2023.05.30
毎号、いろいろな街を隈なくリサーチする東カレ編集部員たち。
ワインバーに合う餃子や、おひとり様ピザ、バターを包んだチキンフライなど、
グルメ編集者が個人的に刺さった店を、“独断と偏見”を持って6軒ご紹介!
「無駄な酒は飲まない、お菓子を食べない、暇な夜は野菜&肉だけ、ウォーキングは毎日」という私なりのダイエットを敢行中。痩せるのか?乞うご期待!?
洒落たワインバーのような空間で、餃子。そのミスマッチが心地いい
近々の移動は電動自転車である「MATE.BIKE」でしている。家のある三宿からなら、今回の取材対象エリアである奥目黒は、MATE.BIKEこそ最良なわけで。
三宿通りを駒沢通りで右に行けば、学芸大学エリアなのだが、そこで見つけたのが、この『ピセロ』。
外観がつとにお洒落。ただ、何の店かわからず、後日予約してタクシーで向かってみたら、店主は点心を得意とするという。
“焼き”と“蒸し”の餃子を頼み、お薦めのグラスワインとともに食せば、納得、美味しい。
皮は自家製、具はオーセンティック、当たり前のことを丁寧にやると、美味しくなる好例のような餃子に感動した。
今度は、お願いして、貸し切り餃子ナイトをしようと思う。
メニューは毎日、手書きで更新。
食材の仕入れによって、その日のメニューを考えるからだそう。
「自家製紅麴のささみ揚げ」900円。紅麴によって驚くほどふっくらした食感に。
点心だけでなく、こういった気の利いた一品があるのも素晴らしい。
店主の姉がインテリアデザイナーで、壁紙にそのセンスが光る。
ちなみに「ピセロ」は蒸籠(セイロ)をもじったとか。
店主の麦野詩碧さんは、祐天寺生まれと、生粋の奥目黒民!小麦粉料理を台湾の専門学校で学び、2005年に同店をオープン。
ワインのセレクトは「とにかく中華に合う」が基準。ボトルは4,000円~とお値打ち。
■店舗概要
店名:ピセロ
住所:目黒区鷹番3-19-19
TEL:03-3760-8860
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜、不定休
席数:カウンター6席、テーブル2席
東カレ歴7年目。入社当初「取材に行くたびに美味しい料理が食べられるんだぜ」と自慢していたのは遠い昔。二児の父、弱っている場合じゃない!
食の細い私でもピザだけでなく肉も楽しめるのが嬉しいかぎり
グルメ編集者が皆、大食漢だと思ってはいけない。私も、もう46歳。胃腸も弱くなってきた……。
そんな私が、歓喜したピザ屋は祐天寺の行きつけのバーに向かう道中にあった。
ナポリの老舗「ステファノフェラーラ」の薪窯。蓄熱性が高く、カリッともっちりのピザを焼ける。
ガラス張りのエントランスからはタイル張りの薪釜が見え、美味しい予感。
本格的なピザはデカいことを私は経験から知ってはいたが、グルメ編集者の端くれとして入店した。
そして「マルゲリータ・プラス」を頼んだ。当たりだった。
目分25センチ程度の小ぶりサイズ。
食べると塩味が程よい生地にさらりと甘いフルーツトマトと濃厚なチーズが見事に調和した本格的な味わい。
岩手県産、白金豚の「ポルケッタ」2,310円。
聞けば、ピザ以外のメニューはハーフにも対応してくれるのだとか。
「奥目黒」の懐の深さに感激した。
■店舗概要
店名:NOT A PIZZA
住所:目黒区祐天寺2-4-13 祐天寺ビル 1F
TEL:03-6625-5588
営業時間:【月・水・木・日】ランチ 11:30~15:00
ディナー 17:00~22:00
【金・土】ランチ 11:30~15:00
ディナー 17:00~23:00
定休日:火曜
席数:テーブル28席、カウンター12席
ちなみに……行きつけのバーはここ!『BAR NIKENME』
祐天寺駅から徒歩10分。駒沢通り沿いにあるバー。
いつも私が伺うと90年代のロックをいい音で聴かせてくれる。シェードピンクの漆喰壁を背にカウンターで飲むハイボールが最高。
■店舗概要
店名:BAR NIKENME
住所:目黒区祐天寺1-15-5 2F
TEL:090-9147-8754
営業時間:20:00~26:00
定休日:日曜
席数:16席
4月は奥目黒を訪れる機会が多く、その魅力に触れた。柿の木坂付近の下りては上る長い坂道をチャリで爆走し、「ゆず」の『夏色』な気分になった(古っ)!
