
希少部位も存分に味わえるモダンな和牛割烹店
「黄金の舌」、略して「金舌」。牛1頭分の舌からわずか200gほどしか取れない舌の根元部分から取る希少部位を、この店ではそう呼んでいる。その「金舌」を30日間熟成させ、厚切りにして串に刺し、炭火で焼いた「三〇日熟成 金舌」は店のスペシャリテ。牛舌と思って食べると驚くほど柔らかく、肉汁は旨みをたっぷり含んでいる。これはほかにはない食感だ。
「金舌」ばかりではない。6㎏のレバーからわずか900gしか取れない「日本一のレバ刺し」もきりっと立った角が鮮度の良さを示していて、約2㎝ほどの分厚さで存分に濃厚な甘みを堪能できる逸品。さらには牛の握り、さがりの藁焼き、味噌を加えた和風デミグラスソースで煮込んだ牛みそ煮込みなど、その引き出しの多いこと。老舗鮨店や和食店で研鑽を積んだ吉田安孝氏が総料理長を務めると聞けば納得。牛肉尽くしでも飽きがこないどころか、ひと口、またひと口と牛肉の新たな一面を発見するという具合に楽しめる。
ソムリエでもある吉田氏によるワインセレクトもすごい。ボルドー、ブルゴーニュの銘醸品からカリフォルニアのカルトワインまでがずらりと揃う。力強さと繊細さを併せ持つ和牛尽くしに合わせるのだから、ちょっと奮発したって後悔はしないはず。料理の品数は豊富、3900円からのセットもありと、至れり尽くせり。ぜひ一度、味わってみてほしい。願わくば極上のワインと共に。