「この子のためなら、何だってしてみせる…」
公園に集う港区の母たちは、そんな呪文を心の中で唱え続ける。
そして、子どもに最高の環境を求めた結果、気づき始めるのだ。
──港区は、小学校受験では遅すぎる…、と。
これは、知られざる幼稚園受験の世界。母…いや受験に取り憑かれた“魔女”たちが織りなす、恐ろしい愛の物語である。
◆これまでのあらすじ
娘の華(2)の幼稚園受験のため、お受験塾「ほうが会」に入会した葉月。ママ友である敦子とマリエと共に、ストレス発散のためホタル狩りに来ていたが…。
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Vol.7 誕生月のライバル
「信じられない…っ」
幻想的なホタルの光が飛び交う中、敦子さんの悲痛な声が響いた。
非難の声を浴びせられているのは、マリエさんだ。怪訝な面持ちを浮かべたまま、息の荒い敦子さんに反論している。
「だって。アトリエの方も、よく似合いそうって褒めてくれたし…」
「だ......
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