公園の魔女たち〜幼受の世界〜 Vol.8

幼稚園受験の模擬面接。「ママのごはんは何が好き?」と聞かれて、娘が言った予想外の回答

「この子のためなら、何だってしてみせる…」

公園に集う港区の母たちは、そんな呪文を心の中で唱え続ける。

そして、子どもに最高の環境を求めた結果、気づき始めるのだ。

──港区は、小学校受験では遅すぎる…、と。

これは、知られざる幼稚園受験の世界。母…いや受験に取り憑かれた“魔女”たちが織りなす、恐ろしい愛の物語である。

◆これまでのあらすじ

娘の華(2)の幼稚園受験のため、お受験塾「ほうが会」に入会した葉月。幼稚園受験のママ友である敦子とマリエが決裂してしまい…。

▶前回:義母から嫁へのしかかる"お受験合格”への圧力。そのナーバスな気持ちを逆なでしたママ友の一言


Vol.8 かわいそうな子ども


ほうが会の中でいちばん広い部屋「ゾウさんのおへや」には、恵比寿東公園からであろうアブラゼミの鳴き声がうっすらと聞こえている。

8月。

静かな室内には、ズラリと椅子が並べられていた。

2脚ずつのパイプ椅子と、その真ん中にちょこんと置かれた子ども用の木製椅子。

模......


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