2022.01.18
ニューノーマルな男と女 Vol.13感染症の流行により、私たちの生活は一変してしまった。
自粛生活、ソーシャルディスタンス、リモートワーク。
東京で生きる人々の価値観と意識は、どう変化していったのだろうか?
これは”今”を生きる男女の、あるストーリー。
「ニューノーマルな男と女」一挙に全話おさらい!
第1話:同期女性に絶賛片思い中の男。出社制限で会えない間、彼女はまさかの行動に…
実は文也、新入社員研修で同じグループになってからずっと希実のことを想っていた。しかし、今は距離が近くなりすぎて想いを告げるきっかけを見失っている。
酔いに任せて「付き合う?」と言ったり、手を握ったことはある。しかし、いずれも軽くあしらわれた。
脈は一切感じないからこそ、今は「告白して関係が崩れるよりは、飲み仲間としての楽しい毎日が続いた方がいい」と文也は自分に言い聞かせている。
一生気まずい状態で働くよりは、ずっといいのだ。
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第2話:コロナ禍でハワイ挙式を夢見る花嫁。絶望する彼女を襲う更なる不運とは…
左手の薬指にきらめく、プラチナのバレリーナを眺めながら、隣で微笑む正尚の肩に身体を預ける。
そもそも、梢が彼を選んだのは、憧れの結婚式を実現させてくれそうな人だったから。優しくて、梢のことを最優先に想ってくれる真面目な人。どんなわがままを言っても受け入れてくれる懐の深さがあった。
だからこそ、安心して憧れの結婚式に夢を馳せることができる。梢の笑顔は、彼の喜び―
梢はそう思っていたし、その考えは間違いではなかった。しかし…。
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第3話:緊急事態宣言中に上司の誕生日パーティー。苦言を呈した女が受けたヒドい仕打ち
敏腕経営者である荒川の手法は、コロナが流行し始めた際も発揮された。彼はどの会社よりもいち早くリモートワークを導入したのだ。
― 見た目はチャラいのに、さすが社長よね…。
鞠子は羨望の眼差しで、リモート会議の画面の中心で社員に今後のビジョンを訴える彼を見つめた。だが―
信頼が崩れ去るのは、一瞬であった。コロナの波が勢いをさらに見せてきた、2021年の春。鞠子は社長秘書の有坂愛奈から届いたメールに驚愕する。
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第4話:男と六本木で1週間のホテル密会。のちに女が思い知る“快楽の代償”とは…
望月は百貨店の近くの大手不動産会社で、トップの成績を誇る営業マンだ。そんな彼は湘南在住。持ち家の戸建てで、家族とともに暮らしている。
感染症がまん延する前は、週に1回か2回は会っていた。職業柄、接待が多く、激務。また終電の早い郊外に住んでいる彼は、お泊まりの言い逃れをすることもたやすかった。
だが、この状況下…。彼が都内に出ることも減り、夜も休日も当然ながら出歩くことが厳しくなったのである。
絵里香の勤務する百貨店も休業。休業手当が出るので生活は何とかなるものの、時間を持て余すことが一番きつかった。望月のことを、1人想う時間がそれだけ長くなってしまうのだから…。
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第5話:おうち時間で15kg増した美女。中途入社の男に恋してしまい、ダイエットを決意するが…
リモートワークが中心となり、業務中にお菓子をつまんでも何も言われない日常。運動もしない上に、人と会う機会はほぼない。その末路が目の前に…。
― ダイエットしなきゃ。でも…。
そんなとき、急遽Slackでミーティングの招集がかけられた。隣の課に中途の社員が入社し、挨拶があるという。香子は慌ててメイクをしてから、パソコンの前で姿勢を正す。
部内の何十人もの顔が画面に並ぶなか、中心に大きく映し出されたその男に、香子は目を見張った。
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第6話:「彼女がおかしくなっていく…」偏った思想にハマる恋人。男が病気のとき飲まされた水はなんと…
「本当にいい人よ。お話ししているだけで心がハッピーになるんだ」
結婚のために借りた、職場に近いこの部屋。彼女にとっては土地勘がなく、なかば放り出したような場所で、彼女に友人ができた事実に建樹はホッとした。
少々引っかかる部分はあったものの、彼女が笑顔で自分を支えてくれるのであれば、それでよかった。仕事に集中さえさせてくれれば、それで十分なのだ。
しかし…。そのモヤモヤは、徐々に大きくなっていくのだった。
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第7話:マッチングアプリで3人の男と交際する女。恋人を選ぶ彼女の“運命の王子様”は誰?
