不動産選びの答えあわせ Vol.7

恵比寿200平米超の豪邸を訪問したら素敵すぎた。リノベーションでホテルのような内装に!

リノベーションのポイント拝見


『ホテルのように暮らせる部屋』

それが、桑野さんが求める部屋のテーマだ。

無機質でありながら、不思議と居心地の良さを感じさせる空間づくりは、谷尻誠氏の真骨頂。

よくある居室のように、玄関、リビング、廊下、部屋…というように空間を分断することをせず、すべての場所をつなげることで、ホテルライクでありながら家族の一体感を感じさせる、血の通った家が完成した。

では、拝見させていただこう。

◆リビング・ダイニング・キッチン


50畳を超える広さのLDKが、この部屋の顔となる。

来客が多くても十分に対応が可能な広さを持ち、ベランダからは恵比寿の街を一望できる。

あえて窓には網戸をつけず、できるだけ視界を遮らない工夫をしています。網戸があると見た目も悪くなるので、部屋の美しさを損なうものは省きました」(克己さん)

ヴィンテージマンションがゆえ天井がそこまで高くなかったため、すべての家具をロータイプに。テレビより高いものを置かないことで、天井を高く見せる配慮がされている。


その配慮の1つが、壁際に低く作られた収納スペース。TV台として、来客時には椅子として、子どもたちの遊び場として、様々な形で活用されている。


リビングのローテーブルの中央には「EcoSmart Fire」の暖炉が。

バイオエタノールを用い、煙や煤を排出しないこの暖炉は、暖房能力の高さも魅力だ。

「普段はあまり点けることはありませんが、お客様が来たときなど、話題づくりの一環として活用しています」(克己さん)


暖炉が埋め込まれたローテーブルとダイニングテーブルはともに、この部屋の雰囲気に合わせて作り上げられたオンリーワンの特注品だ。

さりげない贅沢を施し、日々の暮らしを高める。

これが、アッパー層だからこその「こだわり」なのだろう。


コの字型のオープンキッチンは、リビング・ダイニング全体を見渡せる位置にあり開放感があるうえに、機能性に優れている。

冷蔵庫や洗濯機など他者に見せなくないものはすべて、キッチン後ろのオーク材の壁で囲んだストックルーム内に収められている

「全部オープンにしてしまうと、見せたくない部分をお客様に見せることになってしまいます。隠したい部分はしっかり隠せるように、それでいて機能性を落とさないようにしてもらいました。

部屋のエアコンの調節スイッチなども、このストックルームの中にまとめています。生活感のあるものはすべて隠せるので、重宝しています」(真理さん)


LDKに限ったことではないが、照明のスイッチ類はすべて、生活感のないデザインになっている。これは設計者である谷尻氏のこだわりとのこと。


◆浴室・洗面所


仕事や家事の疲れを癒す浴室にも、桑野さんご夫婦のこだわりがつまっている。

デザインはまさに、海外のハイクラスなホテルそのもの。

「シャワーは海外のホテルにあるような、上から滝のように出てくるオーバーヘッドシャワーに。浴室テレビ、浴室乾燥機を付け、家族が快適に過ごせるよう配慮しました。

1番のポイントは、窓からの景色です。恵比寿の街並みを見ながら入浴する贅沢は、他ではなかなか味わえないと思います」(克己さん)


家族4人が忙しい朝でも快適に過ごせるよう、洗面ボウルを2つ用意。広く大きな鏡が窓の外の景色を映し、開放感を与えている。

シンク下の収納は収納力が高く、浴室・洗面まわりで使うものがすべて収められている


◆勉強部屋


家事をしながらでも子どもたちに目を生き届かせることができるよう、勉強部屋をキッチンの横に設置。これは、真理さんのこだわりだ。

「上の息子は小4から、下の息子は年中の冬から、進学のための勉強を始めました。

子どもたちの部屋は別にあるのですが、個室に入ってしまうと目が行き届かないもの。

キッチンやリビングから声掛けができるように、ガラス張りの勉強スペースを作ってもらいました」(真理さん)

◆ウォーク イン クローゼット


今回の設計で1番こだわったところだというWIC(ウォーク イン クローゼット)。

家族が増えると必然的に、服や鞄などが増えていく。

そうしたアイテムを十分に収納するためになされた工夫。それが、廊下と一体化した広いWICだ。


「服が多いので、クローゼットをたくさん作ってほしいとお願いしたら、このスタイルになりました。

部屋から出て、WICに行って服を選んで……という動線がスムーズですし、他にはない作りなのが魅力ですね」

◆シューズ クローゼット

スニーカー好きの克己さん専用のシューズ クローゼット


克己さんの靴を収納する戸棚も、すべて作り付けでキッチンのパントリーからつながる壁面収納にIN。

こことは別に4.4平米の広さのシューズ イン クローゼットもあるというから驚きだ。

このように、生活感を感じさせるものを備え付けの収納にすべて収めることができる工夫が、随所になされている。

見ているだけで、ため息がこぼれるほど美しくラグジュアリーな桑野邸だが、実は「盲点」だったこともあるという。

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