2022.08.08
港区今昔物語 Vol.1今となっては昔のことですが、港区に沙羅という女が生息していました。
「今夜、食事会あるんだけどどう?」と言われれば飛び入り参加して、必死に“彼氏候補”を探したものでした。
ある日、ようやく彼氏ができて食事会に行かなくなりましたが、その彼にも…。
残念に思って2年半ぶりに港区へ近寄ってみると、そこには以前と全く別の世界が広がっていたのです。
港区の浦島太郎になっていた女・沙羅(33)
「ごめん沙羅。別れたいんだ」
裕二からそう告げられたのは、つい先日のことだった。…最初に彼から「大切な話がある」と言われたときは、ついにキタ~!と思っていたのに。
交際期間は約2年。裕二は45歳の経営者で、バツイチ。だけど「子どもが欲しい」といつも言っていたし、交際の先には結婚があると信じて疑わなかったのだ。
付き合い始めてすぐ、私は彼が住んでいた広尾の低層マンションへ転がり込んだので、同棲期間も2年が経っていた。
「う、嘘でしょ…。ダメだよ、そんなの。絶対に別れないから!」
「そんなこと言われても。…ごめん、沙羅」
こうして、呆気なく私たちの恋は終わった。
「とりあえず、次の引っ越し先が見つかるまではいてもいいから。でも3ヶ月以内にお願いね」
「さ、3ヶ月…!?」
SNSを中心に、フリーランスのPRをしている私。収入は月によってマチマチだけれど、良くて40万。ただ最近は案件自体が少なくなっていて、先月はたった20万だった。
それでもこの家もあるし、裕二もいた。だから平気だったのだ。
とりあえず大急ぎで、今住んでいる85平米ぐらいの家を持っていて、一緒に暮らせる彼氏を見つけなくてはならない。
「3ヶ月ね…」
このときの私は、次の彼氏を見つけるなんて余裕だと思っていた。
なぜなら、まだ33歳。容姿だって衰えていないし、これまで結構モテてきた。まだまだ私はイケるはずだ。
しかし2年半ぶりに港区の社交場へと舞い戻った私には、残酷な現実が待ち受けていたのだった…。
あのキューティーのように、自分の借りられる範囲で6畳一間のボロ家とか賃りて、派遣でも何でも始めた方が良くない?
グラスであったかな?って、この男もケチくさいなぁ。シャンパン頼んじゃ悪いのかよってね。
沙羅、頑張れ!
来週はハイブランドのバッグをバカにされる展開かな?嫌な思いをしてまでお食事会に行くことないのにねぇ。
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