2024.06.27
梅雨の時期とはいえ、夏の訪れを感じる日も多い今日このごろ。大人の美食への欲望は、どんなときも尽きぬもの!
西麻布の隠れ家レストラン『アルギュロス』、恵比寿のフレンチ『繁邦』、麻布十番のモダンメキシカン『MIXTEKO TOKYO』。
今回は、感度高き食通たちが注目する、2024年オープンの新店をご紹介!
贅を極めた最先端のレストランの密かな幕開け
『アルギュロス』とは、ギリシャ語で“銀”。「金という頂点を目指してたゆまぬ進化を続ける」という思いを込めて名付けられた。
コンセプトに掲げるのは、日本各地で探し当てた最高の食材を惜しみなく使い、フレンチやイタリアンといったジャンルの壁を越えた「コンテンポラリーキュイジーヌ」だ。
陣頭指揮を執るシェフ・岡崎陽介さんは、日仏のフレンチレストランでの修業を経て、2023年に惜しまれつつ閉店したスペインの三ツ星レストランの東京店『RESTAURANT SANT PAU』でエグゼクティブシェフを務めた。
世界トップクラスのスペイン料理に触れ「視野が広がり、料理の自由度が高まった」と語る。
それだけに、おまかせコース(¥36,300)の内容は実に自由闊達。
「デザート!?」と見まごうアミューズに始まり、スター食材である「黒鮑」や「いぶさな牛」を使った堂々たる料理の合間には、遊び心のある品々を挟み緩急をつける……といった具合。
低温調理&炭火焼きで仕上げたフィレ肉に、「京都辻農園」による“日本一のタケノコ”を添えた「いぶさな牛フィレ 辻農園白子筍 郡山市大竹さんのケール」。
ハイレベルなパンに驚き、上質かつ軽やかな料理に満たされ、この店に心を掴まれる
恵比寿駅西口のすぐそばでありながら、駅前の喧騒とは一線を画す落ち着いた雰囲気の場所があるなんて、と驚くこと確実。
そんなエリアに、この街にありそうでなかった大人も満足できるカウンターフレンチとベーカリーが登場し、注目を集めている。
高円寺で人気のパン屋さん『しげくに屋55ベーカリー』を実家に持つ、『繁邦』オーナーシェフの青木虎太郎さんは、自身が腕を振るう夜のレストランとデータイムのカフェ営業、そして父が焼くパンの販売という、3つの要素をこの1軒に集約。
代々木上原『sio』での3年間の修業を経て、弱冠24歳にして店の主となった。
オーセンティックなフレンチをベースにしつつ、時にはオリジナルの視点から生まれるひとひねりが楽しい料理やパンを活用したメニューもあり、すべてはアラカルトで提供。
「苺のクロスティーニ」(¥1,000)は、バタールにバルサミコ酢とケッパー、オリーブオイルでマリネしたイチゴ、そして水切りしてペースト状にした豆腐を合わせることで軽やかに。
身はふっくら、皮目はパリッと焼き上げられた「鰆のローストと焦がした春キャベツ」¥4,400(2名分)。
ヴァン・ブランソースで味わうひと皿。
レストランを使い慣れた人ほど「こういう店を待ち望んでいた」と破顔一笑するはずだ。
早熟な才能を味わいに恵比寿に降り立ちたい。
洗練と温かみとが共存するメキシカンに感性を刺激される
隠れ家的な店の多い麻布十番界隈でもとりわけ密やかなロケーションに、モダンメキシカンが仲間入りした。
スタイリッシュな住宅が立ち並ぶエリアの、さらに建物の最上階にある『MIXTEKO TOKYO』で腕を振るうのは、カルロス・ソラナさん。
“メキシコきっての美食の街”といわれているオアハカ州出身で、カリフォルニアのナパ・ヴァレーで、10年に渡りフレンチやイタリアンのレストランでキャリアを積んだ人物だ。
東京では既存のレストランを間借りしてのポップアップ営業やデリバリー・テイクアウト専門のキッチンを経て、遂に本格的なコースを提供するレストランを完成させた。
祖国の伝統的な食材や調理法をベースに、メキシコの沿岸部ではポピュラーな魚介料理を日本の新鮮な素材で表現するなど、オリジナリティ漂う品々はここならでは。
自家製のトルティーヤにじっくり煮込んだ豚肉「カルニータス」とローストトマトのサルサ、デコポンのピクルスを合わせたタコス。
テキーラベースの伝統的なカクテル「カンタリート・ロコ」と。
メインには炭火で焼いた鹿肉が。
黄色いミニトマトを使ったサルサヴェルデや人参のサルサ、「SHARE GARDEN」や「澤柳商店」から届く野菜を添えて。
また、毎週火曜は「タコスナイト」と銘打ち、カジュアルなスタイルの営業も。どちらも体験してみたい。
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