SPECIAL TALK Vol.123

~モデルから放送作家へ。異色の経歴は恐れずに踏み出した証拠~


母に父、そして弟……自分の家族だけが宝物


金丸:お生まれはどちらですか?

勝木:福岡県です。もともとは北九州市の八幡という街に住んでいましたが、そこから引っ越して、遠賀(おんが)郡遠賀町というところに。

金丸:遠賀町。初めて聞きました。ご両親がそちら生まれとか?

勝木:いえ、父は小倉で、母は八幡です。

金丸:すごいですね。ザ・北九州なんだ(笑)。

勝木:遠賀は北九州から車で30〜40分くらいなんですよ。都会的なものは何にもないんですけど、海も山も川も田んぼも、田舎の要素は全部ある町です(笑)。

金丸:車で30〜40分だとそこまで遠く感じませんが、自然豊かなんですね。そんな環境で勝木さんはのびのび育たれた?

勝木:「カブトムシ探しに行くぜ」とか、田んぼの中でオタマジャクシをすくうとか、田舎の遊びは全部やったと思います。

金丸:では友達と遊び回っていたんですか?

勝木:それが、すごく内弁慶な子で、そんなに友達が多かったわけではなくて……。

金丸:そうなんですか。今の印象とは随分違いますね。

勝木:外でワイワイやるより、家にいるほうが多かったかもしれません。たまに友達に誘われると遊びに行ったりしましたが、学校から帰るとランドセルを下ろして、ぼーっとテレビを見ていました。で、お母さんが帰ってきたら、その日あったことを全部話すのが毎日のルーティンで。

金丸:お母さんから聞かれるのではなく、勝木さんから話すんですか?

勝木:炊事をしている母に、私がカウンター越しに「あのね、あのね」って。料理している母を見ながら話していたおかげか、料理は自然と覚えました。

金丸:話したがらない子どもとか、逆に子どもの話を聞かない親が問題になる時代に、なんだかすごくいい話ですね。うちの子どもは男ばかり3人ですが、そんなほんわかした時間は記憶にないかも(笑)。

勝木:私には弟もいますが、私、マザコンで、ファザコンで、ブラコンなんです。ほかに何にも持ってないから、宝物が家族しかなくて。

金丸:「宝物が家族しかない」って、そんなことをスッと言えることが素晴らしい。お金や地位があっても、家族と穏やかな関係を築けずに悩んでいる人もいますから。

勝木:まあ、ほかの人から見れば、ごくごく普通の家族に過ぎないと思いますけどね。

金丸:いまは作家になられていますが、読書は昔から好きでしたか?

勝木:子どもの頃は文学というよりも、少女向けに書かれた文庫のようなものをよく読んでいました。もっと幼い頃だと、童話のサブスクみたいなサービスを両親が利用していたみたいで、家にはいつも絵本がいっぱいありました。それを自分で読んだり、父がすごい感情を込めて読んでくれたり(笑)。

金丸:お父様も芸能やメディア関係の方なんですか?

勝木:まったく。普通のサラリーマンです。いまでも思い出して笑っちゃうのが、寝かしつけのために読んでいるはずなのに、感情がこもりすぎていて寝られないんですよ。鬼が出てきたらドスの利いた大声で読んじゃう(笑)。

金丸:お母様に「ちゃんと寝かせてよ!」と怒られそうですね(笑)。

勝木:おもしろパパでしたね。いま、たまたま作家と名のつく職業に就いていますが、そういう子どもの頃の影響があるのかもしれません。

【SPECIAL TALK】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo