼き上げるのはベテラン焼き師の谷口宣昭さんだ。が、この特選高坂鶏、身質が繊細なだけに焼きが難しいのも事実。
そこで、師事を受けたのが高坂鶏を熟知する建守 護氏。伝説の焼き鳥店『たて森』の元主人だ。その甲斐あって焼きの美しさは見てのとおり。
香ばしい皮と緻密な肉質の旨みが口中で交錯する抱き身、品よくとろけるレバーなど、各部位の特質が巧みに引き出された珠玉のひと串をぜひ。
「白レバー」。
フォアグラを思わせる濃厚な旨みが美味。こちらはタレで。
「レバーパテ」。
サンドしているのはほうじ茶のメレンゲ。ほうじ茶の芳ばしい香りと食感がレバーペーストのコクによく合う。不知火のコンフィチュールがアクセント。
〆のごはんは3段活用で楽しむ!
鶏油を塗って炭火で炙ったニラと鶏そぼろをのせた「焼きニラ飯」が〆。まずはそのまま、次は黄味を崩して、最後はお茶漬けでと、3つの食べ方を楽しめる。
写真の料理はすべて¥16,500(サ別)のコースから。
町鮨ではなく、高級店ともやや違う。この自由さを待っていた
2025年現在、人気の鮨店は「おまかせコースのみ」「一斉スタート」というスタイルが主流になっている。
だが、歴史を遡れば、江戸時代にはサクッとつまめるファストフード的な存在としてあまねく親しまれていたといわれる鮨。
そこで、もっと気軽に楽しめる“現代版の町鮨”というコンセプトを掲げる新店が登場した。
まずは名刺代わりのつまみ4品、握り2貫を
『富士鮨』では、最初につまみ4品と握り2貫の“お決まり”を味わったら、あとは好きなものを好きなだけ。
いわばコースとアラカルトの“いいとこ取り”スタイルだ。
厳選したタネは常時20種前後がそろい、「やま幸」のまぐろや、産地から届く旬の素材が品書きに並ぶ。
そして、酢飯のために選んだ米は大粒で存在感ある味わいの岐阜産「龍の瞳」。これを店で精米して使う。
また「魚介類を食べられない人にも、鮨のエッセンスを体験してもらいたい」と、野菜を駆使したヴィーガン鮨にも力を入れる。
「誰にでも鮨を気軽に味わってほしい」というホスピタリティの表れだろう。
旬の果物と國酒が溶け合う5杯で、甘美な日本の夜に酔う
日本のみならず、世界のカクテルシーンをけん引するトップバーテンダー・後閑信吾さん。
その原点ともいえる渋谷『The SG Club』の3階に、20個目のバーとなる『参階 - Sangai』がオープンした。
コンセプトは「Terroir×Terroir」。
実際に産地を訪れて厳選した47都道府県のフルーツと、その土地で造られたアルコール・國酒。そして、後閑さんがこれまでに訪れたことのある40ヶ国100都市のカルチャーをアイデアソースに、日本と海外、ふたつの土地をテーマに据えた、唯一無二のカクテルメニューを作り出している。
「ある種の制約を設けたからこそ、発想が自由にできるようになった」と後閑さん。
和梨と「新政」をベースにした「秋田×アテネ」。仕上げには、いぶりがっこの香りをひと振り。
ギリシャのヨーグルトソース「ザジキ」を添えた米粉のクラッカーと一緒に。
パッションフルーツとSG Groupが開発した黒糖スパイスドラムを合わせた「沖縄×リマ」。ビジュアルの美しさも出色だ。
トマトとスイカから抽出したエキスと、オリジナルの米焼酎を使った「熊本×チアパス」。
ショットグラスに入ったタコスのフレーバーのグラニテと。
5杯から成るおまかせコースを一斉スタートで提供するスタイルも、また新鮮。プレミアムフルーツを使ったアラカルトやクラシックカクテルの追加も可能だ。
常に好奇心を刺激する、後閑さん率いるSG Groupの最新形がここにある。
水を表現した官能的なエントランスが、今宵のディナーの期待を高める
六本木トンネルから麻布十番に抜ける道と六本木通りが交差する一角に立つ、コンクリート打ちっぱなしのビル。
この1階に、密やかな雰囲気のダイニングが誕生した。
フランスの名門『トロワグロ』の技法を駆使し、グルテンフリーで表現する新しいひと皿
エグゼクティブシェフとして陣頭指揮を執る澤田泰宏さんは都庁前にあった『キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ』に13年間勤務。
フランスが誇る三ツ星シェフから直接薫陶を受けた。
ここ『Restaurant O』で打ち出すのは、日本の風土に根ざし、各地で育まれた伝統や食に携わる人々への敬意を込めた“新しい風土料理”。
自身のルーツであるクラシックフレンチならではのレシピや技術を融合させながら、革新的な料理を探求する。すべてがグルテンフリーというのも、新たな挑戦だ。
『トロワグロ』の不朽の名作「サーモンオゼイユ」へのオマージュを込めた「鱧の塩焼き」。
高知のすじ青のりを添えたヴァンブランソースには富山『石黒種麹店』の糀味噌を忍ばせて深い旨みを。鱧にはリュバーブのコンフィチュールを。
「魚を使ったひと皿をスペシャリテとして通年お出しします」と澤田さん。
「西崎ファームの平飼い鴨」。
料理はすべて、12皿で紡ぐシグネチャーコース「風土」(¥30,800)の一例。
ペアリングには“春夏秋冬”を表現した日本酒も登場
料理のパートナーとなるドリンクを選ぶのはシェフソムリエの大岡洋一さん。
『レフェルヴェソンス』などの名店で活躍してきたベテランの眼鏡に叶った、日本ワインや日本酒とのペアリングに酔いしれたい。
道行く人の興味を引きつけるオブジェの向こうに美味なる空間が
スタイリッシュなカウンターで緻密な内容のコースを提供するフレンチといえば、港区界隈の専売特許!?かと思いきや、今年7月、中野駅にほど近い「レンガ坂」にそんなレストランが忽然と現れた。
表からも見える巨大なオブジェが圧倒的な存在感を放つ『sanka』が、その店だ。
整然とした美しいカウンターキッチンで腕を振るうのは、フランスで7年間研鑽を積んだ古澤英夫さん。
帰国後は、都内の名だたるフレンチレストランを中心に、10年にわたり活躍したベテランである。
素材が持つポテンシャルを引き出し香り豊かに表現する全8品で構成されたコースの中でも、スペシャリテの「じゃがいも」は圧巻。
フランス料理に欠かせない存在ながら脇役になりがちな素材に多角的にフォーカスし、大地の香りを伝えるガストロノミックな一品である。
「夏蝦夷鹿とビーツ」は北海道・空知から届く鹿とビーツが見事な調和を見せる。
グラニテ+チーズの役割を担うかき氷が傑作
中野が新たに注目を浴びる予感。美味なる時間に没入するに相応しい空間の誕生だ。
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