三人の男たち~夫婦の問題~ Vol.16

夫婦関係で悩む33歳ハイスペ男たち。離婚か再構築か…!?明日で最終話!「三人の男たち~夫婦の問題~」全話総集編

一見、何不自由なく、幸せそうな夫婦。

けれど、彼らにも抱えている問題がある。

― セックスレス ―

はたから見れば、あんなに綺麗な妻・夫がいるのにどうして?と思うだろう。

相手と体を重ねなくなったとき、夫婦関係はどこへ向かうのか。

充実した仕事、十分な収入、美しい妻を手に入れたものの、レスに悩む男たちの本音が、今浮き彫りになる…。

「三人の男たち~夫婦の問題~」一挙に全話おさらい!

第1話:「実は、奥さんとずっと…」33歳男の衝撃告白。エリート夫婦の実態

「お、タクシー着いたって。そろそろ行くわ」
「うん、楽しんできてね」
「ありがとう。琴子もね」

玄関で見送る琴子に、爽やかに別れを告げる。ドアが閉まったのを確認して、幸弘はスマホを取り出した。

LINEには、ある女性からのメッセージ。幸弘は「また、後で」とだけ素早く打つと、タクシーへと乗り込んだ。

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第2話:広尾に住む、共働きエリート夫婦。新婚当初から寝室を別にしたけれど、ある問題が…

この時の幸弘には、結婚も恋愛もすべてが面倒だった。それは、琴子も同じように見えた。仕事を持ち、幸弘に興味を示さない。

― どうせ親の決めた誰かと結婚させられるのなら、俺と同じくらい冷めている人がいい。

だから、幸弘は琴子との結婚を決めたのだ。

― これで親も大人しくなるだろう。

そう踏んでいた幸弘だっただが、今度は「孫はまだか」と遊びに来るようになったのだ。

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第3話:「本当に仕事?」土日も出勤する外コン勤めの夫に、31歳妻は不満を持ち…

産めないかも、と言われると、産まなきゃ、と焦る。けれど「子どもを欲しくない」と幸弘に言われると、正直わからなくなる。

考えるのが嫌になり、何となくインスタを開く。すると、友人であるカリンの投稿が出てきた。

辻カリンは、幸弘の中高時代の友人・辻ミナトの妻だ。夫を通じて知り合ったが、今では2人で出かけるほど仲がよい。

インスタには、カリンが幼い娘と一緒に、素敵な家で暮らす様子が映し出されている。

― 幸せそう。こういう人生も、いいよね…。

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第4話:結婚して3年目。「そろそろ子どもが欲しい…」と31歳妻が夫に相談したら…

「夫婦として健全って、何?」

静かで優しく、でもどこか冷たい口調。琴子はわずかに萎縮するが、なんとか言葉を絞り出す。

「やっぱり夫婦なんだし、愛情表現って大事だと思うの。普通の夫婦はもっとしていると思うし。それに、私は将来的に子どもを持ちたいし…」

お店の中だというのに、自分たちがいる空間だけが切り取られたように、周囲の喧騒が一切聞こえない。

幸弘はペースを変えることなく、ゆっくりと八寸を食べ終わると、ナプキンで口元をふく。そして作ったように口角をあげ、琴子の顔を見た。

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第5話:「ねぇ、どうかな?」結婚5年、外コン夫とすれ違いの日々。31歳妻は、夫を誘ってみるが…

周りもちやほやしてくれるなかで、友人に誘われた食事会で出会ったのがミナト。

外資系特有の自信に溢れた振る舞いや、自分に一番愛情を注いでくれる彼に惹かれ、結婚した。

けれど、子どもを産んだあたりから、彼の態度は徐々に変わっていった。

先日も、ミナトはカリンの誕生日をすっかりと忘れていた。

― 別に、誕生日を祝って欲しかったんじゃない…。ただ、私への愛情を感じたかっただけ。

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第6話:「写真と動画をあげるだけで月200万?世の中狂ってる」夫より稼ぐ31歳妻に、外コン夫が怒り爆発

「実はね、私…。この間検診で子宮筋腫っていうのが見つかったんだよね」
「え?キンシュ?何それ、大丈夫なの?」
「うん、今は小さいし問題ないって。でも場所的にも、子どもを産むなら早い方がいいって言われたんだけど…」

今度は琴子が、言葉を探すように口を閉じる。少し考えたあと、琴子が打ち明けた。

「うちさ、実はセックスレスなの。それももう、2年ほど…」

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第7話:出張が終わっても、帰ってこない外コン夫。31歳妻は、神谷町のタワマンで寂しく…

正直カリンには、ミナトが何にそこまで怒っているか分かっていない。最近は、仕事が忙しいのか、ずっとイライラして近寄りがたいオーラを放っていた。

そのうえセックスレスで、カリンが誘ってもいつも「疲れているから」と断られる。

話し合いをしようにも、仕事で疲弊している彼に問い詰めることもできず、だんだんとすれ違っていた。

― 夫に関心を持たれないなんて、辛い…。

子どもができるまでは、自分を大事にしてくれたミナト。だが、子どもができた頃から、すべてが変わった。

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第8話:「いつクビになるか…」外コン勤務の33歳男。年収3,000万でも追い詰められ、夫婦仲にも亀裂が…

