2023.06.21
SPECIAL TALK Vol.105
中学に進学した後も選手として順調に成長
金丸:ちなみに競泳はどうだったんですか?
小谷:正直、選手として大会に出られるレベルではありませんでした。
金丸:では、シンクロ向きだったと?
小谷:性格も合っていたと思います。競泳だと、見える景色はプールの底か天井だけ。でもシンクロは上下左右、いろいろな景色が見られます。
金丸:まあ、退屈だと感じたら、幼稚園の時のように脱走していたかもしれないですね(笑)。しかし、地上で踊るのと違って、水中では呼吸ができません。見るぶんには美しいけれど、やっている側としては大変でしょう。
小谷:それはそれは大変です(笑)。
金丸:小谷さんは、どれくらいの肺活量なんですか?
小谷:当時は、4,500㏄くらいでした。女性の平均が2,500㏄ですから2倍弱ですが、競泳選手には5,000㏄に届くような人もいます。
金丸:意外ですね。あれだけ水中で演技をするので、てっきり競泳選手以上の肺活量なのかと。
小谷:大事なのは、肺活量以上に根性なのかもしれません(笑)。
金丸:しかし、始めてすぐに大会で優勝って、すごいですよね。
小谷:優勝といっても、「10歳以下」の部ですから。当時はシンクロが日本で競技化されたばかりで日が浅く、大会も整備している途中でした。もともと日本選手権は行われていましたが、それに加えて年齢別の大会が始まり、私が出場したのも初めて開催された年齢別大会だったんです。
金丸:では、タイミングが良かったと。
小谷:私、タイミングには恵まれているんですよ。大会初出場もそうですが、シンクロがオリンピック競技になったのも、私が競技者として成熟するタイミングと合っていました。
金丸:小谷さんが活躍される前、日本のシンクロはどのような立ち位置だったのですか?
小谷:強かったですよ。世界選手権ではいつも銅メダルを取っていました。だから「オリンピック競技になったら、絶対にメダルを取れる」といわれていましたね。
金丸:実際に、オリンピックでは表彰台の常連になりましたよね。
小谷:私が出場したのはソウル大会ですが、種目として採用されたのはひとつ前のロサンゼルス大会からです。そのときも本間三和子さんがソロ、木村さえ子さんとのデュエットで、それぞれ銅メダルを獲得されました。
金丸:そこに小谷さんも並ぶわけですが、最初に出場した大会で優勝された後は、どのような道を?
小谷:小学校の時は、あくまでも趣味として週に1、2回通う程度でしたが、中学に上がる時に、将来は選手を目指したい、と思うようになりました。学校帰りに練習に行って、試合が近くなると朝練もやって、ぬれた髪のままで学校に行くような生活を送っていましたね。
金丸:何を目標にされていたんですか?「年齢別を次々優勝していこう」とか?
小谷:そうですね。優勝したことで、いろいろな関係者の方が期待してくださって、「あなたがいずれ日本選手権でチャンピオンになるのを待ってるわよ」って、普通に声をかけられるようになりました。だから、「自分はいつか優勝できるんだろう」と、なんとなく思っていましたね。
金丸:すごい自信ですね。
小谷:ですよね(笑)。そして、中学3年生の時に初めてジュニアの代表になり、国際大会に。
金丸:そこでも優勝?
小谷:いや、3位でした。
金丸:国際大会で3位なら、十分立派です。
小谷:それはそうなんですけど、私としては悔しくて。「トップを目指したい」と強く思うようになり、1年間、留学することを決意しました。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
2024.03.21
Vol.114
~勝負の気持ちから感謝の気持ちに。青森の伝統を守り、盛り上げたい~
2024.02.21
Vol.113
~学問という知的な武器を子どもたちに。学びの体験をアップデートして日本を変える~
2024.01.19
Vol.112
~庭師として素晴らしい日本文化を守り、次の世代へと伝えていきたい~
2023.12.21
Vol.111
~いつだって新しい人に出会いたい。シンプルな好奇心が新たな交流を生んだ~
2023.11.21
Vol.110
~自分が飲みたい日本酒で世界に挑戦し、日本酒業界に革命を起こしたい~
2023.10.20
Vol.109
~世界で一番愛される字を書きたい。世界を舞台に活躍する書道家へ~
2023.09.21
Vol.108
~ピアノや音楽をもっと自由に、多くの人が慣習にとらわれず楽しんでほしい~
2023.08.21
Vol.107
~未曽有の事態に直面して生まれた医療の新しいカタチ~
2023.07.21
Vol.106
~日本における医療の弱みはウェルビーイングの浸透で改善できる~
おすすめ記事
2023.05.19
SPECIAL TALK Vol.104
~病気に苦しむ人だけではなく、日本の医療界を救う医者になりたい~
- PR
2024.05.14
「彼とのデートがマンネリ気味で…」今週末行くべきは、非日常を味わえる有名店ばかりのグルメフェス!
2019.12.20
ワイワイ気軽な飲み会に!渋谷・恵比寿・目黒のおしゃれな人気店
恵比寿で飲み会なら個室でワイワイ盛り上がろう!仲が深まる名店6選
2015.05.22
千寿に萬寿!レアな久保田を飲み比べできる 直営店が銀座にオープン!
2023.06.20
ハラスメント探偵~解決編~
「突然のリモート会議で上司から顔出しを強要された!」これってパワハラ?
2015.11.27
金曜美女劇場
伝説と呼ばれた銀座の美ママが語る“出世する男”の条件とは?
2017.07.18
あるようでなかった!六本木・恵比寿できちんと接待に使える名店4選
2023.07.19
ハラスメント探偵~解決編~
「お仕事できないんでちゅか?」と嘲笑う、スーパー上司のやりたい放題に限界!匿名の内部通報の結末
2023.06.03
「銀座で食事会」なら、思いっきりゴージャスに!個室でゆったり寛げるレストラン4選
2015.08.10
話題の企業の仕掛人たちがリアルに通い詰める常連店8選
東京カレンダーショッピング
『秋田かまくらミート』:秋田を代表するブランド牛「秋田由利牛」!サシの美しい上質なしゃぶしゃぶ用サーロイン
『肉のABCフーズ』:黒トリュフ塩付!牛タン&A5ランク黒毛和牛を使った極上ハンバーグ
『パンツェロッティ』:具材ごろごろボリューミー!フレッシュな野菜と肉感満載のフライドピッツァ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
『レザンファンギャテ』:しっとりと濃厚で、コクのあるニューヨークスタイルのチーズケーキ
『ル・ボヌール 芦屋』:しっとりサクサク!フリーズドライ苺にホワイトチョコをたっぷりと浸透させた新感覚スイーツ
ロングヒット記事
2024.05.08
東京レストラン・ストーリー
いつも“片耳イヤホン”の29歳彼氏。彼女が「やめて」と指摘したら険悪な雰囲気になり…
2024.05.12
Editor's Choice~life style~
今日5/12が母の日って忘れてない?今すぐ贈れるギフトで癒やし体験をプレゼント
2024.05.07
Editor's Choice~hotel~
夏はすぐそこ!思いっきり非日常を味わえる海外のラグジュアリーホテル3選
2024.05.09
Editor's Choice~beauty & wellness~
母の日に贈るプレゼントは、もう決めた?今からの購入でも間に合う、限定ギフトボックス3選
2024.05.10
大人の週末ToDoリスト
ジョン・レノンのプライベートに迫る映画や、タイフードを楽しめるフェスなど、今週末のイベント3選