『焼肉ジャンボ』がプロデュースの新店ほか、いま話題のおすすめ東京グルメ5選

2024年も2月の半ばに突入しようとしており、まだまだ寒い日が続くこの時季。

そんな日も心がほっこり温かくなるような、ホットな新店へと足を運んでみてはいかがだろう。

薪焼き和食が楽しめる『時限堂』、あの有名焼肉店『焼肉ジャンボ』プロデュースの『やきにく屋はやし』、マンションの一室に潜む大人の酒場『コーヨーハイツ』、上質カウンターフレンチ『DAN』、日本料理の新星『紀尾井町 南かわ』。

グルメな大人たちが集う、東京で話題のおすすめ美食店5軒をご紹介!

1.数多の名店のDNAを宿した薪焼き和食が、みすじ通りにひっそりと現れた
『時限堂』@赤坂見附


2023/12/2 OPEN

赤坂見附『時限堂』の外観

店は赤坂見附の駅から徒歩2分という立地ながら、秘めやかな佇まい。人気店が軒を連ねるビル1階に、「時限堂」の文字が光る


表通りからは見えづらい、控え目に光るサインに期待が高まる


一時の薪焼きブームも落ち着きを見せ始めた昨今だが、2023年12月にオープンした『時限堂』は、それまでの薪焼きをより進化させた焚き火料理の店として、今、フーディらの話題を呼んでいる。

大将の経験が昇華された逸品の数々に、日本料理の豊かさを知る


「食事のひと時は出来うる限りお客様に喜んで頂きたいと思って」と想いを語るのは、焼き場に立つ飯塚淳至大将46歳。

老舗の和食店で基礎を固め、あの『鈴田式』で薪焼きの面白さに目覚めたベテランだ。

その後、神楽坂『紀茂登』、西麻布『蒼』で研鑽を重ね、素材の持ち味を活かすシンプルな料理に感銘を受けた飯塚さん。

赤坂見附『時限堂』の薪火に藁を足して炙るように焼いた空芯菜

薪火に藁を足して炙るように焼いた空芯菜。香りがのるよう油をまぶしてある。焼いたあと、氷水で急冷させてから提供する


ここではそれらを昇華させ、薪だけに拘らず、空芯菜は藁を加えて豪快に炙り、ハラミは炭火とウイスキー樽のチップで火を入れる等々、素材に合わせた熱源や薫香で変化をつけている。

赤坂見附『時限堂』の黒毛和牛のハラミ


飯塚さんが黒毛和牛のハラミの熱源に選んだのは炭火。脂が多めの黒毛和牛には直線的に火が入る炭火が合うと思ってのことだとか。

ウイスキー樽を使い、甘い香りを加えている。

赤坂見附『時限堂』のハラミの飯蒸し


ハラミの飯蒸し。味付けは塩のみとシンプル。

赤坂見附『時限堂』の金目鯛のお椀

金目鯛のお椀。利尻昆布をふた晩水出ししたものを、60℃で60分火にかけ、火を止め鰹節を入れてとる出汁は『紀茂登』仕込み。「椀種の持ち味を活かすよう鰹節はほんの少量にしています」とは飯塚氏。料理はすべてコース(28,000円~)の一例。※料金、内容は予約日によって異なります


また、ふくよかな旨みの昆布だしのお椀や旬の情景を写し出した八寸など和食の基礎が光る一品がコースの合間に出されるのもここならでは。

〆は「ご飯のお供」とともに好きなだけ!

赤坂見附『時限堂』の薪焼きの大根飯


〆の食事は薪焼きの大根飯。薪火で炙った大根を混ぜている。

赤坂見附『時限堂』の薪焼きの大根飯


これに、薪火にかざしたサーロインやなめこ、釜揚げしらすに醤油漬けの卵黄など具をトッピングし放題というのも嬉しい。

赤坂見附『時限堂』の薪焼きの大根飯


薪料理との巧みな融合を楽しみたい。

赤坂見附『時限堂』の内観


六角形の焼き台を取り囲むように設えた栃の木のカウンターが、檜とはまた異なる寛ぎ感を与えている。席数は8席のみ。

スマホが充電できるのも嬉しいポイント!

