マンスプ男 Vol.8

「あなたの旦那さんが好き」という20代女と妻が対峙。男を虜にする小娘にアラフォー女は思わず…

「妻が輝いていることが、僕の喜びです」

令和の東京。妻に理解のある夫が増えている。

この物語の主人公・圭太もそのうちの1人。

・・・が、それは果たして、男の本心なのだろうか?

元来男は、マンスプレイニングをしがちな生き物だ。

高年収の妻を支える夫・圭太を通じて、東京に生きる『価値観アップデート男』の正体を暴いていく。

(マンスプ=マンスプレイニングとは、man+explainで上から目線で女性に説明するの意味)

◆これまでのあらすじ

藤堂圭太(34)は、商社を退職し、イラストレーターの仕事をしながら家事全般を担って、自分より年収のある経営者の妻・香織(36)を支えている。だが、したたかな就活生・未久(21)から好意を抱かれていることを知る。

圭太から未久に関する報告をうけた香織は、「私が未久ちゃんの面倒を見る」と言い出したが…。

▶前回:「いい夫ぶるのも、いい加減にして!」妻がイラつく、誰にでも優しい男の本性


「夫のことを好きだ」という女との対峙


「もしかして、本当に圭太くんのことが好きなの?」

慌てる私をよそに、未久は少し間を空けてから言った。

「…正直に言うと、憧れてます」

「それは『異性として好き』ってこと?」

間髪入れずに質問してしまう。

「好きです」

未久が断言するので、私は絶句してしまう。

「…でも『異性として好き』とは、ちょっと違うというか…」と、未久は困ったように首をかしながら言葉を続ける。

「つい最近見た恋愛ドラマで、主人公の女性が『素敵な男性はだいたい結婚している』とボヤいてて…」

― 現実世界でも、よく聞くセリフよね。

未久は、早口で続けた。

「私も、その感覚に近いです。藤堂さんは、正直、素敵な男性だと思います。男尊女卑しないし。ちゃんと価値観がアップデートされているし。さすが、香織さんが結婚相手に選んだだけの人だと思います。本当にさすがです!」

未久の勢いに押されて、私は思わず「あぁ、ありがとう」と答えてしまう。

「そういう意味で、私は藤堂さんが好きだし、香織さんとの夫婦関係にも憧れます。かといって藤堂さんと付き合いたいなんて思ってません」

だから安心してください、とでも言うような眼差しで、未久は私を見つめてきた。

でも、私は安心できなかった。

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