Q2:男が結婚を決め、そして早々に離婚を決めた理由は?
あまりにも順調に駒が進んだ鉄二との結婚。結婚式は、「トラウマがあるから嫌だ」と断られ、式は挙げられなかった。
それでも良かった。なぜなら当初は幸せいっぱいで、もちろん私は仕事を辞め、専業主婦になれたから。
「鉄二。私、仕事を辞めたいんだけど…。妊活もしたいし」
そう言うと、意外なほど快諾をしてくれた鉄二。
「わかった。でもせっかくなら…落ち着いたタイミングでいいけど、祥子がやりたい事をやってみたら?」
しかも「やりたい事をやっていい」とまで言ってくれる、最高の夫だ。
そんな鉄二との結婚生活は快適そのものだった。
移動は基本タクシーで、お誕生日やクリスマスには、オレンジのボックスも買えるようになった。鉄二のおかげで、“エルパト”もできるようになった。
生活費は全部鉄二のクレジットカードで済むし、もちろん家賃もかからない。高級外車も、タワマン生活も…すべてが手に入った。
でも徐々に、鉄二の帰宅が遅くなっていることに、気がついていなかったわけではない。
結婚して半年経った頃から、夫婦の会話は減ってきて「仕事が忙しい」ことを理由に、鉄二の帰宅時間が遅くなってきた。
そんな時、決定的な出来事が起こる。
「鉄二、最近遅いよね」
不意に漏らした私のこの一言が、鉄二の気に触ったのか、彼は急に声を荒らげた。
「お前、家にいて何もしていないくせに、よくそんな文句ばかり言えるな?文句あるなら、働いたら?」
「そんなこと言われても…」
「俺がお前と結婚したメリットって、何?何があるか、述べてもらっていい?」
鉄二の急変っぷりに、ショックよりも恐怖心が勝った。
「ごめん…」
「一旦、家族カード止めるから」
「え、嘘でしょ?それだけは勘弁して!!」
ここから私のブランド物のバッグが投げ捨てられそうになるくらいの大ゲンカに発展してしまった。
しかもクレジットカードを止められたら、終わる。シンプルに、私の人生が終了だ。
だからこれ以降、私も強く言えず、鉄二の帰宅時間が遅くても何も言わないようにしていた。
それなのに…。
これだけ我慢したのに、結局離婚を突きつけられている私。急に妻である私に対してシビアになった夫に対し、文句も言わずに付き合ってきた。
― もしかしてサイコパス?
そう思っても、夫だから付き合ってきた。
腹立たしい気持ちはもちろんあるけれど、この先どうすれば良いのか、どこでどうボタンを掛け違えたのか…。
そもそも、最初からこの結婚は間違っていたのだろうか。もしそうなら、どこから巻き戻せばいいのだろうかと、途方に暮れている。
▶前回:「初デートで映画、何が悪かった?」見終わったあと、夕食の誘いを女が断ったワケ
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:7月20日 日曜更新予定
男が離婚を決めた理由は?
この記事へのコメント
ただコメント数のために考えたようなわざとらしい話でめちゃくちゃつまらない。