SPECIAL TALK Vol.125

~卒業して気付いた「まだまだ何でもできる」。元アイドルの肩書に縛られず、自由に挑戦を続けたい~


自信を潰されるも強みを探して道を開く


金丸:だけど、自信を潰されて終わりじゃなかったから、今の松井さんがある。どこかで突破口を見いだしたわけですよね。

松井:そうですね。当時は、あっちゃん(前田敦子)や、まゆゆ(渡辺麻友)みたいな、まさに「ザ・アイドル」という子がセンターに立つことが多かったけど、私はそういうキャラじゃない。でも人数が多くて、みんな個性がある。このグループで、私に何ができるんだろうって考えました。

金丸:やっぱりピアノが武器になったのでは?

松井:おっしゃるとおり、ひとつはピアノです。当時のAKBには弾ける子がほかにいなかったので、「弾く機会をください」とお願いして、イベントのときにピアノを用意してもらいました。

金丸:そういう希望って、聞き入れてもらえるんですか?

松井:受け入れてもらえる環境でしたね。もうひとつがトークとかMCです。

金丸:MCって、司会ですか?

松井:はい。歌やダンスが得意だったり、ビジュアルがよい子でも、ぱっと振られたときに話すのが苦手な子が多いことに気づいて。じゃあ私はそこを強みにしようと。

金丸:これまでピアノの話は出ていましたが、MCが得意っていつ思ったんですか?

松井:小学生のときに放送委員だったんです。ラジオDJみたいに、みんなからリクエストを募って、それ読み上げて曲を流すみたいなことが大好きで、お昼休みにいつもやっていました。ピアノレッスンの送り迎えも、ずっと埼玉ローカルの「NACK5」というFMラジオをずっと聴いてて。その影響もあると思います。

金丸:ただ聴いていただけじゃなくて、話す方もいけたんですね。

松井:ラジオが好きだから、ラジオに呼ばれることを目標に頑張りました。そしたら番組に呼んでもらえるようになったし、MCの仕事をいただくようになり。

金丸:意外と、と言うと失礼ですが、松井さんって戦略家ですね。ビジュアルって、持って生まれたものがあるし、ダンスは経験がものを言う。いきなりかわいくなることもなければ、いきなりダンスがうまくなることもない。そこで一番になることを目指すのではなく、ほかの人ができない部分でオンリーワンの立ち位置を確立されたんですね。

松井:結構、自分を冷静に見ちゃうところがあるんです。

金丸:自信過剰で「私を評価しない周りがおかしい」という人は、そこから先の成長が見込めないし、冷めすぎていたら挑戦することすら諦めるかもしれません。松井さんはそのバランスがちょうど良いのではないでしょうか。誰かに「ダメだ」と言われて、それを受け止めて軌道修正するよりも、自分でジャッジして自分で軌道修正すると決めたほうが、スムーズに行きますし。

松井:そういう意味では、ナイス判断だったなと、自分でも思いますね(笑)。

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