2022.02.11
現代の“教育・お受験”リアルドキュメント Vol.8将来に備えて我が子の個性や才能、学習意欲を少しでも引き出してあげたい。
切にそう思う親が、私立の有名小学校と同様に検討するのが国立小学校だ。
国立教育大学や国立大学教育学部の附属校として、学習指導要領に従ったカリキュラムにこだわることなく、児童1人ひとりの能力を開花させるために考案された特別授業がウリだ。
国立小学校は平成28年度時点で全国に72校ほどあり、上には附属中学校がある場合が多く、小中一貫校という側面もある。
わざわざ学区内に転居する家族も少なくないが、そう簡単に入学できるわけではない。
基本的には試験と抽選を経ての選別となり、都内となると受験倍率は例年数十倍という競争率だ。
だが、そうまでして国立小学校に入学させたものの、場合によっては我が子にリスクがあるかもしれない、ということをご存知だろうか。
今回は国立小学校に潜む“思わぬ落とし穴”をテーマに紹介する。
前回の記事はこちらから
東大卒の親が赤裸々に語る、我が子の中学受験対策と塾選びの持論
▽INDEX
1. そもそも、国立小を選んだワケ
2. 最先端を求める、国立小学校では…
3. 国立附属をドロップアウトした、長女の結末
電子黒板に映る、複数の種類の乗り物が通過するアニメーションを見ながら、子どもたちは手にしたタブレットを使って種類ごとの台数を記録していく。
乗り物の数え方はあえて決まっておらず、子どもたちの自由な采配に委ねられる。
しかし、様々な乗り物の通過は頻繁で絶え間ない。
やがて子どもたちは1人で乗り物の台数を種類別に確認し、同時にタブレットに記録していくのは難しいことに気づく。
自発的にグループの仲間で台数や種類を確認する役割と、記録する役割を分担して別れていく。
とある国立小学校3年生の、算数の授業の1コマだ。
授業ではこうした体験を通して、児童に数字を表やグラフにするメリットを学ばせるというものだった。
国立小学校は国の教育研究機関という位置付けもあり、専科の教員が様々な研究理論に基づいて最先端の授業を行ったり、実験的な試みを行う傾向がある。
たとえば筑波大学附属小学校では、2013年に小学教育で初めて児童1人に1台のタブレットを与えて授業を行ったことで話題を呼んだ。
冒頭で紹介した授業の様子も、当時の同校の公開授業の一環だ。
最近では電池を使った実験にプログラミングを取り入れて、いかに効率よく電気を使えるかを考えさせる授業などもやっているという。
こうした国立小学校の積極的な取り組みに将来性を見出す親の存在は、何も首都圏だけとは限らない。
我が子に「少しでも良い環境で教育を受けさせたい」と思う親心に、住む場所は関係ないだろう。
結婚を機に、東京から夫の故郷である九州に引っ越した小柴綾子さん(仮名、43歳)も、そうした1人だ。
そもそも、国立小を選んだワケ
現在、中学3年の長女と中学1年の次女の母親である彼女は、かつて子どもたちを国立小学校に通わせていた。
「長女が生まれてからというもの、何か対策をとらないと東京や大阪の子らと比べて学力にハンデが生じるんじゃないかと心配で…。
そうならないためにも、子どもが小さいうちからしっかりとした教育を受けさせたくて、地元でも評判の国立小学校を選んだんです。
そこなら名士と呼ばれるような方や医者のご子息も多く、環境は悪くないという考えもありました。
もちろん、そのときはまだ本人の意思とかはなく、とにかく質の高い教育環境で育ってほしいという親の思いしかありません」(小柴さん)
小柴さんは長女を国立小学校に入学させるため、同附属の幼稚園をお受験させた。入園を機にスイミングスクールとリトミック、英語教室にも通わせたという。
そして無事、希望の国立小学校に合格することとなった。
地方といえども受験倍率は2〜3倍あり、親としてはひと安心だっただろう。
しかし小柴さんの長女はその数年後、中学に進学するタイミングで国立ではなく、公立の中学校に進学する道を選んだ。
長女が通っていた国立小学校では、内部進学という形で附属中学校に進学するケースがほぼ100%だというが、何があったのだろうか。
「そもそも小学校4年生くらいからでしょうか。娘の表情が日に日に暗くなっていって、挙句にもう学校に行くのは嫌だと言い出したんです」(同)
その理由を聞いていくと、世間の評判からは窺い知れない国立小学校の姿が見えてきた。
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