2024.06.21
SPECIAL TALK Vol.117
「浮いている」と感じて普通になりたかった
金丸:早速ですが、ご出身はどちらですか?
大塚:東京都調布市の仙川です。学校は吉祥寺だったので、東京の他のエリアをあまり知らないまま育ちました。
金丸:大塚さんはどんなお子さんだったんですか?
大塚:野球少年でしたね。球技が好きで、いまもストレス解消にサッカーの試合を観戦しています。
金丸:そこは野球じゃなくて、サッカーなんですね。もともと友人は多いタイプですか?
大塚:いまでもすごく仲がいいのは、3人くらいですかね。少なくはなかったけど、周りからは、変わり者と思われてました。
金丸:変わり者。いいですね。「普通」って言われるよりいいじゃないですか。
大塚:本当ですか?僕はずっと普通になりたいという願望がありました。グループには所属していても、「何か浮いてるな」みたいな違和感がずっとあって。
金丸:僕は真ん中にいると、落ち着かないタイプでした。
大塚:そうなんですか。金丸さんの周りって、いつもたくさん人がいるじゃないですか。
金丸:いえいえ。メインストリームって、なんか疲れちゃうんですよ。そこから外れている方が私は居心地がいいですね。
大塚:僕はメインストリームにいたことはないですが、大人になるにつれて、一緒にいて違和感がある友人とはそんなに会わなくていいや、みたいな気持ちになりましたね。
金丸:ところで、学校はどちらに?
大塚:法政大学第一中学高等学校というところで、一貫校だったので、そのままストレートに大学まで行きました。
金丸:じゃあ、成績は悪くなかったんですね。
大塚:ずっと中の上とか中の下とか、そのあたりでしたけど。
金丸:大塚さんって、以前は役者をされていたんですよね。どこかプロダクションに所属されていたこともあるんですか?
大塚:15歳からスカイコーポレーションに所属していました。当時は石田純一さん、山下真司さん、ビビアン・スーさんたちがいらっしゃったプロダクションです。そこの社長の息子が同級生だったというご縁もあって。
金丸:どのような役者を目指していたのですか?
大塚:ハリウッド映画が大好きで、ショーン・ペンが目標でしたね。11年間、自分なりに本気で役者に取り組みました。
金丸:ということは、中学生くらいから大学卒業後もやっていらした?
大塚:はい、結構もがいたんです。一度は“スカイ”から他のプロダクションに移籍したこともあったんですが、そこでも芽が出なくて、さらに出戻ったりして……。最後、「いけるかも」と思う瞬間もあったけど、その時に「ツキがないな」と思い、諦めました。単純に実力不足でしたね。それに加えて、最後は自信が足りなかった。
金丸:自信と野心がないと厳しい世界でしょうね。「自分の力を信じる」という強い気持ちがあって当たり前。そこから「先に行く」「上に行く」という意識が野心だと思いますが、日本人って、そういう野心に欠けてるじゃないですか。
大塚:そうかもしれません。
金丸:中国の人と話していると、「日本人は野望がない」とよく言われるんです。
大塚:野望なんて言葉、日本で普通の生活をしていたら、聞くことないですね。
金丸:「私は野望があります」って言ったら、何か悪いやつみたいですよね(笑)。逆に「私は何も欲はありません」って言うと、「控えめないい人だ」と受け止められる。でもそれじゃあ、負けるに決まってる。
大塚:たしかに。
金丸:特に国外に出たら、みんな野心とか野望の塊ばっかりじゃないですか。
大塚:いま、金丸さんの話がめちゃくちゃ刺さっています。僕も多分野心がなさ過ぎて……。勉強も中途半端だったし、「ちょっと不良」くらいの中途半端な感じで。
金丸:不良になりきれなかった?
大塚:なりきれなかったですね。
金丸:まあ、なりきる必要ないですけどね(笑)。そういえば、私は一度、暴走族に対して「トップならまだしも、ケツについていってるやつは何も考えてないじゃないか」と言ったら、えらい怒られたことがあります。
大塚:まっとうな指摘だから怒ったんでしょうね。僕にも刺さります(笑)。僕は周りに助けられてどうにかこうにか生きてこられた人間です。学校にいた時は先生が僕に合わせてくれたし、事業を始めてからも仲間に何度も助けられて。
金丸:助けてもらえるということは、応援されているわけですよ。大塚さんはどことなく甘え上手な印象を受けます。
大塚:本当ですか(笑)
金丸:なんだろう。私も大塚さんみたいな髪型にしたらいいのかな。
大塚:髪型なんですかね(笑)。でも昔は暴言ばかり吐いてましたよ。かなりとっつきづらかっただろうし、そういう自分自身が嫌になっちゃってやめましたけど。
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