男と女の東京ミステリー Vol.25

「こんな子だったの?」交際後に発覚した彼女の“あるクセ”。28歳男は心底がっかりし…

人の心は単純ではない。

たとえ友情や恋愛感情によって結ばれている相手でも、時に意見は食い違い、衝突が起きる。

軋轢や確執のなかで、感情は歪められ、別の形を成していく――。

これは、複雑怪奇な人間心理が生み出した、ミステリアスな物語。

▶前回:交際1年で倦怠期を迎えたカップル。一瞬で関係修復に成功した、まさかの切り札とは?


居眠りの代償【前編】


「実は俺さあ、穂香と付き合うことになったんだ」

優大は、テーブルを挟んで向かいに座る和人の表情を窺うようにして告げた。

それを伝えることが、和人を呼び出した理由でもあった。

「あ、そうなんだ。へぇ…」

和人は少し驚いた表情を見せたものの、動揺する様子はなくビールを煽る。

優大と和人、穂香の3人は、同じ私立大学の同じゼミ出身で、卒業後も懇意にしていた。

何かと理由をつけて集まっては、近況を報告し合い、くだらない話で盛り上がる気が置けない仲間だった。

卒業して5年が経ち、気軽な関係が少しずつ変化を遂げ、優大は穂香に告白したのだ。

「やっぱりお前には、直接報告しなきゃって思ってさ」

優大の言葉に、和人はこの事態を予測していたかのように、「ふ~ん」と頷く。

― なんだよ和人。それだけかよ。

優大が穂香に告白したのは、和人の影響が大きいのだ。

このところ、3人で集まった際に、穂香と和人はよくオンラインゲームの話題で共感し合っていた。

優大は、そういったゲームに一切興味がない。

自分のいないところで和人と穂香が距離を縮めていることに、嫉妬をおぼえはじめる。

和人は、スッとした目つきの塩顔。容姿も穂香の好みのような気がしてきて、なんだか焦りを感じる。

― 和人に、穂香をとられたくない…。

優大は、安泰だと思っていた自分たちの関係が、実は絶妙なバランスの上に成り立っていることに気づいていた。

長い期間、良好な関係を保てているのは、それぞれどこかで好意を抱いていることが前提であり、その感情をコントロールしつつ付き合ってきたからだと。

誰かが一歩前に踏み出せば、関係はあっさり崩れ落ちていくであろうとわかっていた。

それでもいい。焦燥感に駆られた優大は、和人よりも先に、穂香に思いを伝えたのだった。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
自分が好きかどうかより、周囲からどう思われるかで穂香と付き合うとか別れるとか決めるのは間違ってると思う。
どこ行っても寝てばかりなんて失礼な奴だけど😂
2024/01/04 05:1739返信1件
No Name
毎回同じ感想しか出てこない。くだらないし後編もどうせ面白くないんだろうなと。
2024/01/04 05:1332
No Name
居眠りは一種の病気だから、病院行ったら?
2024/01/04 06:2131
もっと見る ( 12 件 )

【男と女の東京ミステリー】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo