東京に続々進出してきた、地方の名店4選!デートにもおすすめな、グルメな大人が注目する新星

東京が、世界にも誇る美食の街であるということは、いまや周知の事実。

円滑な流通技術をもってして、全国津々浦々に点在する素晴らしい食材が、常に最上の状態で集まってくる場所であるということ。

さらに、店が密集していることでその競争率が非常に高い街でもある。

2023年は、各地で体得した豊富な経験を携えて、新たな可能性を模索する地方出身の店が続々と東京へ出店した。

北海道、神戸、博多から、東京進出を果たした、地方の名店4軒をご紹介しよう!



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1.北海道が生んだ気鋭のシェフの鬼才ぶりを、赤坂で体感する
『amorphous』@赤坂


2023/8/15 OPEN

角を引き、扉を開けて初めて、“形がない”を意味する店名『amorphous』のサインがお目見え。アートギャラリーのような動線に高揚感が加速する


カテゴライズ不可、唯一無二の佐藤ワールド


「ワールドベストレストランでトップをとる」

そう強い眼差しで明言するのは、札幌『beija Flor』を営んでいた佐藤幸大シェフ。

みなぎる自信とほとばしる情熱ゆえ、「目指しているのは、食べた人の心を揺さぶる、作品のような料理。だから『なんとなく美味しかった』と言われることが、一番嫌です」と佐藤さん


枠にハメられることを拒絶し、自身の料理をカテゴライズされることも嫌う姿は、まるで孤高のアーティストのようだ。実際、『amorphous』で供される皿はすべて、一期一会。

「今日の気分、今日のテンションで次々と変わるので、メニュー名なんて意味ないんです」と、一夜のクリエーションに全神経を注ぐ。

前菜からデザートまで、独創性とストーリー性に満ちた皿の数々には、社会的な問題提起が込められていることも少なくない。

妖艶なフォアグラのスペシャリテが示すのは、たゆまぬ進化と現在の到達地

シェフのスペシャリテとして名高い「フォアグラ “治療”」。「健康的ではない、とたたかれがちな食材だからこそ、カカオニブやビーツを合わせて“あえて”ヘルシーに」と皮肉を込めた。料理は「Omakase」コース(22,000円)のみ


例えば“治療”とシェフがうたうフォアグラもそう。酸化してしまうのを免れない食材も、アルカリ性水溶液に浸すことで健全な状態に“治療”し、本来の味わいを引き出す。

質の高い食材がベストな状態で届く物流があるのも、東京進出を決めた大きな理由だと話す。

「鯨やフォアグラなど、その地に根付いてきた食文化を現代人の価値観で断じるのは違うと僕は思う」と佐藤さん。

存在感を放つ皿の数々に、雄大な北海道の地で培われたシェフの食への探求心が宿る


蝦夷鹿はシェフの仕入れのこだわりが光る。

人口がたった4名という北海道・ニニウで捕獲され、ハンターが瞬時にさばいた新鮮な肉は、店で1ヶ月にわたりドライエイジングをかけている。

芸術のような盛り付けで完成する、新しき料理との出合いに笑みがこぼれる


シマアジと菊の花のマリネを米粉のクレープで巻いたひと皿。

凛とした空気感に生命力をたたえた蝦夷鹿の角が異彩を放つ店の入り口


札幌から赤坂、そして世界へと羽ばたく日はそう遠くない。

■店舗概要
店名:amorphous
住所:港区赤坂3-12-11 ニューギンザビル7号館 3F
TEL:非公開
営業時間:19:00~の一斉スタート
定休日:水曜、木曜
席数:カウンター6席

amorphous(赤坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.札幌の星付きシェフが安定を捨て挑む、独創的なフレンチに舌を巻く
『KINO_』@代々木


2023/6/1 OPEN

店内は木を基調にした落ち着いた空間。テーブル席もあるがカウンターはオープンキッチンになっておりライブ感が味わえる


札幌で人気を不動のものとしていた、木下雄介さんが東京に進出。

シェフの木下さんは外資系ホテルのフランス料理店で12年修業した経験を持つ。当時最年少で料理長に就任。その後、2012年に札幌『lien』をオープン


札幌の店『lien』は、ミシュランガイド北海道で一ツ星を獲得するほどの実力店であった。

店の10周年を節目に新たな挑戦として、クラシックフレンチからイノベーティブフレンチへと舵を切り『KINO_』をオープン。

自らの足で店の場所を探し、札幌と似た環境の代々木への出店を決めた。

道民の心の味・いかめしの再構築が衝撃をもたらす

「イカめし」は札幌時代から提供してきた逸品。東京でも進化して登場


武器にしたのが「北海道の食」。スペシャリテには、イカめしの再構築を用意した。

「イカめし」は、こちらのようにカットして提供される。中のうにのリゾットは、バターが主役のブール・アンショアソースが使われ、イカの塩辛が隠し味


中に入れたのは、うにのリゾットで、口に入れればその一体感に驚くはず。

「蝦夷鹿のロースト」には定番のポワブラードソースで。付け合わせは「インカのめざめ」のクロケット。すべておまかせコース(17,600円)より


メインにはハンターから仕入れる蝦夷鹿も登場するなど、北海道の食材で勝負をかける。

いずれも素材の可能性を追求した料理で、満足度はすこぶる高い。

■店舗概要
店名:KINO_
住所:渋谷区代々木1-37-4 長谷川ビル 1F
TEL:03-6826-9608
営業時間:ランチ 12:00~(L.O.13:00)
     ディナー 18:00~(L.O.19:30)
定休日:月曜、隔週火曜
席数:カウンター8席、テーブル10席

