2015.11.27
2001年に発生した「牛海綿状脳症(BSE)」問題により、10年以上の間日本では欧州産牛肉を口にすることができなかった。が、2013年に「30カ月齢以下」のフランス産と、「12カ月齢」のオランダ産に限り、輸入が再開。ここから、欧州牛が再びテーブルに登場するようになってきた。
日本産、あるいはUSビーフやOZビーフとはまた違った、風味の豊かさや深い味わいを愛するグルマンも多いことだろう。そしてこの秋、フランスの銘柄牛「リムーザン牛」を引っさげて、パリの名店『ユーゴ デノワイエ』が上陸。欧州牛のますますの盛り上がりは必至!
ここでは、肉の名店5軒がこだわる注目の欧州ブランド牛とその激ウマの肉料理を紹介しよう。
※こちらの店舗は現在休業中です。
“台風の目”ユーゴデノワイエの魅力とは?
『HUGO DESNOYER 恵比寿店』
「パリの『ユーゴ デノワイエ』が東京にやってくる!」という第一報が届いて以来、ミートラヴァーたちは首を長くして開店を待っていたわけだが、ついに!とうとう!2015年11月4日にグランドオープン。フランスの「リムーザン牛」をメインに、ユーゴ氏の厳しいジャッジをクリアした熊本のあか牛なども扱う。
昨今の肉ブームで「赤身肉」「熟成肉」の魅力に開眼した日本人を狙いすましたかのように、“肉の本場”の名店が登場とあって、2階のメインダイニングはすでに年内の予約はいっぱい、というフィーバーぶりだが、1階のミートバーなら当日でも入れる可能性大。狙い目だ。
“リムーザン牛”の炭火焼き+ひと手間で味わう
『Restaurant Unique』
「シャロレー牛やオーブラック牛など、フランスから入ってくる牛肉はどれもひと通り使ってみましたが、僕はこれが一番好きだな、と思いました。香りが、フランスらしいんですよ」と語るシェフ・中井雅明氏。
ダイナミズムとボリューム感にあふれた肉料理が評判のシェフだけに、やはり欧州牛には一目置いているという。扱っているリムーザン牛は、つぶして2 週間くらいの状態。
「総じて赤身が強いので、調理の仕方としては炭の香りをつけながら中まで温めつつ、表面はカリッと仕上げるイメージですね。炭火は、ガス+フライパンで焼くのと違い、遠赤外線の効果で熱の入り方がゆるやか。肉にストレスをかけずに焼けると思います」。
ミルキーな風味漂うリムーザン牛に玉ねぎのコクのある甘さが、よく合う。
“ブロン・ド・アキテーヌ牛”のローストは要予約!
『AZURE45』
料理長・宮崎慎太郎氏のスペシャリテとなりつつある肉料理に、フランス産乳飲み仔牛「ヴォースーラメール」のロースト、という一品がある。ボルドー生まれでミルクの香りが漂うほどの非常にデリケートな肉を、ごく軽い火入れでロゼ色に仕上げて、ミルクの泡や季節の野菜などを添えた美しい主菜だ。
丸の内『オー・グー・ドゥ・ジュール ヌーヴェルエール』のシェフを開店から7年務めた後、2014年5月末、こちらの料理長に就任。着々と評判を高めている。
以前から希少な欧州牛を扱っている宮崎氏が、この秋から注目しているのがブロン・ド・アキテーヌ牛。月齢の規制があり、現地での熟成具合にやや個体差があるとしつつも、今後新たな看板素材にしていきたい、という意気込みだ。繊細な肉をさらに高貴な一品に昇華させる手腕は見事。
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