SPECIAL TALK Vol.101

~地方から日本を変えていきたい。上京しても忘れなかった原体験がある~

令和のニューリーダーたちへ


2012年から約8年間、政府の屋台骨である内閣官房長官として奮戦し、安倍晋三氏の退陣後は、第99代内閣総理大臣を務めた菅 義偉氏。

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ワクチン接種の体制整備を推進したほか、携帯電話料金の大幅値下げや不妊治療の保険適用、デジタル庁発足、オンライン診療解禁など、384日の在任期間中にさまざまな改革を行い、未来への道筋を付けた。

政界きっての仕事人と評される菅氏。困難な状況でも諦めず立ち向かい続けるその原動力は、どこから生まれているのか。

菅 義偉氏 1948年秋田県生まれ。高校卒業後上京。1973年法政大学法学部卒業。衆議院議員秘書、横浜市議2期を経て、1996年衆議院議員選挙で初当選(以後9期連続小選挙区当選)。2006年9月、総務大臣に就任し、「ふるさと納税」を創設。その後、自民党選挙対策総局長、自民党組織運動本部長、自民党幹事長代行等を経て、2012年12月、第2次安倍内閣の内閣官房長官に就任。他に国家安全保障強化担当大臣や沖縄基地負担軽減担当大臣、拉致問題担当大臣を務める。2019年4月1日に新元号「令和」を発表。2020年9月から2021年10月まで、自由民主党総裁、第99代内閣総理大臣を務める。


金丸:本日は前内閣総理大臣で衆議院議員の菅 義偉さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。

菅:こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。

金丸:今日の対談の舞台は南青山の『伯雲』です。ミシュランの三ツ星『龍吟』で料理長を務めた坂本慎吾さんが独立し、おととし1月にオープン。「ミシュランガイド東京 2022」では早速1ツ星を獲得されています。

菅:こんな素晴らしいお店でごちそうをいただきながら、金丸さんとお話しできるなんて最高ですよ(笑)。

金丸:じっくりお話しするのはお久しぶりですね。私は民間人のメンバーとして規制改革会議に参画し、菅さんや安倍晋三さんと一緒に、長いことお仕事をさせていただきました。

菅:金丸さんのご活躍のおかげで、既得権益や省庁の縦割り主義を打破して、いろいろな分野で改革が進みました。

金丸:大変でしたが、その成果を見ると、やってよかったなと思います。ただ、残念なことに、安倍さんが昨年亡くなられました。

菅:無念だったろうと思います。まだまだご活躍いただきたかった。

金丸:私も国葬に参列しましたが、菅さんの弔辞に心が揺さぶられました。菅さんは、友人代表として安倍元総理に語りかけられました。

《総理、あなたは一度、持病が悪くなって、総理の座を退きました。そのことを負い目に思って、2度目の自民党総裁選出馬をずいぶんと迷っておられました。最後には、ふたりで銀座の焼き鳥店に行き、私は一生懸命あなたを口説きました。それが使命だと思ったからです。3時間後にはようやく、首をタテに振ってくれた。私はこのことを、菅 義偉生涯最大の達成として、いつまでも誇らしく思うであろうと思います》

安倍さんへの思い、そしてお話しされたシーンの全てが目に浮かび、思わず涙があふれました。ただ、安倍さんを失ったことをいつまでも嘆いてはいられません。やはり未来に目を向けないと。今日は菅さんの生い立ちから、安倍・菅政権時代に成し遂げたこと、そして日本の将来まで、じっくり聞かせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

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