2024.05.13
オトナの5分読書 Vol.23②分散学習
一夜漬けのように、あるまとまった学習範囲を間隔をあけずに一度に続けて勉強することを、「集中学習」と言います。
一方で、時間をあけて勉強することは「分散学習」や「間隔反復」と呼ばれています。そして一度にまとめて勉強するよりも、時間を分散して勉強するほうが長期的な記憶の定着が良く、この効果は分散効果と呼ばれています。
これは同じ内容を同じ時間をかけて勉強するにしても、分散したほうが学習効果が高いということを意味する。
つまり2時間続けてある範囲の英単語を勉強するよりも、今日は1時間、別の日に1時間と分散したほうが、時間が経ってもテストしたときに覚えている単語の数は多いということ。
また、学習の間隔を長くあけたほうが、より長く記憶に定着すると言われています。
つまり半年後の試験に向けて勉強する場合と、1週間後の試験に向けて勉強する場合では、最適な復習のタイミングが異なるということになります。
さて分散学習はあくまでも勉強のスケジュールについての話ですが、学習方法を繰り返せばよいかというと、それこそがアクティブリコールです。
まず、新しい範囲を勉強するときは、少なくとも1~3回内容を思い出せるようになるまでアクティブリコール(紙に書き出す、思い出すなど)をする。その後、決まった間隔は特にありませんが、1日~1週間後にまたアクティブリコールをしてみます。
この際、忘れている内容についてはもう一度知識を確認し、少なくとも1回アクティブリコールをします。これを何回か間隔をあけてまた繰り返します。
イメージしやすいように具体例を出してみます。
難しい英単語20個を覚える場合、英単語を見て発音しながらスペルを書き出し、日本語の意味を声に出してみます。
その後、今度は何も見ずに英単語のスペルと意味を思い出させるだけ、ブツブツいいながら白い紙に書いていきます(アクティブリコールとプロダクション効果)。
その際に覚えにくいものは、教えているフリをしながら行います(プロテジェ効果)。
その時点で覚えていなければ単語のリストを見て英単語のスペルや意味を確認します。
再度アクティブリコールをして、覚えていない単語をまた確認という過程を、すべての英単語について少なくとも1回はアクティブリコールできるようになるまで繰り返します。
これで1回目の勉強は終了です。
そして難しい単語の場合は、1日以内にまたアクティブリコールし、忘れている単語があればまた確認します。
この流れを分散学習で繰り返します。
アクティブリコールを間隔を変えて、ただ繰り返す。
このきわめてシンプルな勉強方法をあまり意識してこなかったという人もいるかもしれませんが、今日からこれを実践するだけで勉強の効率が大きく改善されるはずです。
今何かの大きな試験に向けて勉強している人は、試験までに何度も間隔反復ができるように勉強のスケジュールを組んでみるといいでしょう。
その際にはもちろん教科書を「繰り返し読む」というものではなく過去問や模試を解く、白紙の紙に書き出す、フラッシュカードを使う、誰かに教えるなどのアクティブリコールを中心とした復習を意識してみることが重要だと思います。
3. 本書のココがすごい!
今回紹介した、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』安川康介著(KADOKAWA)のすごいところは下記に集約される。
①科学的で効果的な勉強法のエッセンスが詰め込まれている。
②誰でもすぐに実践できる勉強法なので、簡単に取り入れやすい。
③この記事では紹介できなかったが、具体的な記憶法や勉強に対するモチベーションのコントロールなど精神面についても書かれていて多方面から役に立つ。
【著者】
安川康介
YouTube(米国内科専門医 安川康介の医学チャンネル)
X(安川康介@米国内科専門医)
2007年慶應義塾大学医学部卒業。日本赤十字社医療センターにて初期研修を修了後渡米。ミネソタ州ミネソタ大学医学部内科レジデンシー、テキサス州ベイラー医科大学感染症フェローシップ修了。
米国内科専門医・米国感染症専門医。南フロリダ大学医学部助教。
▶NEXT:5月27日 月曜更新予定
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