2025.03.29
新店ラッシュは勢いを増し、価格の高騰も止まらぬ“東京の鮨”。
しかし、その波をもろともせず、淡々と真っ当な仕事をする良店が存在するのも事実。確かな技術と味は言わずもがな、そのコースは3万円以下。
大人が本当に通いたい広尾の2軒。
◆
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1.【全21品¥28,600】伝説の鮨店の継承者が広尾の地で披露する渾身のシャリを体感せよ
『鮨 ゆうき』
今は無き伝説の名店『鮨 水谷』で8年間研鑽を積み、2番手まで務めたご主人の林ノ内勇樹さん。
修業後は、実家『常盤鮨』を継いだものの心機一転。75年に及ぶ店の歴史に終止符を打ち、広尾に移る。店名も『鮨 ゆうき』に改め、昨年3月リスタートした。
正当派の江戸前鮨の店としての矜持を胸に、硬軟併せ持つ握りの旨さで早くも通な鮨好きの舌を捉えている。
シンプルな前半のつまみが握りの旨さを引き立てる
つまみが7~8品、鮨13貫がコースの概要。
あくまでも握りを主役としたコース運びゆえ、つまみもこと更に凝りすぎず、素材本来の味を引き出す仕立てとなっている。
牡蠣は、加熱しても身が縮みにくい兵庫県室津産。牡蠣の出汁で味付けしている。
タラの白子の湯引きはつまみで。程よく火を入れた後、ポン酢餡をかけている。
酸が立ったシャリとまぐろを口に含めば鮨の真髄に辿り着く
ことに鮨飯は秀逸。粒が立ち、ホロリと口中で解け、硬すぎず、噛み締めるほどに米の甘みが引き立つ。
林ノ内さんによれば「目一杯浸水させている」そうでほんのり人肌の温度感も上々。
米酢のみで仕込む鮨飯の白さもいまとなっては新鮮。キリリといなせな味わいは、“水谷”の系譜ならではだろう。鮨の主役は、米であることを再認識させてくれる鮨飯だ。
もちろん、鮨だねにも抜かりなし。
愛媛のカリスマ漁師・藤本純一氏の白甘鯛やイサキ、最近注目の鮪卸「結乃花」が目利きする極上のまぐろ等が無駄なく手当されて登場する。
鮪卸「結乃花」から仕入れる本まぐろの「中トロ」。取材日は、青森県三厩であがったもの。
「イカを食べているまぐろがうまいんですよね」とは林ノ内さん。
このクオリティーで2万円代!それも、鮨の適正価格を鑑みつつ、不要に高い鮨だねはあえて使わない。
そんな主人の心意気があればこそ。江戸前本流の粋がそこにある。
【Check!】握り手を知る
ゲストとの適度な距離感を保ちつつ、対応はフレンドリーゆえ居心地が良い。
自身の鮨と真摯に向き合うも気負いはなく、常に自然体。てきぱきとした受け答えも好感度大だ。
2.【全20品¥29,700】今夜の鮨はひと味違う。食べ込んだ大人だけがこの店の真価を知っている
『広尾 石阪』
食べ終わる頃には鮨の概念が変わる、趣向を凝らした逸品あり
「いい家の食卓をイメージして、ウォールナットのカウンターにしました」と、『広尾 石阪』の大将・石阪健二さん。穏やかで品の良い口調が空間の柔らかさと相まり、誰もがすぐに落ち着くだろう。
実は子どもの頃はフレンチのシェフになりたかった石阪さんが着るのは、昔憧れたシェフジャケット。型にはまらない鮨店だが、石阪さんの経歴は鮨通も安心感を覚えるものだ。
鮨の世界に入り30年。『久兵衛』や『西麻布 拓』で長年腕を磨き、後者では店長を任されていた。
満を持して2022年夏に独立すると、早くも翌年のミシュランで一ツ星を獲得。その後も通える鮨店でいるべく、2万円台をキープする。
うにの価格は高騰するが、「鮨屋でこそ絶対美味しいうにを食べられる」と贅沢感は守る。
旨みが押し寄せる創意ある鮨に感動する
最初につまみを5品提供。
しじみの茶碗蒸しを一品目として胃を温める心遣いがありがたい。
生牡蠣やカラスミ餅で日本酒が進み、「皆さんが絶対美味しいと思うものを」と、「中トロ」から握りが始まる。
石阪さんの出自が現れるのが「春子鯛」。おろし方によっては酢が入り過ぎて身が傷つく魚だが、円熟の腕で美しくおろし、黄身酢おぼろにまぶして仕込む。
その仕込みは石阪さんが立っていた『西麻布 拓』の親方をならって受け継いだやり方で、こだわりが詰まる。
口に含むと、粒の輪郭がある酢飯がふわりと解けると同時に春子鯛が繊細に崩れていく。
後半の注目は光り物。締めて1日置いた鰯は3枚切りで口溶けが抜群。
締め鯖には千枚漬けが合わせられ、鯖の芳醇な脂とカブの甘みが好相性。両者の旬の時期が重なるのも日本食らしい話だ。
そんな幸福を「もう一度体験したい」という願望は、手の届く値づけによって現実となる。
【Check!】握り手を知る
東京は町田の出身。高校時代に鮨店でバイトをし、成績不振になるほど仕事にのめり込む。
ミシュランの星を取ったことで小学校の同級生も来店し、嬉しい再会を果たしたとか。
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