温もりある白壁や木、美しき料理と、いるだけでセンスが研ぎ澄まされていく
基本、選ぶ食事といえば、糖と脂が主体で、目を瞑ってもそれらを選べる自負がある。つまり、慢性的に野菜不足であり、なんなら避けている。
そんな私が訪れた『hugo』だったが、どのお皿も、食べては「付け合わせの野菜旨っ!」と声が漏れた。
前菜の「花ズッキーニのフリットとホタルイカ 大豆のフムス」2,000円。
コクの深い味わいに驚く「真鯛の蒸し焼き 黒キャベツとリコッタチーズのペースト」2,200円。
前菜にせよ、メインのお肉や魚にせよ、複数の野菜が手を替え品を替え添えられ、抜群に調和している。存在感が凄いのだ。
店主にそれを伝えると「むしろ野菜を食べてもらうためにやっています」と。私の舌も捨てたもんじゃない。
盛り付けも美しく、空間も素敵。料理写真を見返す度に、野菜の余韻がよみがえるって、私史上、初かもしれません!
野菜を生かすような優しいセレクト。
訪れた際サービスの方のワインの説明が実に納得感をそそる語り口だったので、ぜひ体験されたし。
グラス 1,100円~、ボトル 6,600円~。
店主の佐々木啓太さん。フランス南西部での修業を経て、代々木上原『Gris』の立ち上げなどを行い、2017年に『hugo』をオープン。
千葉の「サンバファーム」や静岡の「北山農園」などから無農薬の野菜を仕入れる。
■店舗概要
店名:hugo
住所:目黒区中根2-13-20 内田ビル 2F
TEL:03-5726-9728
営業時間:【月・木・金】18:00~(L.O.20:30)
【土・日】ランチ 12:00~(L.O.13:00)
ディナー 18:00~(L.O.20:30)
定休日:火曜、水曜
席数:テーブル16席
東カレ歴は5月で4年目に突入。美味しいごはんに負けないくらい、筋トレが好き。高重量トレーニングで発症しがちな、ぎっくり腰を何よりも恐れている。
「目黒通り」を越えた路地で出合う清楚な店構えに自ずと高まる期待感
「奥目黒」の店選定で私が頼ったのは、八雲育ちのグルメな友人。
彼女には食の編集者になる前から『八雲茶寮』など、このエリアで愛されるお店を教えてもらってきた。そんな彼女が今回紹介してくれたのが同店だ。
駅から離れた隠れ家的立地で、小ぢんまりとした店内はアットホームな雰囲気。
厨房で腕を振るうのが、『中国料理 北京』などで料理長を務めた川角徳聖さん。
コースでは北京、広東、四川と各地の個性を取り入れた料理が次々に登場。
いちごとアップルマンゴーを忍ばせ、酸味と甘みを加えた「北京ダック」。
「山海珍味の蒸しスープ」。
フカヒレや乾燥ナマコなど多彩な高級乾物が滋味を奏でる。
本格的だけどどこかホッとする味わいで、まさに“住宅街のいい店”ってこういうことだよなぁと感激!
町中華によって昨年起こった私の中華ブームに、再び火がついたのだった。
絶品麻婆豆腐を〆用に追加!
この日コースには入っていなかったが、川角さんが『重慶飯店』出身と聞いて「四川風麻婆豆腐」(1,540円)を追加注文。
山椒がガツンと効いていて白飯が無限に進む!
