2022.12.21
SPECIAL TALK Vol.99
SF好きの少年時代。話の合う友人がいなかった
金丸:早速ですが、お生まれはどちらですか。
稲見:生まれは東京の千代田区で、育ちは葛飾区です。
金丸:千代田区のお生まれですか。日本のど真ん中ですね。
稲見:たまたま私が生まれたとき、親が公務員宿舎にいた、というだけなんですけどね。
金丸:お父様は公務員をなされていたんですね。
稲見:はい、公立高校の教員です。母も小学校の教員でした。両親だけじゃなくて、祖父の代から教員の一家というか、親戚も先生ばっかりで。
金丸:教員一家のなかで、東大教授になった稲見さんは際立った存在じゃないですか。
稲見:親から「教職の免許を取れ」ってさんざん言われても、なりたくなくて逃げ回ったんですけどね。
金丸:でもなっちゃった(笑)。大学教授に教員免許は関係ないですからね。
稲見:結婚するときに妻の実家に挨拶に行ったら、実は妻の両親も教師ということがわかって。
金丸:逃れられない運命(笑)。だけど、ご両親が先生だと、なんとなくですが苦労もあったんじゃないでしょうか。
稲見:いろいろな生徒を見ているので、私の努力が足りないとか、そういうのが見えてしまうようでした。
金丸:ビシッと指摘されるわけですね。私自身の子どもの頃の素行を考えると、その環境には耐えられませんね(笑)。
稲見:でも、基本的にはのんびり育ったと思います。当時の葛飾区はまさに下町という感じで、ザリガニが普通に釣れるような環境でしたし、近所の人がピンポンも押さずに来るくらいの距離感でした。
金丸:落語だと同じ長屋の人たちが醤油の貸し借りをする話が出てきますが、日本も少し前まではそういう文化がありましたよね。学校は公立の学校に通われたんですか。
稲見:小学校は公立で、中学から私立の中高一貫校、駒場東邦に通いました。
金丸:稲見さんは昔から理系だったんですか?
稲見:科学や技術に興味を持ち始めたのは小学校のときですね。「ドラえもん」が大好きで、漫画は暗記するほど読みました。困ったことがあれば、「ドラえもん」がきっと助けに来てくれるって信じてましたね。サンタさんがいないことは小学1年生のときには気づいていたんですが。
金丸:早いですよ(笑)。
稲見:なんか枕元で気配がするんですよ(笑)。
金丸:だけど、「ドラえもん」がいないということにも、いずれ気づきますよね。
稲見:もし未来にタイムマシンがあるなら、いつか来てくれるはずだと思っていて。でも、机の引き出しを開けても誰も来てくれない。小学5年生くらいで「自分で作らなきゃいけないのかな」と考えるようになりました。
金丸:漫画のほかに読書は?
稲見:近所に公立の図書館があって、SFもよく読みましたね。入り口はジュール・ヴェルヌで、星 新一も読んでいました。ただ、小学校でSFの話をしても、友達には100%スルーされてしまうんです。先生まで「稲見くんって科学的だよね」と言って、次の話題に行ってしまう。
金丸:話が合う人がいなかったんですね。
稲見:ただ、校長先生は見てくれていたようで、卒業式のときに「将来は博士になればいいんじゃないかな」と言われたのを覚えています。
金丸:慧眼ですね。
稲見:それで「研究者をやってみようかな」という気になりました。
金丸:何か、スポーツはされていましたか?
稲見:親からいろいろやらされましたが、野球では、僕が打席に立つと相手チームが「稲見シフトだー」って、前進守備になるんですよ。だいぶ運動音痴でしたね。だからこそ、人間拡張に興味を持ったのかもしれません。
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