代々木上原在住歴45年の平野レミが、夫・和田 誠と通ったお気に入りのレストランとは?

お気に入りのレストランで週に1回は外食をする


週に1回は外食もするというレミさん。“上原”には味もセンスも優れた店が多いが、その理由に心当たりは?

「いいお客さんが多いからじゃないかな。あるシェフが言っていたの。“安くすると逆に人が入らないんですよ"って。

代々木上原というステータスがあって、価格もまずまずの方がお客さんも入りやすいみたい。あれは驚いたわね。食べ慣れた人も多いから、美味しくないと続かないのもあると思う」

ステーキなら『モンブッフ』、イタリアンなら『グーイタリアーノ』、蕎麦なら『山せみ』、和食なら『一楓』と、お気に入りの店は数知れず。

その中でも、特別な感情を抱くのが『ジーテン』だ。1999年から現在の場所で続く中華料理店で、店名は店主・吉田さんの苗字の北京語読みである。

レストラン『ジーテン』
~中華でホッとひと息つける特別な一軒~


「中華は化学調味料を使うお店も多いけど、ここは無添加で優しい味。特に好きなのは、鴨の燻製揚げと蒸し豚かな。ここのカウンターは、いつ行っても落ち着くの」



「線路の反対側にあった時から通ってる。体に優しい中華で、安心して食べられるし本当に美味しい。和田さんとしょっちゅう行ってはカウンターで食べてたな。

この店では友達に会うことも多いし、お医者さんとか弁護士さんとかいろんな人がくるから、行けば何か問題があっても解決!みたいな雰囲気。

でも私は和田さんが死んじゃった後は悲しくて長いこと行けなかった。4年くらいかな。でも、吉田さんは街で会うと“レミさん!”って声をかけてくれる。いい人よね。普通、4年も行っていない人に挨拶しないよね」

長いブランクを経て、再訪したのは偶然にもこの取材の2日前。同店では近所に住む作家やデザイナー、アーティストの友人との思い出も多いとか。

レミさんの家族をはじめ、代々木上原にはモノ作りに携わる人も多く住んでいるのだ。それは人の創作意欲を持続させる心地よさと、上質なものがそろっているからかもしれない。

今、引っ越しを考えている人にもオススメする。

「代々木上原は本当に住みやすい街。マンションの家賃はちょっと高いけど、幡ヶ谷の方に行けば急に安くなる。例えば、幡ヶ谷に住んで“上原”をベースにするのもあり。

幡ヶ谷から歩くと、かき氷屋さん(『KON』)やパティシエのお店(『Equal』)もあって、パン屋さん(『カタネベーカリー』)を過ぎて代々木上原の商店街にぶつかるからいい散歩になる。

散歩でいうなら『ジーテン』のある道を“八幡”から“上原"までぶらぶら行く人もいるし、その道も面白いの」

よく歩き、美味しいものと優しい人に囲まれることが、レミさんが代々木上原を楽しむためのルール。

この話を参考に、まだなじみの薄い人は一度、幡ヶ谷か代々木八幡から歩いてみては。

■プロフィール
平野レミ 東京都出身。シャンソン歌手。主婦としての経験を生かしたアイデア料理を次々と発信し、料理愛好家としてお茶の間で人気者となる。53品のオリジナルレシピを収録した、最新のお料理エッセイ『エプロン手帖』(ポプラ社)が好評発売中。


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