赤坂見附『時限堂』のスマホ置き


漆の折敷の横にはスマホ置きが。なんと充電もできるようになっている。

赤坂見附『時限堂』のエントランス

ディナーへの期待が高まるエントランス。目抜き通り沿いだが奥まった場所にあり、しかも二重扉なため、静謐な空気が漂う


■店舗概要
店名:時限堂
住所:港区赤坂3-9-2 No.R赤坂見附 1F
TEL:非公開
営業時間:[一部]17:30~
     [二部]20:30~
定休日:不定休
席数:カウンター8席

時限堂(赤坂見附) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.あの『焼肉ジャンボ』がプロデュース!予約困難必至の新店が目黒の住宅街で早くも話題
『やきにく屋はやし』@目黒


2023/11/3 OPEN

目黒『やきにく屋はやし』の外観

「柳通り」が肉と鮨の人気店がそろうグルメストリートに!目黒駅西口から雅叙園の前を下る行人坂を下りて、徒歩約10分。人気店『鮨 りんだ』のご近所という好立地だ


予約困難な人気店と変わらぬ美味が近所にある幸せを、目黒住人は噛みしめる


吟味した黒毛和牛の仕入れと、部位ごとの持ち味を高める切り方の工夫、そして自慢のタレが評判となり、今や“予約の取れない焼肉店”としてあまりにも有名な『焼肉ジャンボ』。

篠崎本店と本郷店、はなれのほかに香港にも同名のプロデュース店があるほどの人気だが、この度、国内初のプロデュース店として誕生したのが、『やきにく屋はやし』

目黒で飲食店を営むオーナーが『焼肉ジャンボ』の社長・南原範充さんと意気投合。料理長の西島正和さんは1年間本郷店で修業をし、万全の体制で開店した。

“本丸”で仕込んだタレを使うジャンボ名物の「野原焼き」は必食

目黒『やきにく屋はやし』の「野原焼き」

看板メニューの「野原焼き」1枚 2,200円~。約2mmの厚さに切った鳥取和牛A5のサーロインは、秘伝のタレにすき焼きの割下を合わせた特製のタレで味付け


和牛オリンピックで日本一に輝いた「鳥取和牛」を“ジャンボ”譲りの技で切り、“ジャンボ”特製のタレで提供。

目黒『やきにく屋はやし』の「野原焼き」


さっと炙ったらすかさず卵にくぐらせて、ひと口。

目黒『やきにく屋はやし』の「野原焼き」


とろけるような食感を楽しんでからご飯にオン。

霜降りが美しい牛タンの上質さたるや

目黒『やきにく屋はやし』の「上タン」


「上タン」(2,400円)には、アメリカの最高肉質等級である「USプライム」の希少なタンを使用。

更に希少な「黒毛和牛上タン」(3,600円)が入荷する日もアリ。

新たな名物のにぎりに満たされる

目黒『やきにく屋はやし』の「鳥取和牛のにぎり」


「鳥取和牛のにぎり」680円(1貫)。

ユッケのタレで味付けしたトモサンカクを、スタッフがゲストの前でさっと炙り、酵素玄米のにぎりに巻いてくれる。

ちなみに、酵素玄米は栄養価が高く“腸活”にも良いと話題。

艶やかなレバーは鮮度に驚く

目黒『やきにく屋はやし』の「レバー」


関西風の甘めのタレを纏った「レバー」(1,200円)は程良く焼いて食すべし。

こちらも“ジャンボ”直伝だ。ホルモン類の味付けは、タレのほか甘辛味噌も。

〆の麺もファン多し

目黒『やきにく屋はやし』の「冷麺」


具は半熟卵と白髪ねぎのみとシンプルな「冷麺」1,300円。

クリアなスープは鶏ガラ、牛テール、鶏のモミジ(足)で取っている。

目黒『やきにく屋はやし』の個室

テーブル席のエリアはガラス張りで開放感があるが、気の置けないメンバーと楽しむならふたつある個室がおすすめ


オープン早々からブレイクが約束された新星だ。

目黒『やきにく屋はやし』の看板

看板にしかと刻まれたジャンボのロゴは、お墨付きの証


■店舗概要
店名:やきにく屋はやし
住所:目黒区下目黒2-17-22 東和ビルⅡ 1F
TEL:03-6303-9129
営業時間:17:00~(最終入店 22:00)
定休日:無休
席数:テーブル18席、個室2(8席)※要予約

やきにく屋はやし(目黒) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.話題店ひしめく学大の“ハイツ”の一室にスタイリッシュな酒場が潜んでいる
『コーヨーハイツ』@学芸大学


2023/9/1 OPEN

学芸大学『コーヨーハイツ』の外観

「隠れ家っぽい物件を探していたので、理想通りだった」と店主が語るように、まさか店があるとは思わない普通のマンション。表に灯るロゴ入りの小さなライトが目印だ


なんの変哲もない「弘洋ハイツ」の一室に店が!


