オトナの5分読書 Vol.15

情報弱者は“損”をする。本田健が語る「お金のゲーム」で負けない方法とは

2. 「お金のゲーム」のルールとは


前述しましたが、お金のゲームのルールには明確なものはありません

お金をたくさん稼ぎ続ければ、いずれゲームに勝てそうな気がしますが、具体的な数字としてどれだけ稼げばいいのか、誰もわかりません。

そんなわけで、自分が勝っているのか、負けているのか、よくわからないのが「お金のゲーム」なのです。

しかし、お金のゲームに本当にルールはないのでしょうか。

お金のゲームのルールを知らなければ、勝つこともできません。つまり、最低限ルールを知っておく必要があります

気をつけなければいけないのは、『時代を超えて通用するお金のルール』と『たまたまそのときにあてはまるルール』の2種類があることです。

前者の『時代を超えて通用するお金のルール』には、下記があります。

「収入の範囲内で生活する」
「自分の稼ぎ力をつける」
「信用を積み上げる」
「応援される人になる」


後者の『たまたまそのときにあてはまるルール』には、「不動産に投資する」「株に投資する」などが入ります。

これらは、そのときにあてはまるかどうかをよく見ておかないと、時代の変化でルールが変更になったときには、大失敗してしまいます。

お金に関しては、時代を超えたルールを見つけ出し、それを身につけることが大事なのです。そのうえで、いま現在適用しているルールを知っておく必要があります。

その両方を身につけたうえで、まずは「負けないこと」を意識しましょう

お金のゲームは勝ちに行こうとすると大負けしてしまうことがあります。レバレッジをかけて投資する人は、当たればデカいですが、負けると全部を失うリスクがあります。

3. 変化する「お金のルール」を理解する


①マイナールールは、10年に一度変わる


「お金のゲーム」の『たまたまそのときにあてはまるルール』は、知らないうちに変わります。

これがお金に関して私たちを混乱させる原因です。お金に関しては、つい去年まで有効だったルールが、今年はまったく当てはまらないということがよくあります


たとえば、この10年海外では不動産を買ったら値上がりするというルールがありました。

中国や韓国などのアジアだけではなく、アメリカ、ヨーロッパでも2022年までは、そのルール通り不動産に投資した人は、みんな利益を得ました。

しかし、そのルールは変わってしまい、何千万人、何億人もの人が大パニックになっています。

中国では、大規模開発していた不動産業界だけではなく、巨額のお金を貸していた銀行、税収を当て込んだ地方政府も大混乱です。

オンラインで預金を集めた地方銀行の中には、キャッシュがなくなって、引き出せなくなるということが頻繁に起きています。

韓国では、魂までかき集めてお金を用意するという「魂集族」という言葉もできたほど、不動産投資に熱狂する人が出ました。20代、30代のお金のIQが低い人ほど、飛びついてしまったのです。

たしかに、過去5年間でソウルの不動産は倍になり、誰でも儲かる状態になったわけです。その購入者の40%が若い世代で、みんなムリして買ったそうです。彼らは、これからの支払いに苦しむことになるでしょう。

値段が上がっているうちは何の問題もないのですが、いったん下がり始めると、あっという間に資金繰りがショートしてしまいます。

中国のバブルが崩壊したのと時を同じくして、世界中の不動産が大幅に下がるリスクが出てきました。イギリス、ドイツ、オランダでも不動産の値段が大幅に下がりました。

このように、「お金のゲーム」のマイナールールは、だいたい10年くらいで変わります

お金の本は、仮想通貨でも米国株でもすごく儲かった人がその体験を書いて、それがベストセラーになるので、その本が出る頃には、古い情報になることが多いのです。

そういうルールの変化に一般の人はついていけません。そのために株でも不動産でも仮想通貨でもブームのピーク時にはお金のIQの低い人が高値づかみして、結果的に大損することになるのです。損するのは、たいてい情報弱者です

変化したルールに対応するために、世界で何が起きているかということをしっかり見てきましょう

②30年に一度、お金のルールは大激変する


お金のマイナールールは10年に一度変わり、30年に一度、大激変します。

大激変のタイミングでは、情報弱者だけではなく、プロも巻き込まれます。

私の見立てでは、これから始まる大きな変化は30年に1度どころか100年に一度の超ド級の激変の可能性があると感じています。資本主義の成り立ちの根幹を揺さぶることになるでしょう。


欧米では、金融システムが大きく傷んでいます。不動産バブルが最終段階に来ていて、商業不動産から崩れていく可能性があります。

アメリカの財政赤字は膨らみ、数年おきに債務上限問題で「アメリカはデフォルト(債務不履行)か?」とやっていてその度に問題なく延長してきました。

まるで八百長ゲームのようですが、いよいよ限界に近くなってきたのではないかと考えています。これから世界がどうなっていくのか、しっかり見ておきましょう。

いままでは、個人の生活にそこまで影響を与えなかったのが、これから世界の裏側で起きることが一瞬であなたのところに津波のようにやってきます。

いよいよ大変化のときがやってくる。

コロナ以降、先進国は国債を発行して、大量にお金を供給してきました。そのおかげで、一時的なカンフル剤になり、世界中の経済が一時的に上向きましたが、その効果もそろそろ切れてきました。

一例としてコロナの補助金を貯金していた世界中の中間層の人たちの貯金が、ほぼ底をついてきました。

アメリカでは、クレジットカードの残高が初の1兆ドル(145兆円)を超え、延滞率も高くなっています。金利も上がっているので、今後は個人が使えるお金が減って、消費が大幅に落ち込むのは間違いないでしょう。

景気が世界的に減速すれば、インフレは落ち着きますが、今度は逆回転を始めることになります。消費が大幅に下がると物価が下がり、給料が下がり、景気がどんどん悪くなっていきます。

そんな状態で金融システムがダウンすればいよいよ今のシステムが立ち行かなくなります。そうなったときは、どんな新しい仕組みを構築できるのかをテーマにしてG7やG20で何度も話し合いが持たれるでしょう。

万が一のことも考えて、個人として何をしておけばいいのかについて、いまのうちに考えておきたいところです。

では個人のお金に関してはどんな準備をしておけばよいのでしょうか。

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