人生のステージが変わるたび、女の友情はカタチを変える。
そしてドラマの舞台も…。夜の港区から、昼の港区に変わるのだ。
20代は深夜の西麻布で、30代は昼の麻布で。女たちは時に嫉妬し、時に優越感に浸る。
これは大人になった女たちが港区で繰り広げる、デイゲーム。
「港区デイゲーム」一挙に全話おさらい!
第1話:夜遊び仲間の“悪友”に7年ぶりに再会。環境が変わっても女の友情は成立する?
「なんとなく、ふたりに会えるような気がして出席にしたんだよね」
「え!私も」
「やだ。私もなんだけど」
たいして仲良くない新婦の結婚式で意気投合した私たちは、何度も乾杯をした。
この時は、ただこの同窓会のような時間を楽しもうと思っていた。ふたりとの再会が、マンネリしていた毎日をガラりと変えてくれるなんて、予想もしていなかったから。
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第2話:「有明タワマンには興味ない!」子ありでも“港区在住”にこだわる、32歳女の水面下バトル
「サトミの子とうちの子、小さいのがふたりいるの可愛すぎる~!」
「ね!たくさん写真撮ろっ」
1歳0ヶ月と、1歳1ヶ月。月齢1ヶ月違いの赤子がふたり並ぶ姿は、予想以上に平和な光景だった。
優子の娘は人見知りで最初は泣いたものの、すぐに慣れて、息子と一緒に積み木を触っている。
そんな微笑ましい光景を見ながら飲むお酒は、最高だ。ひとりで飲むより全然楽しい。やっぱり優子を誘ってよかった。この時は心からそう思っていたのだが…。
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第3話:「友達の夫との密会はルール違反でしょ!」独身女を問い詰めると、絶句するような返答が…
― もう~~~。まだ仕事してるのかな。
時刻は21時。菜々緒の仕事はWEBデザイナー。単なる事務職ではないし、案件によっては残業もあるだろう。
でも、私は早く連絡が欲しかった。優子の夫である堀井平蔵から、「平日に会えないかな?」という趣旨のやや長文のメッセージをもらったまま、既読スルーしているからだ。
スマホを持ってリビングに向かうと、ようやく菜々緒から返事が来たのだが、その内容は想像したものと違っていた。
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第4話:子守を夫に任せて外出した妻が、帰宅後に見た最悪な光景「こんなこと…ありえない!」
「ちょっと、起きて!!」
私はリビングに入るなり、大声で夫を怒鳴りつけた。なのに夫は寝ぼけているのか「うーん」とうなるばかりで起きる気配がない。
土曜日の昼。友達の菜々緒と出かけていた数時間、1歳の息子は夫に預けていた。いつもより長く家を空けてしまったのが悪かったかもしれない。しかし…。
帰宅後に待ち受けていたのは、あまりにも悲惨な景色だった。
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第5話:「自由がない」子持ち女。「孤独」な独身女。32歳女たちを襲うリアルな閉塞感の正体
菜々緒に目配せをし、2人を見送った。私は、部屋の冷蔵庫からクラフトビールを取り出し、グラスに注ぐ。
子どもたちは、お互いをどことなく意識しながら、部屋の中を動き回り遊んでいる。
― 私も、優子に話さなきゃなぁ…。
先日1人で飲みにいった時、優子の夫である堀井平蔵が、“新婦ちゃん”こと、既婚の女性と一緒にいるのを見てしまったのだ。
これは女の勘だが、2人は仕事の関係性ではない気がした。少なくとも、友達以上の距離感だったから。
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第6話:夫に内緒で男と高級鮨デート。しかし、2軒目に誘われず撃沈…女が何気なくやってしまった失態とは?
私たちは恵比寿にある『松栄』に来ていた。「おいしい日本酒を飲みたい」とリクエストしたら、平蔵が予約してくれたのだ。
― ずっと気になってたお店なんだよね~。
私は内心ラッキーと思いながら、鮨に合うというシャンパンで乾杯し、お互いの子どもや優子の話で会話をつないだ。
平蔵は、たしかに女性の扱い方に慣れている感じはある。だが、突出して“女好き”なところは、今のところ見つからない。
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第7話:「出張中の夫が、なぜこのホテルに…?」32歳妻が男の嘘を見抜くために画策したコトとは
優子の顔はなんだか暗く、化粧もしていない。夫の平蔵は、娘ちゃんと出かけたのだろうか。家にはいなかった。そのただならぬ様子に、私は菜々緒と顔を見合わせた。
「あ、サトミの息子ちゃんは、お留守番なんだね」
「うん。今日は、家で見てもらっているの。そんなことより、緊急事態って?」
私は、優子に迫った。
「うん…これ、見てほしいんだけど」
そう言って優子は、MacBookの画面をこちらに見せた。
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第8話:結婚式前夜、夫以外の男とスイートルームに泊まった花嫁。夫にバレたあと、女に下された天罰とは
「じゃあ、本題に入るけど」
私はそう切り出して、昨夜見つけたリリカのInstagramの投稿を菜々緒に見せた。
「うっわ!これ、載せちゃうんだ」
菜々緒は、あからさまに引いている。この写真からわかることは、リリカが結婚式の前日に誰かとホテルのスイートルームに泊まっていたこと。
そして、そのホテルが、平蔵が泊まっていたホテルと同じだということだ。
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第9話:「ねえ構って」結婚して5年経つ今も、妻を頻繁に誘う夫。でもその背景には“あり得ない理由”が
平蔵の浮気疑惑が浮上し、私と菜々緒は、優子のために何かできないかと考えた。そこで、私は提案した。
一緒に平蔵を問い詰めよう、と。
お節介なのはわかっている。だから、優子が難色を示せばすぐに引こうと思っていた。でも、彼女は私たちに助けを求めてくれた。
それならば!と、子どもの合同誕生日会と称して、優子の家に集まったのだ。
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第10話:夫が派遣社員と浮気…「経済力がないと離婚できない」悲しき現実に気づいた、専業主婦の決断
「ねえ菜々緒。優子が私と同じように専業主婦だったとしたら…、平蔵さんは浮気したと思う?」
私は菜々緒に聞いてみたが、彼女はイマイチ、ピンときてないようだ。
優子は今は育休中だが、共働きだ。それに比べて私は専業主婦。
うちは夫の稼ぎだけで港区に住み続けていて、それがもしかしたら、夫の一種の征服感を満たしているかもしれないと思ったのだ。
気づかないうちに「俺は、専業主婦の妻を養ってやっている」という気分にさせているのかも、と。
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第11話:夫の浮気相手と直接対決。女に徹底的なダメージを与えた、妻の予想外の一言とは?
私たちは3人ともそれなりのブランドの服に、靴やバッグも高価なものを合わせてきた。それと比べると、リリカはかなり見劣りする。
それに気づいているのか、彼女は私たちと目を合わせることなく、席に腰を下ろした。
「武装してきたのは正解だったね」
菜々緒が耳打ちしたので、私は返事をする代わりにニコッと笑ってみせた。リリカは、店員に紅茶を注文し、一呼吸するとまっすぐに優子を見て言う。
「優子さん、平蔵さんと別れてくれませんか?」
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