新店のオープンラッシュが続く学芸大学。賑やかなネオ居酒屋が台頭する中、それとは一線を画す大人好みの一軒が誕生した。

場所は商店街の路地裏にあるマンション「弘洋ハイツ」の一室。

玄関のドアを開ければ大人の酒場。この秘密基地感は悪くない

学芸大学『コーヨーハイツ』の外観

表札には営業中のみ現れる「ON AIR」の文字が


看板は掲げず、入口も至って普通の住宅のドア。

だが扉を開けた瞬間、シックなコの字カウンターが広がる別世界にワープする。

学芸大学『コーヨーハイツ』の内観

仄暗いムーディーなカウンター空間と、オープンキッチンに立つポップなボウリングシャツ姿のスタッフたちのコントラストも面白い


『コーヨーハイツ』で味わえるのは、会席料理をカジュアルダウンさせた和食の数々。

日本料理ひと筋に研さんを積んできた料理長による、カウンター酒場とは思えぬ料理のクオリティーに驚かされる。

同店は神楽坂の割烹料理店『夢二』の運営会社の新業態であり、素材へのこだわりや皿の美しさにもそのイズムが光る。

学芸大学『コーヨーハイツ』の「四万十麦酒牛土鍋」

土鍋ご飯は店の名物。「四万十麦酒牛土鍋」(2人前 2,400円)は、さっぱりとした脂のサーロインを出汁にさっとくぐらせ、出汁で炊いたご飯と混ぜていただく。すき焼き風味の味わいが絶品


「東京であまりなじみのない食材や料理も提案したい」と、常磐もののメヒカリや津軽鴨、四万十麦酒牛などを使ったメニューも食指が動くものばかり。

学芸大学『コーヨーハイツ』の「毛蟹と生雲丹いくら添え」


「毛蟹と生雲丹いくら添え」1,500円。

カニ味噌を和えたカニの身とうに、いくらが三位一体になった濃厚な旨みが贅沢。

学芸大学『コーヨーハイツ』の「鷹番鯵フライ」

刺身でも食べられる鮮度の鯵をレアに揚げた「鷹番鯵フライ」700円


美味に浸れる空間に、「こんな店を待っていた!」と感度の高い大人たちが早くも通い詰めている。

店名入りの特製グラスは、味も写真映えも抜群!

学芸大学『コーヨーハイツ』の「おとなの抹茶ハイ」と「本日の生搾りサワー」


右.オリジナル酎ハイが人気。目の前で抹茶を点てる「おとなの抹茶ハイ」700円。

左.果物を選び注文ごとに搾って作る「本日の生搾りサワー」700円。日替わりで3~4種類を用意。

■店舗概要
店名:コーヨーハイツ
住所:目黒区鷹番3-7-13
TEL:03-6303-0514
営業時間:17:00~(L.O.22:30)
定休日:不定休
席数:カウンター15席

コーヨーハイツ(学芸大学) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

4.人気店が点在する淡島通り沿いに、上質なフレンチの行きつけを持つ大人感
『DAN』@池ノ上


2023/10/21 OPEN

池ノ上『DAN』の外観

淡島通りと梅ヶ丘通りがクロスする交差点に現れた、目を引くデザインビルの1階に


高所得者が多く暮らしながらも、“隠れ家”感がある住宅街であり、わざわざ訪れたい店も多くある世田谷・淡島エリア。

その一角に、強い引力を感じさせるカウンターフレンチが新たに出現した。

池ノ上『DAN』の内観

Dの字をかたどった半円型のカウンターはコージーな雰囲気を醸し出す。居合わせたゲスト同士のコミュニケーションが生まれる夜も


『DAN』のオーナーシェフ・高田有基さんは、株式会社ひらまつで代官山『メゾン ポール・ボキューズ』、『レストランひらまつ 広尾』に所属。

さらに、大阪の『ラ・フェットひらまつ』では副料理長となり、フランス料理の経験を積んだ。

その後、南青山『L’AS』では副料理長を務め、2023年秋に独立開業。『L’AS』の同僚だった杉山 徹さんと共に、店を切り盛りしている。

U-1万円のコースでも、高級食材を躊躇なく使うレベルの高さに歓喜する


正統派フレンチで腕を磨いたふたりが繰り出すコースが9,350円と“アンダー1万円”でありながら、しっかりとした構成の料理に紀州鴨、白子といった高級食材が盛り込まれていたり、焼き立てで供されるフィナンシェなど、食べ込んだ大人も満足できる魅力がそこかしこに。

