2021.11.15
CHANGE(チェンジ) ~いくつになっても初体験っていいもんだ~ Vol.5
年を重ね、経験を積んだ大人がデートする際の店選びに欠かせない要素。
立地、味、心地よい空間、一流のホスピタリティ…。それらを押さえておくのは、大人であれば、ごく当たり前。
では、デートを特別なものに押し上げる、もうひとつの要素とは?
その答えは、「つくりのこだわり」を感じられる一品があるかどうかだ。
想像や先入観の一歩先の味わいを共有することで、ふたりの距離はぐっと縮まる。
大正モダンな店内で多様なカクテルが愉しめる『The Bellwood』
渋谷から富ヶ谷へと抜ける“奥渋”と呼ばれるエリア。
都内屈指の高級住宅街である松濤や、クリエイターが多く住む代々木上原とも至近なこともあり、大人が集う隠れ家的な店も多い。
夜ともなるとぐっと雰囲気を増すその界隈に、2020年6月に誕生したバーが『The Bellwood(ベルウッド)』だ。
こちらは、同じ渋谷に店を構える人気カクテルバー『The SG Club(エスジー クラブ)』などを展開するSG Groupで、5年間マネージャーを務めた鈴木敦氏が初めてプロデュースした話題の店。
鈴木氏はNY、ロンドン、トロント、上海など、海外でキャリアを積み、世界有数のカクテル大会で世界チャンピオンに輝いた経歴を持つ。
SG Groupのファウンダーであり、パートナーでもある後閑信吾氏とともに、これまでの日本にないバーの世界観を創り上げてきた鈴木氏だけに、『The Bellwood』も随所にこだわりが光る。
そんな彼の店を訪れた1組の男女。
エレガントながら、どこか懐かしい雰囲気が漂い、時代も国も飛び越えたような非日常空間に身を委ね、目を輝かせる2人。
彼らは「乾杯の1杯に」と、食前におすすめのカクテルをオーダーした。
「海外でも注目のクラフトジンでつくった、カクテルはいかがですか?」と店主が推した、お酒とは?
リクエストに応え、鈴木氏が差し出したのは、彼が上海時代に出会い、「鮮烈な印象を受けた」と語るサントリー ジャパニーズクラフトジン ROKU(六)を使ったカクテル。
ROKUは「世界に通用する国産ジンをつくりたい」という、つくり手の熱い想いから生まれたお酒だ。
「ジンというとジュニパーベリーの特長的な香りが、ガツンとくる感じを想像すると思いますが、ROKUは全く違います。和の素材が繊細に香り、あぁ日本らしいジンがいよいよ出てきたな、と思ったことを覚えていますね」
鈴木氏の評価は、つくり手への最大の賛辞といえるだろう。なぜならROKUは、「必要最小限の和素材のみを使用して、日本らしいジンを作りたい」というつくり手の熱意のもと、辿り着いた究極の和素材〈春の桜花と桜葉・夏の煎茶と玉露・秋の山椒・冬の柚子〉6種類を使用し、完璧な調和を目指した唯一無二のお酒だからだ。
世界に通用するお酒を…。ROKUの開発者の想いは、世界中で腕を奮ってきた鈴木氏と重なる。
「海外では、バーは身近な存在。午前中からオープンしていて、食事をとることも出来るし、女性ひとりでも若い人でもカジュアルに立ち寄れる。あくまでもバーはお酒を愉しむ“箱”で、使い方は本当に自由というか。日本では“洋酒を静かに愉しむ敷居の高い場所”、そんなイメージがまだまだ先行していると思うんですが、まずそこを覆したい。外国のように、バーをもっと自由に愉しんで欲しいんです」
鈴木氏は、世界への想いをこう続ける。
「僕がニューヨークに渡った当初は英語も話せないし、海外の人はどういうお酒を好むのかもわからず、勝手も全然違う。どう自分が闘えるのか、毎日必死でした。それでも自分を信じ、ロンドン、トロント、上海と次々と飛び込びました。
『The Bellwood』を開店するにあたり路面店を選んだのは、海外のバーのように“誰でもウェルカム”という意思表示でした。入り口もガラス面を広く取り、外から中の様子が窺えるようにすれば、入ってみようかな、というきっかけにもなりやすいかなって。バーの間口を広げたかったんです」
熱い想いを持つ鈴木氏が作るROKUを使ったカクテル。さて、その味わいは?
この記事で紹介したお店
ベルウッド
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