
~東京だけが感じさせる未来感は、今なお魅力を放ち続ける~
令和のニューリーダーたちに告ぐ
開放的でラグジュアリーな「GINZA SIX」、カネボウ化粧品のグローバルブランド「KANEBO」。
多くの人が目にする建物やインテリア、プロダクトのデザインを手掛けてきたのは、フランス生まれのデザイナー、グエナエル・ニコラ氏だ。
日本在住のニコラ氏は、任天堂のゲーム機「ゲームボーイアドバンス」や仏壇など、日本文化と密接なモノのデザインに加えて、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループの海外店舗や、2024年に竣工したばかりの「フォーシーズンズホテル大阪」のデザインを手掛けるなど、分野も国境も軽やかに飛び越える。
30年以上前に、日本人デザイナーと東京の可能性に魅入られて来日したというニコラ氏。
世界を舞台に活躍するデザイナーは日本で何を学んだのか、そして日本のどこに魅力を感じているのか。
金丸:本日はグエナエル・ニコラさんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
ニコラ:こちらこそ、ありがとうございます。金丸さんとお話しできるのが楽しみです。
金丸:今日の対談の舞台は西麻布にある『徒然(つれづれ)』です。シェフ自ら探し歩いた食材が、囲炉裏の炭火でじっくりと調理されていくのを目の前で見られます。
ニコラ:すごく素敵なお店ですね。コンセプトも面白いし、料理も楽しみです。
金丸:さて、ニコラさんはフランス生まれですが、日本に住まれて長いですよね。
ニコラ:日本に来たのが1991年です。それからずっと日本で仕事をしています。
金丸:今は日本にいながら、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループやグラフなど名だたるブランドのストアコンセプトを世界中で担当されています。ほかにも多くの人が目にしているであろう、「GINZA SIX」の空間なども手掛けていらっしゃる。私は普段から思っているのですが、日本って、デザインとかブランドとかに対する意識がまだまだ低いように感じます。
ニコラ:そんなことはないですよ。日本には優れたデザイナーが昔からいますし、他の国にはない強みを持っています。
金丸:日本でも海外でも大活躍のニコラさんにそう言ってもらえると勇気が出ます。今日はニコラさんの生い立ちからデザインの話、そして日本の未来について、さまざまなお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。