KINO_(代々木) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.関西で名声を得た弩級な天ぷら割烹が、麻布十番に上陸した
『麻布十番 真田』@麻布十番


2023/5/1 OPEN

白木のカウンターに現代アートを飾る弩級の空間。まずは、この空間が極上の非日常に誘う


神戸の天ぷらの名店で知られる『花歩』の真田篤史さんが、予約が入ったときだけ開店するのが『麻布十番 真田』

自身が好意にする生産者の方々を、もっと世に知ってもらいたい、と東京出店を決めた。

店はカウンターのみで、うにや毛ガニの入った豪華な八寸から始まるコースは厳選食材の競演。

「クルマ海老」は静岡産の天然物を使用。衣は極限まで薄く纏わせてあり、エビの水分を奪わないようにして、最後は余熱で完成させるほど繊細な仕上がり。味の違いに驚く


クルマエビは水分が絶妙に保たれた火入れで絶品。

フカヒレの天ぷら!?意外性抜群な美味しさに心躍る

「フカヒレの天ぷら」には、戻し汁や鰹だしで作った餡がかけられている。サクッとした天ぷらとの食感の違いが美味


次のフカヒレはコラーゲンたっぷりの餡かけ、最後は揚げた鯛の入った鯛めしで締められる。

「鯛の天ぷらの鯛めし」はふっくらとした旨みを含んだ新感覚の美味しさ。鯛茶漬けのアレンジでバリエーションも楽しめる。すべておまかせコース(60,500円)より。季節により内容は変わる


コースには日本酒やブルゴーニュワインも含まれたフリーフロー付き。

インターホンを押し、入店する。この隠れ家的な佇まいも期待値を上げる


ポートレート画で知られるKYNE氏の現代アートが飾られるなど、ラグジュアリー尽くし。

関西ならではの絢爛たるおもてなしに酔いしれたい。

■店舗概要
店名:麻布十番 真田
住所:港区麻布十番2-6-2 THE CITY 麻布十番Ⅰ AVANTI 2F
TEL:03-6231-1756
営業時間:予約時間に合わせての営業
定休日:不定休
席数:カウンター6席

麻布十番 真田(麻布十番) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

※こちらの店舗は現在、閉店しております。

4.松屋通りのビルに潜むは、週3のみ博多の美味を振る舞う和食店
『銀座しらに田』@銀座


2023/5/10 OPEN

店内はカウンター席のみ。目の前で旬の食材が次々とできあがっていく


『銀座しらに田』は、福岡・博多にある『西中洲しらに田』が週3日だけオープンする日本料理店。

同店はミシュランガイドで一ツ星を獲得し、ほかに系列の焼き鳥店やそば店もあるというから、人気のほどがうかがえる。

九州で知られる料理人の腕を東京にいながら味わえる幸せ

白仁田さんは佐賀県出身。『銀座 うち山』で修業したあと、わずか25歳で佐賀市内に『しらに田』を開店した。その後、2011年に博多・西中洲へ移転を果たし、現在でも多店舗を展開する


これらの店舗を行き来しているのが店主の白仁田政信さん。

銀座で開店した理由は、独立前の修業先が『銀座うち山』であり、閉店した『嘉祥 うち山』の跡地を引き継いだため。

しかも、このスタイルはゲストにとっても、九州の厳選された食材が東京でいただけるメリットがあり、そんな食材を使った正統派の味は絶品。

季節を感じる鮮烈な味へと仕上げられている。


「鮑と雲丹のゼリーがけ」は佐賀・唐津の食材を使用。鯛の骨で取った出汁がゼリーにしてかけられている。


「甘鯛と冬瓜」のお椀。鰹と昆布の旨みがじんわりと広がる、これぞ和食といえる美味しさ。色合いの美しさから素材の良さを活かしているのが分かる。

すべておまかせコース(27,500円)より。

店があるのは「松屋銀座」の裏辺り。月・火・水に白仁田さんはやってくる。店の入口には静謐で凛とした空気が流れる


白仁田さんが腕を振るうカウンターで、うまかもんがそろう博多の味を堪能して。

■店舗概要
店名:銀座しらに田
住所:中央区銀座3-7-13 成田屋ビル 3F
TEL:080-4806-1938
営業時間:ランチ 11:30~(最終入店 12:00)
     ディナー 17:30~(最終入店 20:00)
定休日:木曜~日曜
席数:カウンター9席

▶このほか:【ほろ酔いシネマVol.12】「キングスマン」シリーズ×イギリス老舗ワイン商の特別な一本

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