2022.03.17
柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.16“おこもり”が日常になり、お家デートの機会が増えたというカップルは多いはず。
とはいえ、最初の頃と異なり、毎回同じ場所でデートとなると、マンネリ化は避けられない。
そんなカップルにぜひおすすめしたい、雰囲気をガラリと変えてくれるワインをご紹介!
トレンドの最先端をいく洗練された1本とは?
専門誌からライフスタイル誌まで幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト・柳 忠之氏。
柳氏が東京カレンダーでワイン連載の担当となって4年目。ワインの勉強に日々奔走する編集・嵩倉の質問に、いつも親身になって答えてくれる。
オージーワインは、世界一トレンドに敏感
柳「おや、クラリン(編集担当の嵩倉)。そのスニーカーかっこいいね。おニュー?」
――えへへ。わかっちゃいました?ハイブランドでもスポーティな雰囲気が今年のトレンドなんで、いつものスポーツブランドのスニーカーから卒業しました。
柳「さすが東カレのエディター。トレンドに敏感だ。」
――ところで柳さん、今回のお題目はオーストラリアのシャルドネ。以前、オーストラリアを取り上げた時は王道のシラーズではなくグルナッシュとひねりが利いてましたが、今回はずばり直球ですね。
柳「そんなことないよ。クラリンがイメージするオーストラリアのシャルドネってどんな感じ?」
――それはもう新大陸らしく、果実味たっぷりのおおらかな味わいですよん。
柳「う〜ん、それは10年以上も前のオージー・シャルドネだな。」
――えっ、そうなんですか?
オーストラリアのシャルドネ
「GIANT STEPS Sexton Vineyard Chardonnay(ジャイアント ステップス セクストン・ヴィンヤード・シャルドネ)」
産地はオーストラリア南東部、ヴィクトリア州のヤラ・ヴァレー。
冷涼な気候と絶妙な収穫タイミング、それに人工的なものを極力排した自然な造りから、溌剌とした酸味にミネラル感、タイトに締まった体躯のシャルドネに。抜栓後、空気によ~く触れさせることが肝要。
6,050円/GRN TEL:03-6435-0400
◆
柳「世界中のワイン産地で一番トレンドに敏感なのがオーストラリアだ。
20世紀の終わり頃は著名ワイン評論家の影響が大きく、世界中のワインが濃厚さやパワフルさを追い求めていた。
ところが世紀が変わると、人々の嗜好はフィネスやエレガンスに傾倒。すると市場のトレンドを綿密にリサーチしていたオーストラリアのワイン業界は、一斉にシャルドネのスタイルを大転換した。
たっぷりとしたトロピカルフルーツや香ばしいオークの香りは鳴りを潜め、清涼感を伴う爽やかなフレーバーに、キリッとシャープな味わいをしたシャルドネが今は主流だよ。」
――いつの間にかそんなコペルニクス的大転換が!飲み手の嗜好の変化はまたどうして?
柳「理由はいろいろあるけど、料理のトレンドの変化もひとつじゃないかな?
クリームやソースを使ったコテコテの伝統的フレンチってなかなかとっつきにくいでしょ。和のエッセンスを取り入れた素材重視の料理になってるから、濃厚で力強いワインは合わせづらい。
とくにオーストラリアのメルボルンは世界的な食の最先端都市。近くのモーニングトン・ペニンシュラやヤラ・ヴァレーのワイナリーがその影響を受けるのは当然さ。」
――で、柳さんのおすすめは?
柳「ジャイアント ステップスの「セクストン・ヴィンヤード・シャルドネ」。4年前、現地を訪問した際に出会い、脳天をぶち破られるほど感動した1本。オーストラリアのクール・ビューティだね。」
――ふむふむ。ワインのトレンドは体育会系より文化系。私も今年はその路線で突き進みます!
ワインのお供には、ジャズの名曲を!
ワイナリー名はモダンジャズのサックス奏者、ジョン・コルトレーンの曲と同名。この曲を聴きながらワインを飲めば、より理解が深まるかも。
◆
ジャズの名曲を聴きながらワインを味わう。そんなお家デートなら、いつもと違って新鮮な感覚で楽しめること間違いなし。
ふたりのムードを盛り上げる立役者にしてみては?
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