2024.12.20
SPECIAL TALK Vol.123
スポーツや勉強もしたが、選んだのはモデルの道
金丸:ところで、スポーツは何かされていたんですか?
勝木:中学では陸上部で、走り高跳びをやっていました。学校って、始業式や終業式の時に、部活動を表彰する時間があるじゃないですか。私、毎回のように表彰されていました。
金丸:えっ、そんなに活躍されていたんですか?
勝木:中1の後半か中2の始めくらいから、地域の大会に出るたびに優勝していて。
金丸:それはすごい。では、アスリートとしての人生もあり得たわけですね。
勝木:高校からスカウトもされたんですけど、私は「自分は努力するのがあんまり得意じゃない」と感じていました。だから頑張っても九州レベルで、全国区の選手には絶対になれないだろうなって。
金丸:見切りが早すぎませんか。もったいないように感じますが。
勝木:私、自分では結構、「逃げてきたな」と思うことが多くて。
金丸:「逃げ」ですか。
勝木:モデルの道も、ある意味では逃げだったというか。
金丸:逃げてモデルって面白いですね。モデルになった経緯を教えていただけますか?
勝木:きっかけは高校2年生の時でした。地元の呉服屋さんによる着物ファッションショーのようなイベントがあって、「参加しませんか」とお誘いが来たので友達と一緒にやってみようということになったんです。そしたら、当日、モデル事務所も来ていて、「モデルに興味ありませんか」と。
金丸:いきなりの誘いに勝木さんはどうしたんですか?
勝木:考えてもみなかったことが、急にひょこっと飛び出てきたので、びっくりしたんですけど、やってみたいと思いました。もちろん、最初から職業にしようなんて思っていなくて、「なんか楽しそうだな」くらいの気持ちで。
金丸:その頃の勝木さんは、自己評価はどうだったんですか?芸能人だと「自分がかわいいなんて思っていなくて」みたいなことを言う人もいるじゃないですか。私、絶対に嘘だと思うんですが(笑)。
勝木:そうですね。私、小中高とちょこっとモテたんですよ(笑)。だから、ちょっとは「かわいいんだろう」という自負はありました。
金丸:正直に言ってもらえてよかった(笑)。それがなければ、いくら地元のファッションショーでも参加しようと思いませんよね。それで、最初に所属されたのは地元の事務所なんですか?
勝木:そうです。福岡県のちっちゃい事務所ですね。
金丸:そこに所属して、ローカルなモデル活動を始めたんですか?
勝木:はい。何も分からない状態で言われるがままオーディションに行ったら、受かってしまい。その現場が長崎だったんです。「私みたいなズブの素人が受かるようなオーディションだから、同じような地元の人ばっかり来るんだろう」と思っていたら、来る人来る人、『non-no』とかの雑誌で見たことのある人たちばかりで。
金丸:本当に何も分からないまま現場に行ったんですね(笑)。
勝木:毎朝、日が昇る前からヘルメットをかぶって自転車で田んぼ道を通学している、三つ編みおさげの田舎者が、急にこんなキラキラしたところで、雑誌で見ている人の隣に立つことになるなんて。「え、◯◯ちゃんだ!」「あ、△△ちゃんだ!」って、周りを見ながらドキドキして。だけど、私がドキドキしてるモデルさんたちも、はっと息を飲む瞬間があったんです。ヨーロッパのコレクションにも参加されている川原亜矢子さんが入られたら、もう輝きがすごすぎて。
金丸:オーラあったんですね。
勝木:素晴らしかった。まさか自分がそんな方と同じステージに立てるなんて思いもしなかった。私は端っこの中の端っこの役割でしたけど、「モデルになりたい。だったら東京に行かなきゃ」って思っちゃったんです。
家族の溺愛から離れ、東京でモデルとして活動
金丸:すぐに、親御さんに「モデルになりたい」とお話されたんですか?
勝木:話したら、すごくびっくりされました。親は当たり前のように「この子は大学を受験して、どこかにちゃんとお勤めするんだろう」と思っていたはずです。それが「急に東京に出たい」ですから。
金丸:通っていた高校は進学校だったんですか?
勝木:そうです。エリアで2番手くらいの。
金丸:それじゃあ驚かれるでしょうね。
勝木:しかも「家族大好き」な一家なので、娘を離したくもない。私が「やってみたい」と夢を語ると、親はどんどん暗くなっていって。
金丸:でも最終的には認めてもらえたんですよね。説得にどのくらいの時間がかかったんですか?
勝木:それでも1ヶ月もかからなかったはずです。最後、許してくれたのは「反対して友香ちゃんに嫌われるのが嫌だ」って。
金丸:いやー、分かる気がします。私に娘がいたら、自分は表に立たず妻に反対してもらうかもしれません(笑)。それで、さっきおっしゃった「逃げ」というのは?
