有名シェフがプライベートで訪れるレストラン5選。食のプロが選ぶから、間違いない!

「一流は、一流を知る」

名店のシェフや、飲食店オーナーが通う店には、プロだからこそ分かる美点がある。

そこに刺激を受け、さらに進化を続けるのだ。



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1.『ラフィナージュ』の高良康之さんが憩いの時を過ごす
『ロオジエ』@銀座

銀座『ロオジエ』の内観

多くの五ツ星ホテルや高級レストランを手掛ける国際的空間デザイナーのピエール=イヴ・ロションによるシンプルかつ洗練された空間


「ラグジュアリーな空間、素晴らしい料理とサーヴィス。優雅な時を過ごせる素晴らしさ」


「ラグジュアリーな空間と心地良いサーヴィス、そしてクリエイティヴでありながら伝統に裏打ちされた美味しさがある。それらを兼ね備えてこそ真のグランメゾンと言えるのではないでしょうか」とは高良康之氏。

銀座『ラフィナージュ』のシェフであり、老舗グランメゾン『銀座レカン』の総料理長を務めた彼が畏敬の念を持って薦めるのが、同時期に創業した銀座『ロオジエ』

伝統を守りつつ、常に時代の流れを敏感に感じ取り、シェフが変わるごとに華麗なる変化を遂げるグランメゾンだ。

銀座『ロオジエ』のスタッフの方

最高のホスピタリティとフレンドリーかつ行き届いたサービスに時の経つのも忘れてしまいそう


その進取の気性に富み、変化を恐れぬスタンスに共鳴するという。

創業以来半世紀余りを経た今も、輝きが色褪せない理由は、まさにそこにあるのだろう。

銀座『ロオジエ』の「長崎県産クエ キャロットとトリュフの海苔巻き風スタイル」

「長崎県産クエ キャロットとトリュフの海苔巻き風スタイル」はクエを魚のムースやトリュフなどで巻きこんだ一皿。¥39,000のコースの一品


現在のオリヴィエ・シェニョンシェフはフランス人シェフとしては3代目。

長崎県産クエや石川県産毛蟹など日本の食材を取り入れ、ハーブやスパイス使いの巧みさ、ソースとの組み合わせの妙で見事にフレンチに昇華。

華麗にしてクリアな美味しさで美食家を魅了している。

ロオジエ(銀座) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

教えてくれたのは……

銀座『ラフィナージュ』の高良康之氏


1967年生まれ。東京都出身。『ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー』の副料理長、『南部亭』の料理長。2007年『銀座レカン』総料理長を経て、18年に独立。

2.『かんだ』の神田裕行さんが仕事終わりに通う
『たそがれ』@麻布十番

麻布十番『たそがれ』の内観

麻布十番の裏路地に立つ雑居ビルの中に潜む美味の隠れ家。カウンター中心の店内は、シェフとマダムの温かなもてなしもご馳走


「深夜でも美味しい料理をアラカルトで。気ままに愉しめる私の癒やしの場」


ミシュランの三ツ星料理人にしてワイン愛好家でもある神田裕行さん。その神田さんが、仕事終わりに訪れるのが『たそがれ』だ。

「料理が美味しいのはもちろん、アラカルトで自由に食べられる気軽さも気に入っている」のだとか。

信頼を寄せているのは双川洋利シェフ。青山『カンセイ』、四谷『北島亭』など往年のフレンチの名店で研鑽を積んだベテランだ。

「基礎がしっかりしているせいか、帆立ドックのような遊び心のある一品から、オーソドックスなフレンチまで料理の振れ幅の広さも魅力」とは神田さん。

なるほど、手書きの黒板メニューを見れば、「あん肝の赤ワイン煮」をはじめ、フレンチをベースにしながらも、その枠を超えた料理がズラリ。食的好奇心を刺激する。

麻布十番『たそがれ』の「ハーブサラダとチキンナンバン」

「ハーブサラダとチキンナンバン」¥1,500。赤ワインビネガーを用いることで、酸味が軽やかに。ハーブとともに食べると洋風な味わい


「チキンナンバン」も甘酢のタレには赤ワインビネガーを用い、ディルやタラゴン等7〜8種のハーブサラダを添えて提供している。

麻布十番『たそがれ』で提供しているワイン

グラスシャンパンは¥1,800から。右は神田さんのお好きなジュヴレシャンベルタン¥38,000


料理に合わせるワインは「まずシャンパン、次にグラスの白、そして赤はボトルで」が神田流ペアリングだそうだ。

■店舗概要
店名:たそがれ
住所:港区麻布十番2-6-2 THE CITY麻布十番1AVANTI 3F
TEL:03-6721-1355
営業時間:17:00~(L.O.23:00)
定休日:日曜、第1・3月曜
席数:カウンター7席