たとえ自分が辛い状況であろうとも、すべてを見せてはファンをがっかりさせてしまう。

こんな時でも、幸せそうに振る舞う自分が嫌になる。

1時間の配信を終えると、これまでの疲れがどっと押し寄せて涙が勝手に流れ落ちた。その時。

カチャリ…。

ドアの方で音がする。慌てて見に行くと、気まずそうな顔をしたミナトが立っていた。

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第9話:「俺たち別れた方がいい」結婚して5年、夫の突然の発言に31歳妻が理由を尋ねると…

「どうして?私のこと、嫌いになった?」
「いや、そうじゃない」

ミナトの口から「別れる」なんて言葉が出てきたことが信じられず、カリンは質問を続ける。

「他に好きな人がいるの?」
「そんなんじゃない…」

けれど、返ってきた答えからは何も得られない。カリンは不安とショックで、頭が混乱し泣き叫びたい気持ちだった。

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第10話:「家に帰りたくない」30代の医者夫婦。世帯年収4,000万でも、毎日夫が憂鬱なワケ

幸弘が“理想の息子”に出来上がると“私が育てたのよ”と自慢し、今度は幸弘の家庭までも思い通りにしようとする。

それでもなんとか両親との関係を保っていたのは、琴子のおかげだ。ただ幸弘には、そんな琴子が鬱陶しく感じるときがあった。

常に両親と幸弘の仲を取り持ち、悪く言えば両親の言いなりである琴子の本音が見えてこない。

幸弘が両親に逆らおうとしても「まあいいじゃない。きっとご両親もあなたのことを思ってしたことよ」と、なだめようとしてくる。

そんな琴子が、お互いの両親を目の前に、きちんと自分の意見を主張したとき、幸弘は彼女の知らない一面を見た気がした。

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第11話:年収3,000万の外コン夫が「大幅に給与が下がる仕事に転職したい」と言い出した。その時、妻は…

「カウンセラー?鋼の心を持つ幸弘が?」
「開業の相談に乗ってて知り合ったんだよ。ただ…まあちょっとな。もし捨てられるとしたら、琴子じゃなく俺の方だよ」
「なんでだよ?もしかして、浮気でもしたか?」

その会話を聞いていた陸は、急に居た堪れなくなり、自分から告げた。

「僕さ、その…。過去に浮気したんだ…」
「……え、陸が?嘘だろ…!?」

予想外の告白に、ミナトだけでなく、幸弘も一瞬驚いた顔を見せた。

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第12話:医者キラーのナースに落ちた男。残業後、タクシーで帰宅しようとしたら乗り場に彼女がいて…

「1人で勝手に悩んで決めないで。離婚とか言わないで。私だってあの子だって、あなたのことが大好きなんだから…」

そういうと、今まで我慢していたのか、カリンの目から涙が溢れ出した。

これまでミナトは仕事で追い込まれ、妻からのプレッシャーに追い詰められ、自分1人だけが苦しんでいるように感じていた。

それに、自分が情けなく感じて、こんな自分といることでカリンや娘に申し訳ない気持ちもあった。その考え自体が、間違いだとも気がつかずに。

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第13話:東大卒のバリキャリ女と結婚した弁護士男。結婚3年、完璧な夫婦を装っているが…

お互いに両親のために、形だけ完璧な夫婦を装っているのだと思っていた幸弘。けれど泣いている琴子を見て、そんなことはなかったのだと理解し、幸弘は申し訳なさからもう一度頭を下げた。

「僕のことを嫌いになっても仕方ないし、どんなこともすべて受け入れる。離婚したければ全財産を支払う。君の両親にも、謝りに行くつもりだ。君を傷つけて、本当にごめん…」

幸弘の声が、震える。

「どうしてよ…?いつ、誰となの…?」
「…2ヶ月ほど前。仕事で知り合ったカウンセラーの女性と」

幸弘は、これまでの思いを語り出した。

第13話の続きはこちら

第14話:結婚した直後に、1年半前に別れた元彼から連絡。動揺した29歳女は思わず…

幾度か会ったうえ、 家柄も学歴も似た彼とならきっとうまくいくと琴子は感じた。

思ったとおり、初めは、お互いぎこちないながらも徐々に打ち解け、再会して1年後には幸弘と結婚した。だが、結婚してすぐ…。

「琴子、結婚したらしいじゃん、おめでと」 インスタのDMに届いた元彼からのメッセージ。

さらには… 「相手、いいとこの人らしいね。あのさ、今困ってるんだ。ちょっとだけ金貸してくんない?俺2人の写真、結構持ってるんだよね」

そのメッセージの直後に送られて来たのが、隠し撮りされた彼と琴子が一緒にベッドにいる写真だった。

第14話の続きはこちら

第15話:「仲は悪くないんだけど…」広尾在住、結婚3年の子なし夫婦が離婚を決断したワケ

― 「あなたに弱音を吐けずに辛かったんだと思います」

かなえからの言葉を思い出す。

浮気は、どうしても許せない。実際にしたとかしてないとかは関係なく、幸弘が誰かと触れ合ったのかと考えるだけで、虫唾が走る。

それでも、幸弘のSOSに気づいてあげていれば、幸せだったあの時間を壊すことなどなかったのではと思うと、琴子の目から涙が溢れた。

第15話の続きはこちら

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