ニューノーマルな男と女 Vol.2

コロナ禍でハワイ挙式を夢見る花嫁。絶望する彼女を襲う更なる不運とは…

自粛生活、ソーシャルディスタンス、リモートワーク…

いまだ深刻な感染症の流行により、

社会、人々の価値観や意識の変化にさらされている“このご時世”

そんな今を生きる男女たちのリアルライフ・ストーリー。

▶前回:同期入社の女友達に絶賛片思い中の男。出社制限で会えない間、彼女はまさかの行動に…

Act2. 披露宴ドリーマーの憂鬱

――2020年1月・パンデミック前の世界――


「ハワイのザ・カハラでまず親族だけの挙式をして、帰国後にマンダリンオリエンタルで盛大な披露宴をするの。

ドレスはヴェラ・ウォンとドルガバは外せないよね。お色直しは最低でも3回はしたいし、二次会は銀座か丸の内かな?同僚や友達を100人は呼びたいの」

29歳の誕生日。銀座の老舗フレンチ『ロオジエ』で、梢は恋人の正尚にプロポーズされた。

承諾の返事の次に、梢が口にしたのは20年以上温め続けていた結婚式のプラン。その内容を聞いて、正尚は苦笑いをしながらも幸せいっぱいな表情で彼女を優しく見つめた。

「すごいね。そこまで考えているんだ」

彼はすらりとしたスーツが似合う、背の高い商社マン。梢とは大学時代のサークルで出会い、卒業後すぐ交際を開始した。

正尚の海外転勤もあり少々遠回りした時期もあったが、出会った頃から数えると10年以上の付き合いになる。盛大な結婚式の夢も、彼は薄々知っており、彼女が式のために何百万も貯金していることも理解している。

結婚式―

それは、梢の小さい頃からの夢だ。

彼女の実家の近所には、チャペルと大きな結婚式場があった。幸せな花嫁たちを毎週のように眺めながら、幼い梢は遠い未来に思いを馳せていた。

― いつか私も、あんな素敵な“およめさん”になりたい。

この記事へのコメント

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No Name
梢が正尚を選んだのは、憧れの結婚式を実現させてくれそうだったから。
それだけ?

夢のような披露宴とタヒチへのハネムーンを叶えてくれそうな人だからと結婚したのに、半年もしないうちに離婚した人を知っている🤣
2021/11/03 05:3576返信2件
No Name
最後の方ちょっとよく分からなかった。
子宮筋腫が大きくなってきているので切除する手術をするかどうかの話かと思ったけど。すぐにでも子供のことを考えようって…
1人産んたら子宮全摘する方向?な訳ないよね。パンデミックで夢の結婚式を断念せざるを得なかった内容は分かるけど。
2021/11/03 05:3062返信7件
No Name
真紀ってあの真紀?
ヴァイオリニストの。
2021/11/03 05:3234返信6件
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