2011.08.22
ふらりと行きたくなる、カジュアルな名店 Vol.1西荻窪×スパニッシュバル Part1
西荻の日常に溶け込むワインとタパスで
今宵もゆるりといつもの宴。
夕暮れの西荻窪に降り立つ。足を踏み出せば、ものの1分もしないうちに、ディープな横丁に迷い込んだような錯覚に陥るだろう。網目のごとく広がる路地裏には焼鳥、串揚げ、ホルモン……。ちょと小粋で魅力的な店が軒を連ねている。そんなエリアに、今、スパニッシュバルが急増しているという。
バルが西荻窪の街に定着してきたのは、ここ数年のことだ。「焼き鳥屋立ち飲みやって、日本人にとってのバルみたいなものですよね。そんな店が多い街だから、バルも集まり、少しずつ根付いたのかもしれません」とは『西荻バル』の佐藤さん。
「バーホッピングするのが趣味だったんです。その勢いでこの街に店を構えた部分もあるかな」と『西荻スイッチ』の田崎さん。
スペインでは、集まった人数分の件数のバルをハシゴするのが日常の光景。バルからバルへ、バルから焼鳥屋、立ち飲み屋へ。そしてまたバルへ。ちょい飲み横丁感覚の西荻窪の街がスペインの食文化と融け合うのは、きっと自然なことだったのだ。
さて、今宵も1軒目は、タパスとともに軽く一杯と行きますか。
「うちはお洒落バルじゃない。枝豆もハイボールも出しますよ」と、茶目っ気たっぷりに話すのは、店主の田崎季由子さん。そんな気取らぬ空気と田崎さんが作る味に吸い寄せられるように、今宵もひっきりなしに客が訪れる。"枝豆もハイボールも"だが、基本はシンプルなスペインタパスとワイン。例えば、スペイン風オムレツなんて何気ないタパスだけれど、表面はしっかりと焼き目が付くほどに焼き上げ、中はとろりの技あり料理。チーズやズッキーニ、トマトも入って、ひと口ごとにほっこりしてしまう。一事が万事こんな調子だから、ワインも会話もどんどん進んでいくのだ。
店主の佐藤緑さんは、語学留学した際に、すっかりスペインの食文化に魅了され、ついには店を構えるまでになった。「タパスやピンチョスを軽くつまんで、コストパフォーマンスの良いスペインワインをがぶ飲み。それを一晩に何軒もハシゴするのがスペインのスタイル。そんな店のひとつになれればなぁと思って」と佐藤さん。"自分たちが食べたいもの"のシンプルな基準で作るメニューは、枝豆のペペロンチーノや鶏軟骨のガーリック煮など、ひと工夫加えたタパスを中心にアジアや和の料理も。今年3月2日のオープンとまだ日は浅いが、西荻窪の街にしっかりと根を張りはじめている。
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