オトナの5分読書 Vol.15

情報弱者は“損”をする。本田健が語る「お金のゲーム」で負けない方法とは

4. 次の時代に備えて、いまから私たちができること


いまの資産が100万円の人と500万円の人、1,000万円の人では、その対策は違ってきますが、大枠だけでもお伝えできればと思います。

こういうときの考え方は、最大限お金を増やすとか、価値をキープするというものではありません。どちらかというと、非常時に困らないための備えだと考えてください。

経済システムが大幅に変わるとき、全部がひっくり返る前提で考えておいたほうが、いざというとき、慌てず腹をくくれると思います。


いまの世の中では、現金、預金の価値は相対的にどんどん目減りしています。でも一方でいま不動産や株を買っても値段が大幅に下がる可能性もあります。

この本は具体的に◯◯を買えという指南書ではないので、細かなことは話しませんが、基本的な考えについてはお伝えしたいと思います。

・いまの有形資産をいくつかの種類に振り分けておくこと。
・いまの有形資産を無形資産に変えておくこと。


この2つはとても大事でいますぐにやっておいてもらいたいことです。

有形資産とは、形がある資産のことで建物や土地などの不動産、株式、車や絵画、時計などです。現金、預金、それに仮想通貨も有形資産として考えてください。

無形資産とは、文字通り形のない資産です。その人の幸せな心、豊かな人間関係、健康、経験、知識、才能、スキル、親切さなどが無形資産に当てはまります。

無形資産は、有形資産と同じく、あるいはそれ以上に大事なものだと思いますが、有形資産とは異なり、その価値を金額に換算しにくいものです。

資産形成について考えたとき、多くの人は有形資産ばかりに目を向けがちです。

しかし有形資産だけあっても、豊かで幸せな人生にはなりません。それに無形資産は誰にも奪われません。

経験、信用、学歴、資格、知恵、人脈、情熱といったものは、本人に属するもので、他人が奪うことはできません。国が税金をかけることもできません。


賢い人は、有形資産と無形資産両方を着実に増やす生き方を選んでいます。

いまは、有形資産に重きをおいている人が多いですが、新しい時代では、有形資産よりも無形資産が評価されることになると思います。

お金や不動産に価値を見いだす人が減って、つながり、信頼、感謝、応援などに人の意識が移っていくと思います。

あなたに、無形資産である学歴と経験、人脈、情熱があれば、どんな分野でも必ず成功できます。そう考えるとあなたの無形資産が充実したものであればあるほど、そのぶん有形資産も充実増やしやすくなります。

無形資産が大切な理由は、他にもあります。無形資産が時代を超える価値として影響力を持つことです。

有形資産(不動産、預金、貴金属など)は、政治、災害などの外部要因によってその価値が大きく上下します。

しかし、無形資産は、政治や災害などの影響を受けません。人脈、信用、資格に課税しようとしてもその価値を数値で測るのは不可能です。また、災害で人間関係が消失するわけでもありません。無形資産は、環境や時代の変化を乗り越える力があるのです。

何世代も続く資産家はこのことをよく理解しています。

私が人生の教え方を受けたユダヤ人のメンターたちもこの無形資産を普段から意識して、いざというときは、身一つでどこにでもいく覚悟を持っていました。

有形資産であるお金を使って、新しいことを学んだり、資格を取ったり、人脈を広げておくことは、とてもよい投資になると思います。

この考え方はいまでも通用しますし、これからますます大切になると思います。

5. 本書のココがすごい!


今回紹介した『いま、お金について知っておきたい6つの教え』本田健著(きずな出版)。のすごいところは下記に集約される。

①本田健さんが、これまで会ってきたメンターから学んだお金に関する大切なことがギュッと1冊に詰まっている。

②お金のゲームに勝つためには、自分から情報を取りに行くことが大切であることを学べる。

③これからの大激変の時代に備えて、いまからできることを具体的に伝えている。

【著者】 本田 健

作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、現在は「お金と幸せ」をテーマにした講演会やセミナーを全国で開催。

インターネットラジオ「本田健の人生相談」は5,000万ダウンロードを記録。

著書は、『20代にとって大切な17のこと』『30代にとって大切な17のこと』(きずな出版)、『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(大和書房)、『大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)、『きっと、よくなる!』(サンマーク出版)、『大好きなことをやって生きよう!』(フォレスト出版)など200冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。

2019年6月にはアメリカの出版社Simon & Schuster 社から、初の英語での書き下ろしの著作『happy money』をアメリカ・イギリス・オーストラリアで同時出版。

その他ヨーロッパ、アジア、中南米など、世界40カ国以上の国で発売されている。

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