池ノ上『DAN』の「寒鰆 娃々菜(わわさい)」


燻した寒サワラにパンチェッタとミニ白菜を巻き、黒胡椒が香る寒サワラのコンソメとハーブを添えた「寒鰆 娃々菜(わわさい)」。

池ノ上『DAN』の「紀州鴨 エピス」


「紀州鴨 エピス」は、カルダモンやシナモン、オレンジが香る赤ワインソースの艷やかさが確かな技術を物語る。

池ノ上『DAN』の「白子 米」

柚子の酸味がアクセントの「白子 米」は、ピュレ状の白子でリゾットを作り、さらに白子のムニエルとほうれん草のバターソテーを盛って。料理はコース(9,350円)の一例


近隣に住まう人に、羨望の眼差しを向けざるを得ない注目店だ。

■店舗概要
店名:DAN
住所:世田谷区代沢4-34-10 YKビル 1F
TEL:03-4400-9986
営業時間:17:00~(L.O.23:00)
定休日:不定休
席数:カウンター8席 ※要予約

DAN(池の上) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

5.語り合いたい大人の夜には、上質な和食としっぽり落ち着く空間があればいい
『紀尾井町 南かわ』@麹町


2023/7/26 OPEN

麹町『紀尾井町 南かわ』の内観

店は、麹町駅に程近い古いビルの4階に。だが、店内に一歩足を踏み入れれば落ち着いた雰囲気に包まれる


名店のほまれ高い、麻布十番の日本料理店『麻布 幸村』。優れた料理人を多数輩出していることでも知られるが、またひとり、卒業生として独立を果たした新鋭が。

それが『紀尾井町 南かわ』の店主・南川広行さんだ。

麹町『紀尾井町 南かわ』の南川広行氏

大分生まれの南川さん。小倉の割烹料理店での修業を経て上京


師匠・幸村 純さんの料理に魅せられて門を叩き、10年間にわたる修業を終え“不惑”の年にして自身の城を構えた。

小体だからこそ、南川さんの技を眼前に望めるカウンターは特等席。

華美でないから心に染みる、正統派な日本料理こそいちばんの贅沢

麹町『紀尾井町 南かわ』の「豆皿八寸」

目にも楽しい「豆皿八寸」。この日はいくらを添えた菊菜のおひたし、セリの胡麻和え、本もろこの有馬煮、このわたの茶碗蒸し、タラの芽とフキノトウの天ぷらが


おまかせのコースは先付、“幸村”でも愛されている多彩な料理を豆皿に盛る八寸、向付、椀物、焼き物、お凌ぎ……と、メリハリと季節感のある内容で構成され、味覚も視覚も満ち足りる。

19,800円という価格はお値打ちだろう。

麹町『紀尾井町 南かわ』の白味噌のお椀


優しい甘さの白味噌のお椀には、鴨肉の餡を包んだ百合根まんじゅうが。

すべてコース(19,800円)の一例。

“幸村”直伝の花山椒鍋で春を先取る、そんな楽しみ方ができる年齢になってきた

麹町『紀尾井町 南かわ』の「花山椒のしゃぶしゃぶ」

春先の僅かな期間のみ市場に出回る希少な花山椒を使った「花山椒のしゃぶしゃぶ」は、師匠譲りのスペシャリテ。4月~5月末までのシーズン中はコース 27,500円


また春先には『麻布 幸村』から世に広まった名品「花山椒のしゃぶしゃぶ」も登場予定。

麹町『紀尾井町 南かわ』の「花山椒のしゃぶしゃぶ」


さわやかな刺激が心地良い花椒と和牛のリブロース、そして門外不出の鍋つゆの相性の良さは圧巻。

麹町『紀尾井町 南かわ』の「花山椒のしゃぶしゃぶ」


今から馴染みになってプラチナシートを押さえたい。

ゆっくり語れる個室もアリ

麹町『紀尾井町 南かわ』の個室


カウンター席のほか、親密なディナーや会食にも使える4席の個室も。

麹町『紀尾井町 南かわ』の看板

シンプルな看板に「料理で勝負する」という意気込みが窺える


■店舗概要
店名:紀尾井町 南かわ
住所:千代田区麹町3-5-16 サンゴビル 4F
TEL:03-4400-3330
営業時間:17:30~(L.O.20:00)
定休日:不定休
席数:カウンター6席、個室1(4席)※要予約

紀尾井町 南かわ(麹町) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

▶このほか:銀座で話題の個室焼肉が、大切なゲストとの会食に最適な理由とは?東カレ副編集長が徹底レポート!

東京カレンダー2024年3月号の表紙

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