■店舗概要
店名:京華菜 清香
住所:目黒区八雲1-11-18
TEL:03-6421-1421
営業時間:18:00~22:00 ※予約制
定休日:不定休
席数:カウンター4席、テーブル10席
編集部最年少の新人部員。情報を集めるべく、グルメ巡りに精を出し過ぎたせいか体型に変化が……。最近は体を引き締めようと、筋トレに励んでいる。
旨みを引き立たせた多彩なラムの調理法に食への好奇心が刺激される
入部1ヶ月の頃に出合ったこのお店のおかげで、食の引き出しがひとつ増えた。
お肉といえば、牛・豚・鶏の選択肢しかなく、羊に関しては興味がなかったのだが、ここのラム料理に衝撃を受ける。
炭火で焼かれた、香ばしく旨みの強いラムチョップからはじまり、中華風にアレンジされた麻辣仕立てのよだれラムなど、概念が変わる多種多様なメニューを体験し、ラムの奥深さを知ることになった。
ラムの旨みと麻辣の辛味が絶妙に絡み合った「よだれラム-温製麻辣仕立て-」880円。
ラムを燻製した「自家製ジャーキー」(620円)は、水分を調節しジューシーさを残す。
店主の気さくな感じも心地良く、燻製のこだわりや音楽のことなんかで話が弾んだ楽しい夜。
ラムはヘルシーで女性人気も高いし、「祐天寺でラム」って誘い文句として強いのでは?なんて、そっちの引き出しも増えたことだし、帰り道、スッとLINEを開いた。
軽快な飲み口とジューシーな果実味を感じる「ジャジャ」グラス 900円(右)。
さわやかな甘みと柑橘のような後味の「タンジェリン ドリーム」グラス 1,100円(左)など、ラムの旨みを引き立てるワインをそろえる。
お店に入るとすぐにカウンターが広がり、その奥にはテーブル席も備える。
店内のインテリアはウッド調で統一され、温かみのある雰囲気を演出。居心地が良く、ついつい長居をしたくなる。
オススメの席はカウンターの左端。
ラムが炭火で焼かれる様を目の前で見られて、漂う香りに食欲がそそられる。
行くたびに音楽好きの店主オススメの曲が僕のプレイリストに追加される
幅広い音楽ジャンルをカバーしている店主。
最近ハマっているというドラマーのYussef Dayesの楽曲や2000年代に活躍した嶋野百恵などをオススメしてくれた。
■店舗概要
店名:LambCHAN
住所:目黒区上目黒4-9-4
TEL:03-5734-1814
営業時間:17:00~(L.O.22:30)
定休日:月曜
席数:カウンター8席、テーブル6席
港区在住歴10年のママ編集者。徒歩圏内に六本木、麻布十番といった美食エリアがあるため、「頑張った自分にご褒美♡」を合言葉に、グルメ活動を楽しんでいる。
本格的な江戸料理から子ども用の裏メニューまで。親子それぞれが楽しめるのが嬉しい♡
とにかく忙しい……。昼は仕事、夜は元気を持て余す娘の世話に追われる毎日。そして、頭に浮かぶ「限界」の文字。
そんな疲れ果てた夜、私は気分転換に娘と外食を楽しむ。『食堂モリサワ』は、癒やされたい夜にこそ行きたい店だ。
実は店主の森沢のり子さんは、名だたる大企業のCMのフードコーディネーターを担当している凄い方。
「CMでは、『美味しそう』とは言われても、『美味しい』って言われる機会は少なくて。だから、お店を始めたの」
そう語る森沢さんが作る料理には、胸に染み渡るような優しい旨みがある。
子ども用の裏メニュー「ロールキャベツ」1,100円(要予約)は娘も絶賛!
煮ても硬くなりにくいまぐろの部位をまぐろ節でとった出汁を甘めに仕上げたつゆで煮込んだ「ねぎま鍋」1人前 3,850円(写真は2~3人前)。
〆にはたっぷりの胡椒をかけた「胡椒メシ」がおすすめ。
私は、そんな森沢さんの料理を肴にキンキンのビールを飲み、娘は大好きなコーラを頼む。
思い思いに過ごす時間が、私を支えている。
美味しさに惚れたというイスラエルワインも扱う。
「美味しいと思ったものを提供したいので、酒も料理もジャンルにこだわりません。この赤はねぎま鍋にも合いますよ」
「祐天寺はお子様連れのお客様が多いから」と、子どもと親で並んで座りやすいベンチも用意されているのが嬉しい!
「暖かくなると、ココでワインを楽しむお客様もいるから」とテラス席も。
■店舗概要
店名:食堂モリサワ
住所:目黒区祐天寺1-22-2 アイエムビル 1F
TEL:03-5724-3585
営業時間:【月・水~金】18:00~(L.O.21:00)
【土・日】ランチ 12:00~14:00
ディナー 18:00~(L.O.21:00)
定休日:火曜、不定休
席数:カウンター5席、テーブル7席
今月の『東京カレンダー』は「奥目黒の磁力」特集。前号の「目黒」特集に引き続き、目黒の魅力をさらに深掘り。
東カレの推しエリア「目黒」の奥地を知れば、東京はもっと面白くなる!
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※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今号は5/19(金)から。
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