QLCな女たち~平成生まれのジレンマ~ Vol.6

お金すら自由に使えない専業主婦。夫が出勤した隙を見計らって、財布から咄嗟に抜き取ったモノは…

20代後半から30代にかけて訪れる、クオーターライフ・クライシス(通称:QLC)。

これは人生について思い悩み、若さだけが手の隙間からこぼれ落ちていくような感覚をおぼえて、焦りを感じる時期のことだ。

ちょうどその世代に該当し、バブルも知らず「失われた30年」と呼ばれる平成に生まれた、27歳の女3人。

結婚や仕事に悩み、揺れ動く彼女たちが見つめる“人生”とは…?

▶︎前回:西麻布にある、入り口も見つけられないような会員制バーの奥で…。27歳女が目撃した、衝撃の世界


夫の顔色を窺いながら暮らす妻・遥(27)の場合


月曜の朝7時30分。自宅キッチンで目玉焼きを作りながら、先週金曜日の楽しかった会のことを私は思い出していた。

今まで、当たり前に幸せだと思っていた私の日常。けれども最近、昭和世代のお姉さん・亜希さんに出会ってから、これでいいのかなと悶々とすることが多くなってしまった。

「遥、どうした?目玉焼き、もう完熟になってそうだけど」
「えっ…?ヤダ、本当だ!ごめん!」

違うことを考えていたせいか、黄身にはすっかり火が通っている。夫の翼くんは、半熟の目玉焼きが好きなのに…。

「ごめん〜。これは私が食べるね。翼くんの分は今から焼くから」
「いいよ、完熟でも。俺はどっちでも平気だから」

彼は、こんなことでは怒らない。優しくて愛する夫。だけれども、本当はもっと違う選択肢があったのかもしれないと考えてしまう自分が嫌になる。

身支度を終え、出社する翼くんを見送るために玄関まで行くと、ドアノブに手をかけた彼が急に振り返った。

「そういえば遥。先週金曜の夜、遅かったね」
「ご、ごめん。前に話したけど、葵と美咲と飲んでいて…」
「ふーん、そっか。高い店とかには行ってないよね?」
「もちろんだよ!行ってらっしゃい」

ドアがバタンと閉まる音がする。最後だけ、声が高くなってしまった自分を悔いた。

この記事へのコメント

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No Name
もう27歳だよ落ち着かないと!と言う言葉がやけに古臭く感じてしまう。そう思って生きるより、まだ27歳可能性は無限大と思って生きるほうが楽だし面白いよね? 
この3人に共感できないけれど、特に遥は苦手!
2022/06/20 05:1466返信3件
No Name
何歳になっても、新たに挑戦する事は素晴らしいと思います。 自分がつまらない人生を送っていて、萌ちゃんの留学がただうらやましいから猛反対しているようで、遥は大人げないですよね。
2022/06/20 05:1759返信2件
No Name
遥は中身のないつまらない人間だね!
先週、亜希さんの前で「私お金持ちになりたいです」とかアホな発言してたもんね。
2022/06/20 05:3947返信8件
No Name
高い店とかには行ってないよね?
なんて嫌味を言う翼くんが、素直に応援してくれるかな?
数行のセリフにうっすら感じるモラハラ臭。
遥を卑屈にさせているのは翼のせいもあるのかも。
2022/06/20 07:4246返信3件
No Name
気付けば終電を逃してしまい? いや、わざとじゃないの?また、タクチケもらえるだろうと期待してたんじゃないか? 
8千円、翼くん怒りそう。
2022/06/20 05:5034返信2件
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