教えてくれたのは……

虎ノ門ヒルズ『かんだ』の神田裕行氏


1963年生まれ。徳島出身。『昇六㐂川』でキャリアをスタート。23歳で渡仏。パリの和食店の料理長を務め帰国。『青柳』『basara』を経て2004年独立。18年連続でミシュラン三ツ星を獲得。

3.『茶禅華』の川田智也さんが敬意を抱く
『赤坂 四川飯店』@永田町

永田町『赤坂 四川飯店』の内観

ビルの5階と6階合わせて300席の贅沢な広さも貫禄。5階フロアはすべて個室で最大120人まで入れる宴会場もある


「四川料理を丁寧に作り続けながら伝統を大切にする姿勢に頭が下がります。特に勧めたいのはこの4品」


創業67年。言わずと知れた中華料理の名門『赤坂 四川飯店』

日本に中華料理を根付かせた第一人者と言えるのが初代の陳 建民氏。以来、三代にわたりその味を継承、発展させてきた。

レジェンドとも言うべき同店をリスペクトしているのが『茶禅華』の川田智也シェフだ。

永田町『赤坂 四川飯店』の「坦々麺」

「坦々麺」¥1,400。陳 建民氏が生んだ傑作


「坦々麺や麻婆豆腐など四川名菜の数々を、その本質を大切にしながら日本の気侯風土や食材に合わせ、日本人向けに仕立てあげ、今も変わることなく愛されている。それって本当に凄いことだと思うんです」

料理の根幹は変えずとも、常に時代を読み取りそれに合わせて新風を吹き込む。

永田町『赤坂 四川飯店』の「陳麻婆豆腐」

「陳麻婆豆腐」¥2,000。痺れ、辛み、コクのバランスが取れた逸品。これぞ麻婆豆腐という王道の味


建一氏の代で麻婆豆腐はより辛さとコクが増し、雲白肉に使う豚肉も沖縄の皮つき豚に変わった。

永田町『赤坂 四川飯店』の「雲白肉」

「雲白肉」¥3,500。皮付き豚バラ肉を使用


そして、当代の建太郎氏は本場でも修業。いま現在の四川の味を意識しつつ、未来へと繋ぐ。

永田町『赤坂 四川飯店』の「棒棒鶏」

「棒棒鶏」¥2,700。胡麻の風味豊か


「祖父、父と代々続く味を残しながら、緩やかに進化していければ。また食べに来たいと思って頂ける店を作りたいですね」とは建太郎氏。

老舗の矜持と品位が伺える。

赤坂 四川飯店(永田町) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

教えてくれたのは……

広尾『茶禅華』の川田智也氏


1982年生まれ。栃木県出身。2000年、西麻布『麻布長江』で10年間修業の後、『日本料理 龍吟』 勤務、2017年『茶禅華』をオープン。2018年ミシュラン二ツ星、2021年から三ツ星を獲得。

4.『アロマフレスカ』の原田慎次さんが憧憬する
『テランガ』@田原町

田原町『テランガ』の外観

田原町駅近くにオープンしたのは2014年。築60年ほどという木造の建物には看板もなく、一見普通の民家のよう。知る人ぞ知る一軒だ


「僕もいつかはこんな店を開きたいと思うすべてにこだわった、羨ましいお店です」


「レストランなら、料理が美味しいのは当たり前。行きつけにしたくなるのは、そこに食材への敬意やお客へのもてなしの心が感じられる店」と語るのは、東京イタリアンの雄・原田慎次シェフ。

