
「普段は自炊派、外食はちょっとしたイベント感覚です」飯豊まりえが歓喜した、代官山の和牛ビストロへ
その透明感と品のある美しさ、抜群のセンスで同世代女性のみならず、幅広い世代から支持を集めている飯豊まりえさん。
東京カレンダー初登場の舞台は、西郷山公園に程近い場所に昨年オープンした『EN DAIKANYAMA』。
洗練された空間で唯一無二の極上和牛を味わいながら、27歳の現在地を聞いてみた。
「学生時代から、東横線特有の温かい空気感が好きです」
撮影2日前に40センチ、髪を切った。演じる役柄のためとはいえ、ここまで短いのは随分と久しぶりだという。
「ちょっと緊張しました。まだ少し、そわそわしているかも」
そうはにかんだ飯豊まりえさん。聞けば、東京カレンダーでの初めての撮影に備え、髪を切った直後にスタイリストさんに連絡。新しい自分と衣装や店の雰囲気をすり合わせたという。
「東京カレンダーさんはブラックドレス、という縛りがあるのかと思っていました。でもそうではないと聞いたので、あえてグレーのドレスを選んでみました」
結果はご覧の通り。ニュアンスのあるモルタルのグレーとナチュラルな木肌の質感が心地よい、洗練された空間と見事に調和。東横線エリア特集号にふさわしい、大人の品と色気が香るカバーとなった。
「東横線の思い出といえば、高校時代に制服姿で自由が丘にパンケーキを食べに行ったこと。学校が目黒だったので、割とご近所に遊びに行く感覚でした。
街並みに温かさがあって、安心感がありましたね。混み合っていないところも落ち着く理由なのかもしれません」
インプットさえもとことん楽しむ。モデルと女優を生きる飯豊まりえのいま。
10代からモデルとして活躍し、現在も人気女性ファッション誌でカバーを飾る飯豊まりえさん。女優としても10代から数多くの作品に出演してきた“二刀流”だ。
昨年秋には、5月23日(金)公開の人気シリーズ映画化第二弾『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の撮影で3週間、ヴェネチアに滞在。
「キッチン付きのレジデンスを借りて、住むように生活できたのは、すごくいい経験でした。
でも、夜に外食したのは最初の方の5日くらい。イカスミのパスタも生まれて初めて食べました。お店によって味が全然違うのも面白かったです。
ただ毎日、ランチがパスタやピザといったイタリアン三昧だったので、夜は自炊で野菜をたっぷりとる、という感じでしたね」
普段、日本での生活も食事はもっぱら自炊が多いとか。
「食べることが大好きなので、作るのが苦じゃないんです。昨日も、そういえばポテトサラダを作ったことがないと思い、マヨネーズから作ろうとキッチンに立ちました。
でも上手に乳化できず、結果的に市販のマヨネーズで事なきを得ましたが、いつか絶対リベンジしたいです。無心になって、お料理に集中する時間も好き」
食べることが大好き、というのは撮影中も存分に伝わってきた。というのも、出されたら即、食べるのだ。気持ちが良いほどに。そう伝えると……。
「撮れ高も考えなくちゃいけないのに、ごめんなさい!温かいうちに食べないと失礼かな、って……。
友人たちとごはんに出かけても、お料理が運ばれてくるまでは会話を楽しみますが、目の前に出されたら、味わうことに集中することが多いです」
そう言って恥ずかしそうに笑った。だが、料理人からしたらそれは嬉しい話に違いない。事実、カウンターで作業していたシェフも、一瞬、手を止めて笑顔を向けた。
ちなみにこんな瞬間は他にもあった。2皿目の神戸牛の生ハムを使ったピザが供された時のこと。「このお皿、吉田直嗣さんですか?」と飯豊さんが尋ねたのだ。答えは正解。続けて「カトラリーは竹俣勇壱さん?」と尋ねると、これまた正解。シェフも「よくご存じですね。なんだか嬉しいです」と顔をほころばせた。
「器も好きなんです。こだわりのお料理に自分の好きな作家さんの作品が使われていたのでそれはもうテンション上がりました。
それに先ほど、シェフが同い年と伺って。同世代がプロフェッショナルの第一線で活躍する姿は、刺激になります」
待ち時間には焼肉通のスタッフに“最近のイチオシ”を尋ねたり、シェフに食材について質問したり。熱心に耳を傾けている姿も印象的だった。
「今年に入っていくつか習い事を始めたので、毎日忙しいんです(笑)」
刺激とはインプットでもある。今年の飯豊さんは、好奇心旺盛だ。
「最近、習い事をいくつか始めたんです。好奇心の赴くまま、やりたいことをやっています。ずっとアウトプットの期間が長かったので、今はそういう時期なのかな、と楽しんでいます」
飯豊さんの話を聞いていると、彼女の周りにはたくさんの友人と出会いがあることが分かる。きっと“人懐っこい”のだろう。そしてとにかく明るい。現場の空気全体がポジティブなムードに包まれるほどに。
とはいえ、家に帰ったら一転、実は暗い、なんてことはないのだろうか。
「それがないんですよ。終始このテンションです。よく言われますね、こんなに明るい人に会ったことないって」
素の自分とパブリックイメージの間で揺れる人も多い世界で、そう言い切れる彼女の健全さはまぶしい。でもだからこそ、多くの人を魅了するのだろう。
2025年後半も多くの出演作品が控えているというから楽しみだ。
「インプットしたものがどんな形でアウトプットできるのか、私にはまだ分かりません。でもきっと、なんらかの形で表現に生きてくると思います」
最後に、これから挑戦してみたいことを尋ねてみた。
「去年、『ハムレット』という作品で舞台に久しぶりに出て、古典を演じるのがとても楽しかったんです。それをきっかけに、シェイクスピアなど古典を改めて読むようにもなって。いつか必ず、また舞台に立ちたいです。
あとは声優にも挑戦したい。声だけでどこまで表現できるのか、考えるだけでワクワクします」
私たちを楽しませてくれる時間は、まだまだ長く続きそうだ。
■プロフィール
飯豊まりえ 1998年1月5日生まれ、千葉県出身。女性ファッション誌『Oggi』の専属モデルを務めるほか、女優業でも話題作に続々出演。荒木飛呂彦原作の人気漫画シリーズを映像化した映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日に公開。また、近年の主な出演作に2023年の『何曜日に生まれたの』(EXテレビ)主演、2022年・2024年の『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』シリーズ(日本テレビ)主演、などがある。
■衣装
ワンピース¥145,200、ジャケット¥155,100(ともにスーパー エー マーケットの別注)〈ともにGABRIELA COLL GARMENTS/スーパー エー マーケット青山 TEL:03-3423-8428〉、ネックレス¥148,500、イヤーカフ(右)各¥110,000、リング(左手人差し指)ペアシェイプ¥330,000・長方形¥308,000〈すべてALLNIQUE/オールニーク Mail:info@allnique.com〉、International Watch Company(1950年代)のリストウォッチ¥396,000〈グッドウィル TEL:03-3400-4117〉
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