今日、私たちはあの街で Vol.10

代官山『T-SITE』で3回目のデート。 終電を逃した28歳女を中目黒の自宅に泊めた男が、翌朝後悔したワケ

男女隔てなく仲が良いがゆえに、どこか掴みどころのないムードを放つ悠だが、浮いた話がないわけではない。

今夜は広告代理店に勤める麗奈と3度目のデートだ。

麗奈は積極的なタイプなのか、悠がこのあたりに住んでいると伝えると、彼女の方から代官山でのデートを提案してきたのだった。

「悠くんのおすすめの店に行ってみたい」

そんな麗奈からのリクエストで、今夜は『BISTRO FAVORI』を予約している。

色鮮やかな食材を使って美しいプレゼンテーションをしてくれる、代官山らしいお洒落な一軒家のビストロだ。

女性からの評判がいいのはもちろん、テラス席もあり犬連れもOK。仕事場にしているシェアラウンジから徒歩30秒とあり、悠は何度か友人とこの店を訪れていた。

約束の時間を迎え、悠は麗奈とテーブルに着く。

ディナーは目にも楽しいたっぷり野菜のアミューズに始まり、四季折々の食材が並び、ほどよくカジュアルな雰囲気の中で悠と麗奈の会話は弾んだ。


「ねぇ悠くんって…私のこと、どう思ってる?」

「可愛いと思ってるよ。一緒にいて楽しいし」

食後のコーヒーのタイミングで突然出た麗奈の質問に、悠は臆することなくさらりと答える。

「嬉しいな。じゃあ、恋愛対象として見てくれてるってこと?」

「それは俺のセリフだよ。10個も年上なんだから」

「わたしは最初から恋愛対象として見てるよ。悠くんのこと」

仕事仲間との飲み会に居合わせた麗奈と、ふたりで会うのは3度目。確かに、そろそろ関係性が気になる頃だろう。

「もう少し飲みながら、ゆっくりしたい」という麗奈を連れて、悠は代官山T-SITE 2階の『Anjin』に向かった。

仕事場としてシェアラウンジへは来ていたが、夜に『Anjin』に来るのは久しぶりだ。

かつての深夜営業のイメージがあったが、今は22時クローズだと告げられてしまった。

「ラストオーダーまで時間もないし、今日は帰ろうか?駅まで送るよ」

「せっかくの土曜日、もう少し楽しみたいな。そうだ!一緒に映画観ようよ」

「じゃあ…飲み物でも買ってうちに行くか」

断る理由も見つからず部屋へ招待してみると、麗奈は嬉しそうな笑顔でうなずいた。


飲み物を買って目黒川のほとりをゆっくりと散歩し、部屋に着いたのは22時過ぎ。

それから準備をして映画を観て…いつしか終電の時間を迎えていたことに悠は気がつく。

タクシーを呼ぼうか、と声をかけようとしたが、麗奈は映画のエンドロールが流れても画面から目を離さず、帰り支度をする様子はなさそうだ。

「麗奈ちゃん。もう一本、映画観る?…それとも、休む?」

ここにいても良い、と許可を得たように感じたのか、麗奈は安堵の笑みを浮かべる。

「ありがとう。少ししたら、休もうかな」

悠は麗奈に部屋着を貸し、着替えたふたりはほどなくしてベッドへと向かった。

広いベッドにそれぞれ横になり、今日のディナーの感想など少しだけ話をして…甘えてきた麗奈の期待に、悠は応えたのだった。

この記事へのコメント

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No Name
何、これ?
2024/04/23 05:1543返信3件
No Name
先週更新されなかったからもう打ち切りになったのかと思った。二週間振りで過去の登場人物を次々に出されてもすんなり思い出せないから意味ないと思ってしまう。尻軽過ぎな玲奈と築く関係性なんて、たかが知れてる。 次は、とって付けたようなアルノーとメイリンの話?もういいよ😂
2024/04/23 05:2122返信4件
No Name
文章がくどかった。
最後まで読んだけどよく分からんかった。
2024/04/23 06:2020
もっと見る ( 16 件 )

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