最近は体に染み渡るような無理のない料理を好むようになったとか。その原田シェフが、季節ごとに通うお気に入りの一軒がここ。浅草のフレンチ『テランガ』だ。

田原町『テランガ』の中村幸司シェフ、松原 史氏

公邸料理人を務めたこともある中村幸司シェフとマダムの松原 史(ふみ)さん。店名はセネガル語で“歓迎”の意味を持つ


古民家風の扉を開ければ、アンティークな照明、一つひとつ集めてきたガラスのティーポット等々、ノスタルジーな趣が漂う。

開店して10年、ご主人中村幸司シェフの思いが詰まった店内は、温もり溢れる憩いの空間。

田原町『テランガ』の「金目鯛のヴァプールスープ仕立て」

「金目鯛のヴァプールスープ仕立て」。鶏、シャンピニオン、アサリの出汁を合わせたコンソメがクリアで美味。かぶと芹を添えてある


料理も丁寧に作りこまれた皿の数々が印象的だ。

「香りの使い方や調味料などにいつも驚きがある」と原田シェフ。

田原町『テランガ』の秋田・柴田畜産のあっぷるとんの生ハム

秋田・柴田畜産のあっぷるとんの生ハム。料理は全て¥17,000のコースから


例えば生ハム。スライスして季節の果物を添えるだけでなくタルトフランベにのせて軽く温め、赤玉ねぎや水切りヨーグルトを添えて供するなどのひと工夫が楽しみ。

バターや生クリームを多用しない軽やかさも魅力のひとつだ。

■店舗概要
店名:テランガ
住所:台東区寿4-14-8
TEL:03-5246-4908
営業時間:18:00~(L.O.23:00)
定休日:月曜
席数:カウンター10席

教えてくれたのは……

銀座一丁目『アロマフレスカ』の原田慎次氏


1969年生まれ。栃木県出身。六本木『ヂーノ』での修行後、『ジリオーラ』のシェフを経て1998年『アロマフレスカ』で独立。2007年よりミシュランの星をとり続ける。

5.『Ginza 脇屋』の脇屋友詞さんが癒やされる
『Ăn Đi』@外苑前

外苑前『Ăn Đi』の内観

2017年のオープン後、2024年7月にリニューアル。スタッフも変わってリスタート


「かしこまらず食べられる美味しい料理、ヘルシーで体に優しいところも嬉しい。ソムリエのサーヴィスが心地いい」


ヌーベルシノワの先駆者脇屋友詞シェフ。常に進化を追求する巨匠のオススメの一軒は、進化形ベトナミーズの『Ǎn Ði』。ペアリングが面白いと聞き行ってみたそう。

「まず、野菜が豊富でヘルシー。加えて多彩なスパイス使いが楽しいですね。ワインの説明もさりげなく上品で感心しました」と大絶賛。

同じくスパイスを多用する中華の料理人として興味深いところも多かったに違いない。

外苑前『Ăn Đi』の「ティーリーフのサラダ」

オープン以来のスペシャリテ「ティーリーフのサラダ」


開店以来のスペシャリテ「ティーリーフのサラダ」や色鮮やかな「生春巻」など見た目も麗しい料理を創り上げているのは、『銀座レカン』出身の鈴木康哉シェフ。

フレンチで培ったその腕を存分に発揮し、ベトナムの味をモダンにアレンジ、ガストロノミーな逸品に仕上げている。

外苑前『Ăn Đi』で提供している「山のカンタータ」


「ティーリーフのサラダ」に合わせたのは、栃木県ココファームの白ワイン「山のカンタータ」。フレッシュな果実味溢れる味わい。

グラスワインは¥1,500~。ペアリング(¥9,000)もある。

外苑前『Ăn Đi』の「キウイと牡蠣の生春巻」

「キウイと牡蠣の生春巻」。レアかと思わせる牡蠣の火入れも見事。黄ビーツと人参の生酢やエゴマの葉と共に巻いてある


「フレンチと違い、ベトナム料理はバターを使わず、フォンを詰めたりすることもない。そうした中で味に深みを持たせるには発酵が欠かせない要素です」とは鈴木シェフ。

日本の食材に目を向け、味の組み合わせにひと工夫。革新的な美味しさを表現している。

Ǎn Ði(外苑前) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

教えてくれたのは……

東銀座『Ginza 脇屋』の脇屋友詞氏


1958年生まれ。北海道出身。1996年『トゥーランドット游仙境』、2001年に『Wakiya-一笑美茶樓』を開店。2023年は『Ginza 脇屋』もオープン。現代の名工、黄綬褒章を受章。

▶このほか:「この店は、乃木坂46卒業を決めたタイミングで…」樋口日奈が大切な人と行く、恵比寿の焼き鳥店とは

東京カレンダー2025年4月号の表紙

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