大手出版社で女性誌の編集をしている和可菜。愛嬌があり、整った目鼻立ちの彼女は、学生時代は周囲に男性が絶えなかった。もちろん当時は彼氏が途切れたことはない。
しかし、就職してからというのもの―
なんと、その多忙さと女性中心の職場ゆえ、彼氏がまったくできなかった。そしてあっという間に、和可菜は29歳となってしまう。結婚を見据えた恋人が欲しいと思いつつも、やりがいのある仕事に忙殺されて、出会いがない日々。
だがこのご時世となり、オンラインでの出会いが主流になったので、和可菜の生活にも久々に春が訪れたのだ。
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第8話:「在宅勤務はもう限界!」バツイチ女の悲痛な叫び。元夫にシッターを頼んでみたら、意外にも…?
大手ディベロッパーの設計部門で働く桐花。完璧な仕事ぶりで男性社員にも引けを取らず、顧客や同僚からの信頼も厚い。
実家は遠方であるため助けは借りられないが、子育てサポートが充実している地域に引っ越し、病児保育やシッター、ママ友や地域のサポートを駆使してなんとかやっている。バリバリ働く彼女を子持ちだと知らない社員も多い。
「子ども?まぁ、何とかなるものよ。あのコも小さいながら理解しているみたいだし、もうこの生活が普通になっちゃってむしろ余裕?みたいな」
職場の飲み会で、桐花はビールを手に笑いながらそう語った。強がりもあるが、金銭的余裕もあるゆえ、本当になんとかなっているのだ。そう、2020年が訪れるまでは…。
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第9話:美人PRでインスタグラマーの悲しき実態。自粛中、“いつメン”のオンライン飲みでハブられてしまい…
帰宅するなり、高校時代に学園祭で作ったヨレヨレのクラスTシャツを着て、6畳間の万年床に寝転ぶ莉音。
彼女は昨年、20代女性に人気のアパレルブランド運営会社に入社したばかりだ。現在は、ブランドのPRアシスタントとしてメディアでの広報活動に携わっている。
ファッション業界のなかでも人気のプレス職に新卒で就けたのは、すべてInstagramのお陰だ。
学生時代から有名なファッショニスタ・リオンとして、Instagramのフォロワーが数万人の彼女。その影響力に業界から声がかかるのは当然だった。
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第10話:28歳独身女が始めた憧れの鎌倉生活。素敵な男性との出会いに浮かれるが、思いもよらぬ落とし穴が…
「小さな庭もあって、ガーデニングも楽しめますよ。広いリビングはちょっとしたホームパーティに最適ですし、バス通りも近いです」
笑顔で物件の説明をする不動産屋の言葉を聞きながら、頭の中にはこの家での想像が膨らむ。
― 朝は海岸を散歩。庭ではハーブを育てて、ぬか漬けにも挑戦したいな。海の音を静かに聞きながらヨガをして、縁側でシャンパンを楽しもうかしら
東京で生まれ育った美都は、郊外でのびのびとした生活にずっと憧れていた。
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第11話:タワマン上層階に住む専業主婦。自粛の息抜きにバイトをしたら、職場の男とまさかの展開に
都内テレビ局の報道部で働く仁哉は、多忙で毎日のように帰宅が遅い。18時のニュースを主に担当している彼だが、責任者という立場なので深夜の帰宅はいつものことだ。
彼の希望もあって、夏奈は結婚を機に家庭に入っている。湾岸にある高層マンションの上層階で、最初こそ悠々自適な専業主婦生活を満喫していたが、ここまで夫が忙しい人だと時間を持て余してしまう。
新卒以来勤めていた航空会社で、グランドスタッフとして慌ただしい日々を過ごしていたのが、遥か遠い日々に思える。
活動的だった夏奈は、この優雅な生活に不満はないが、満足もしていなかったのだった。
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第12話:バリキャリ女がハマった南国の王子様。東京で同棲を始めると、次第に彼の本性が現れて…?
10年前、大学の卒業旅行で初めて南国のビーチリゾートを訪れて以来、その魅力に取りつかれた涼音。
ハワイはもちろん、セブ島にパラオ、ボルネオにモルディブ。国内でも奄美大島や石垣島、そして宮古島…数えればきりがないほど、国内外のあらゆる場所へ訪れた。
休みのたびに世界各地のリゾートを訪れ、ラグジュアリーなコンドミニアムや高級ホテルに泊まり、贅の限りを尽くすのが恒例となっていた。
なかでも、宮古島は国内という気軽さもあり、年に1回は訪れているお気に入りの場所だ。
もはや、旅行のために働いている状態の涼音。広告代理店の営業として昼も夜もなく働けるのは、このご褒美があるからと言っても過言ではない。
第12話の続きはこちら
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