一流大学を出て、大企業で働いたり、専門職に就いたりするキャリアウーマンたち。
一見華やかに見える高学歴バリキャリ女子だけど、心の中では「仕事も恋も正直しんどい!」と叫んでいる。
青春をほぼ勉強に捧げ、“かわいく生きてこなかった”彼女たちの恋愛偏差値は、限りなく底辺。
その上男性に求めるレベルも高いが、プライドが高いハイスペ男とは、うまくいかないことが多い。
それでも、幸せを諦めない彼女たちの体当たり婚活戦記が、幕を開ける!
ワセジョの憂鬱/氷室 唯(28歳)【前編】
「人生における最大の悲劇は死ぬことではない。愛するのをやめることだ」
100年ほど前に、こんな言葉を発したサマセット・モームとかいう爺さんを、私は呪いたかった。わざわざ名言にされなくても、今の私が置かれている状況は、悲劇としか表現しようがない。
あいにく今は令和の東京で、私は恵比寿にある粋な蕎麦店『松玄』にいる。そして、目の前には別れ話をしている外銀勤めのイケメン、礼央が座っている。
「唯といても、なんだか落ち着かないんだよな。まあ、結論から言うと、友達に戻ろうよ」
結論から言うと…。私は、また“婚活”というゲームに負けたわけだ。
そもそも、礼央とは友達だった時期がないから、友達に戻るなんて関係は存在しない。
彼とは、半年前にマッチングアプリで出会い、逢瀬を重ねた。銀座のバーに行ったり、夜のお台場をドライブしたり、東京らしいデートを一通りして、付き合うことになった。
ハイスペックでイケメンの彼は、結婚相手としても申し分ない。
私の中では、ひそかにウエディングベルも鳴っていた。
それなのに…。
この記事へのコメント
にしても28歳で婚活に不利にとか思わなくていいのにねぇ。一ノ瀬も藤堂もキモいしうざい。
高学歴女子の皆さんにケンカ売ってるみたい。