「話題の新店、行ってみない?」デートで女性をときめかせる最旬レストラン4選

3.ジビエ料理の美味しさを教えてくれる名フレンチ@西麻布
『ラミ・デュ・ヴァン・エノ N』


2022/9/5 OPEN

フランス産青首鴨「コルベール」はジビエの代表格。もも肉、むね肉、内臓類などの部位を異なる火入れで。コルベールの骨から取る出汁やワイン、豚の血などで仕上げるソースは艷やか、かつ重層的な味わいが醍醐味。料理はコース(22,000円)の一例


ジビエのオーソリティによる、フランス料理ならではの力強い品々に陶酔する


1997年、神宮前にオープンしたフレンチレストラン『ラミ・デュ・ヴァン・エノ』。

シェフ・榎本 実さんによる骨太なジビエ料理が評判となり、17年間にわたってゲストを満足させてきたが、2014年に惜しまれつつクローズした。

あれから、8年。2022年9月、榎本シェフが再びレストランの厨房に立つ、という朗報が舞い込んだ。

新たなステージに選んだ地は西麻布。店名は“新しい”という意味のフランス語「Nouveau」の頭文字を添え『ラミ・デュ・ヴァン・エノ N』に。

大切な人とは特別なフレンチへ。ジビエとワインのマリアージュをここで知る

ダイニングは窓側と厨房側、2つのスペースに分かれており、厨房側の空間ではシェフが料理を仕上げる姿が眼前に。店の奥へと誘う壁面には、鏡を多用。シャンデリアの光と相まって華やかな雰囲気だ。


料理にも、時代に即した変化が見られる。

まず、ひと皿ごとのボリュームを以前よりも控え、その分皿数を増やしたおまかせコースのみに。

しかも、牛スネ&鶏の出汁をメインとしてさまざまな出汁の旨みを融合させた、「50℃ 仏 和のコラボ」と題したスープからスタート。

そして主役のジビエは、熟成期間を長くしすぎないことで、複雑味を湛えつつ軽やかな食後感に仕上げることに心を砕く。

練達だからこそ、緩急自在。その技を堪能したい。


前菜にもジビエを、という声から生まれた「雷鳥のビスク」。

焼いて、煮て、粉砕して……、気が遠くなるような行程を経て完成する。


「鴨の燻製のムース」は、華やかなモンブラン仕立てに。

バターナッツの絞り出しの中に、ピレネー産サラミやクルミと合わせた鴨肉が潜んでいる。


ソムリエの富永直人さんが選んだコルベールに合う1本は、ニュイ・サン・ジョルジュ。

「今のシェフの料理には、エレガントなブルゴーニュがマッチします」


64歳にして、再び現場で腕を振るうことに。

フランス料理への冷めやらぬ想いから「人生最後の挑戦」と、オープンを決意したという。

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