勝木:エリアで2番手の高校を選んだのは、1番の学校だと偏差値が足りないと思って、一つ下の学校へ。その時点では、「高校に入ってから挽回して、九州大学とか、有名な頭のいいところに入ればいい」と考えていたんです。だけど高校って、各中学から同じ学力の子が集まるじゃないですか。
金丸:その中で勝木さんは埋もれてしまった?
勝木:そのとおりです。中学まではあまり勉強しなくても良い成績を取れたのが、急に下の順位になって。驚いたしやる気もなくなって、挽回するどころか成績が下がっていき、「これじゃあ、両親が期待してるような大学には行けないな」というのがうっすらと。
金丸:そこにモデルの話が降って湧いてきた。
勝木:モデルをやりたい、という大義名分ができちゃったもんだから、私はそれを振りかざして大学受験から逃げたわけです。
金丸:逃げというと卑下しすぎに思います。「違う道を選んだ」でいいじゃないですか。実際にその後、活躍されたわけですし。それで、東京には高校卒業後に?
勝木:いえ、最初は高校3年生の夏休みです。いくつかオーディションを受けようと思って。そしたら最初のオスカープロモーションで、ぱっと決まっちゃったから、あんまり考えもせず「ここでやっていこう」と思ったんです。
金丸:東京にはおひとりで?
勝木:その時は母と一緒に、寝台列車で。この話をするたびに、「いまどき寝台列車で上京する人いるのね」って言われるんですけど(笑)。
金丸:私もよく利用していましたよ。
勝木:しかも、母は「東京は怖い」と思っているので、「お金を取られたらいけんけん」とか言って、ストッキングにお金を入れて、それを腰に巻いて寝て(笑)。
金丸:どこか危ない国に行くかのような(笑)。東京で暮らし始めたのは、高校卒業後ですか?
勝木:卒業前に引っ越しました。「すぐにレッスンを受けてください」と言われたので。受験が近くなると、3年生は学校に行かなくてよくなるタイミングがあるんです。
金丸:各自で必要な勉強ができるように、ですよね。
勝木:そう。そのタイミングで上京して、レッスンを受け始めました。卒業式は帰省しましたけど。
金丸:しかし、すごいスピードで生活が変わりましたね。モデルとしてはどのくらいの期間活動されたんですか?
勝木:10年弱くらいです。ファッションモデルという感じではなく、雑誌やCMやショーなどのほかに、テレビのレポーターやMC、お芝居みたいなことにも挑戦しました。本当にいろんなジャンルのお仕事をしましたね。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2025.03.21
Vol.126
~「できない」「分からない」の楽しさを伝えたい。万博プロデューサーとして想いを「クラゲ」に込める~
2025.02.21
Vol.125
~卒業して気付いた「まだまだ何でもできる」。元アイドルの肩書に縛られず、自由に挑戦を続けたい~
2025.01.21
Vol.124
~丹後を日本のサン・セバスティアンに。地方の「お酢屋」がまちづくりを考える~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.07.20
Vol.118
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
2024.06.21
Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
2024.05.21
Vol.116
~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
おすすめ記事
2024.11.21
SPECIAL TALK Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
- PR
2025.03.31
結婚1年目から、激務のせいでギスギス…。崩壊寸前のパワーカップルを救ったアイテムとは?
2025.03.11
経営者がリアルに選ぶ“ビジネス会食”の名店8選。大人同士の距離が縮まる理由とは?
2015.08.17
決戦は2軒目!接待の切り札になるバー6店
- PR
2025.03.31
えっ、あの“ミャクミャク”の部屋に泊まれる!?どっぷり万博に浸れる、いまだけのホテルステイとは…
2023.08.30
ハラスメント探偵~解決編~
オフィスに家族写真を飾っていたら“セクハラだ”と内部通報された男性社員。会社側のジャッジはいかに!?
- PR
2025.02.12
【豪華プレゼントが当たる】「所有欲が掻き立てられます…」人気セレブ夫婦が魅了された“マセラティ”の車とは
2016.12.05
接待の猛者10人がリアルに体験!「私の大成功&大失敗した接待」
- PR
2025.03.27
7種類ものフレーバーが楽しめる! この春、台湾生まれのフルーツビールが話題!
- PR
2025.03.28
ほろ酔い美女の正体とは!?17LIVEの人気ライバー4人を、港区のバーにお連れしてみたら…
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2025.03.19
運命なんて、今さら
初めて彼のマンションを訪れた28歳女。しかし、滞在10分で、突然「帰りたい」と思った理由
2025.03.22
男と女の答えあわせ【Q】
「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ
2025.03.23
男と女の答えあわせ【A】
「年収800万くらいでもいいかな…」相手に求める条件を妥協したつもりの30歳女の大誤算
2025.03.17
1LDKの彼方
「何もないって言われたけど…」彼氏が他の女と連絡を取っていたことが発覚。30歳女は思わず…
2025.03.20
TOUGH COOKIES
「幸せそうな彼女がなぜ?」SNSで悪質コメントの犯人を突き止めたら、意外な人で…