2021.12.09
高偏差値なオンナたち Vol.10高い偏差値を取って、いい大学へ進学する。
それは、この東京で成功するための最も安定したルートだ。
…あなたが、男である限り。
結婚や出産などさまざまな要因で人生を左右される女の人生では、高偏差値や高学歴は武器になることもあれば、枷になることもある。
幸福と苦悩。成功と失敗。正解と不正解。そして、勝利と敗北。
”偏差値”という呪いに囚われた女たちは、学生時代を終えて大人になった今も…もがき続けているのだ。
「高偏差値なオンナたち」一挙に全話おさらい!
第1話:自分よりも低学歴な夫が海外駐在に。復職断念を迫られた妻は、口が滑って…
復職後のプランを頭に思い描きながら、ハンバーグを焼きはじめた、その時。玄関の鍵がガチャっと開く音がした。
「直樹、おかえり!ほら、結衣ちゃん。パパ帰ってきたよー」
いつも通りに直樹を出迎えるが、帰宅した直樹の顔は、普段に比べて明らかにこわばっていた。
― なんか様子が変だなぁ。どうしたのかしら?
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第2話:子どもについて、夫婦の話し合いを避け続けたら…。産婦人科のアラサー女医が妊活に積極的になれない理由
ぼんやりと自分の将来を案じながら、診察に明け暮れる毎日。
― こんなに毎日妊婦さんに接しているけど、私自身は一体いつ出産すればいいのかな…高齢になれば妊娠・出産のリスクが高くなるのは、私が一番わかっているはずなのに…。
悶々とする日が続いて、もうどれくらい経つだろうか。こう考えない日の方がないと言えるくらいに、毎日同じことを考えてしまうのだ。
そんなある日、悩む沙絵の診察室に、とても若い妊婦が入室してきた。
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第3話:偏差値70の進学校で“底辺”だった女。一流大卒の同級生に「なんで来たの?」と同窓会でマウントされ…
「やっと、この時が来たわ…」
同窓会当日。案内メールを読み直して時間と会場を確認した後、クローゼットの全身鏡に映る自分を見ながら、葉子はほくそ笑んでいた。高校時代の葉子は、成績も容姿もキャラも目立たず、欠席したことにも気が付かれないような存在だった。
そして、進学校にもかかわらず、合格できたのは2流大学。そんな「イマイチな子」というレッテルを貼られた葉子が、高校の同級生たちに人生の大逆転を見せつけられる滅多にないチャンス…
それが、この同窓会だったのだ。
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第4話:「私、なんでバイトしてるんだろう…」エリート街道から外れた女に、莫大な教育費を注いだ母が言った一言
紀子は、初めてオーディションに受かったミュージカルの初日を迎えていた。
何度も読み込んだ台本は、他の出演者の誰よりもくたびれている。
― 観客から見たら、私はただの端役の1人にすぎないかもしれない。それでも、私はこの役を精一杯、心を込めて演じてみせる…。
そう決意を新たにした紀子は、くたびれた台本を前に今までの自分を振り返っていた。
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第5話:人の結婚を素直に喜べない…。仕事に全てを捧げるキャリア女子が、毎夜巡回する怪しげなサイト
残業を終え退社し、疲れた体を引きずるようにして駅に向かい、電車に乗り込む。
3駅ほど過ぎたころにやっと空いた席に座り、バッグからスマホを取り出した。
― あぁ…。こんなページを読んでいるなんて、周りの人に見られたら「この人ヤバイ」とか思われるかな…。
千穂のスマホに表示されているサイト。それは、周りの人から見られないように思わずスマホを傾けたくなるようなものだった。
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第6話:進学校から二流大学に進んだ女。コンプレックスをかき立てる、自分より「上」の女友達からのメールとは
― 私の人生、イマイチだった時もあったけど…。今ではちゃんと仕事もしているし、結婚もしたし、子供も産んだ。誰にも何も文句を言われる筋合いはないわ。誰にも引けを取らないくらい、私は幸せ。
大学卒業後、志望していたアパレル会社にデザイナーとして就職。27歳の時に同僚と結婚し、翌年には娘を出産。
ささやかながら充実した日々を送っている。紗矢は、やっと自分の人生に自信が持てるようになってきた気がしていた。
なぜ、紗矢が自分の人生に自信が持てなかったのか…。それには、ある理由があった。
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第7話:年収3,000万の彼からのプロポーズの言葉は「専業主婦になってくれ」仕事をやめたくない女は、結局…
奈保子は、“新御三家”と誉れ高い都内の私立中高を卒業後、慶應に現役合格した。
そして、卒業後は国内最大手の消費財メーカーに営業職として就職。
1年目から着実に営業成績を収め、数少ない女性の幹部職候補として頭角を現し、周囲の期待を一身に集めていた。
しかし、そんな華々しいキャリアは、ある出来事で中断せざるを得なくなる。その出来事こそが、隆紀との結婚だった。
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第8話:「娘には、東大に入ってほしくない…!」東大卒のワーママが身を持って痛感する、高学歴ならではの辛さ
「ねぇ、ママ!このニュースだけど、何でこういうこと起きちゃうのかな…」
由紀は、9歳になる娘の茉莉と一緒にリビングでくつろいでいた。茉莉は非常に利発で、テレビのニュースに対しても自分の考えを主張してくる子どもだ。
しかし、娘が利発であるということは喜ばしいことだが、由紀はこんな茉莉を見る度に、ついこう思ってしまうのだ。
― 茉莉ってホント、小さい頃の私みたい…。この子もいずれ、私と同じような悩みを抱えて生きていくんだろうな…。
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第9話:頭の良さより、育ちの良さ。慶應大学に進学した才女が抱える、”お嬢様”へのコンプレックス
マンションから駅に向かう途中にある、中学受験で名高い大手進学塾の存在だ。毎日多くの小学生が大きなバッグを抱えて通うその塾は、21時過ぎにもなると、多くの小学生と迎えに来る保護者で道は溢れかえるほど盛況なのだった。
夜遅くまで勉強に励む小学生たち。
― あの子たち、小さいのによく頑張っているわよね…。私もそうだったけれど…。
努力している子供たちの姿を見る度に、郁美の脳裏にはある苦々しい思い出が蘇ってくる。それは、人生で初めての挫折の経験だった。
第9話の続きはこちら
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